『ゾイドワイルド ZERO』ヒロイン・サリー役・千田葉月さん エバーグリーンなロックナンバー「名もなき旅」制作秘話|インタビュー
テレビ東京系アニメ『ゾイドワイルド ZERO』のヒロイン・サリー・ランド役を射止めたシンデレラガール、声優・千田葉月さんが8月11日に2ndシングルを配信リリースします。
前作の「ヒカリ」に続き、『ゾイドワイルド ZERO』のエンディングテーマを飾る「名もなき旅」。千田さんのフレッシュでピュアな歌声が冴えわたる、ポジティブなロックナンバーです。
音楽プロデューサーは、A.B.C-Zやアニメ『ハクション大魔王2020』などを手掛ける島崎貴光氏。鈴村健一やRun Girls, Run!などの曲でも知られる廣中トキワさんが作曲・編曲、「ヒカリ」で作家デビューを果たした柊木七音さんが作詞を、ELISAや加藤和樹などを手掛ける清水裕貴さんがエンジニアを担当しています。
今回は千田葉月さんに、ご自身のこれまでの道のりと、「名もなき旅」にまつわるエピソードを教えていただきました。
ヒロイン役抜擢は「人生のピーク」、困ったときは、大先輩たちに助けられ……
──昨年、『ゾイドワイルド ZERO』のヒロイン・サリー・ランド役で声優デビューを果たした千田さん。当時は大学在学中だったんですよね。
千田葉月さん(以下、千田):はい、今年の3月に大学を卒業したんです。抜擢されたときはもう人生のピークなんじゃないかと思いました(笑)。
実際にアフレコ現場に入ってからは、めちゃくちゃプレッシャーを感じていました。しかも昔からある『ゾイド』シリーズで、正直なところ「大丈夫かな」って。でもこの作品に関われたことがとても嬉しいです。
ベテランの役者さんから私のような新人までいる現場は珍しいとうかがいました。しかも1年という長い期間をいただき、いろいろなかたと深く関わることができて、一緒に作品を作る楽しさに気づきました。
──アフレコ現場はどのような雰囲気なのでしょうか?
千田:和気あいあいとしています。座長の野上翔さん(サリー・ランド役)、日笠陽子さん(ジョー・ アイセル役)が引っ張ってくれるので、すごく良いムードです。
(新型コロナウイルスの)自粛前は、収録後に食事に行くことも多くて。いろいろなかたとお話する機会もいただき、本当にありがたいです。目標にしたいかたしかいないという、凄い現場ですね。
──先輩方とお話されるなかで、特に心に残っている言葉はありますか?
千田:たくさんあります! 特に、三木眞一郎さん(アルドリッジ役)が「キャラクターから最後に“声を担当してくれてありがとう”と言ってもらえるような役者であるべきだよな」とおっしゃっていたことが心に残っています。私もサリーちゃんにそう思ってもらえるように頑張らなきゃ!と。
──心に染みる良い言葉です。ところで、千田さんは中学生のときから声優を目指されていたそうですね。そのときはご両親が反対されていたとか。
千田:はい。両親はずっと反対していて、「社会人として会社で働きなさい」と言われていたのですが、大学生のときに「そこまで本気なら頑張ってみなさい」と言ってもらえたんです。
ギリギリまで挑戦してみたいなと思い、就活をしながら事務所のオーディションを受けていたところ、4年生のとき今の事務所に所属することが決まったんです。
しばらくはレッスンが続いていて、「このままで大丈夫だろうか」という不安もあったのですが、ある日オーディションに呼ばれ、サリーちゃん役をいただきました。あのとき、あきらめなくてよかった!と思います。
──ご両親は今は応援してくれているそうですね。
千田:応援してくれています! お父さん、お母さん、妹、全員仲良しなんですが、やさしさが違いますね。時々、アドバイスもされます(笑)。
突然の声優デビュー レコーディング中に知らされた?
──『ゾイドワイルド ZERO』の第一クールのエンディングテーマ「ヒカリ」でアーティストデビューも果たしました。もともと歌うことが好きだったそうですが、アーティストデビューは視野に入れていたことだったのでしょうか?
千田:歌うことは大好きで、お風呂でもよく歌っていて(笑)。アヴリル・ラヴィーンさんが好きでよく聴いていました。実はアーティストデビューは、結構な急スピードで決まっていったんです。
「(エンディングテーマも)やってみる?」って声をかけてくださったのがきっかけなのですが、そのときはキャラソンだと思っていたんです。そしたらレコーディングのときに「自分名義で出そうか」って言っていただいて。
──レコーディング中に突然アーティストデビューが決定したと(笑)。
千田:はい(笑)。自分の脳内で緊急会議がはじまりましたね。「どういうこと!?」って。突然のことだったので、実感もわかず……。
──突如デビューが決まった「ヒカリ」のレコーディングはいかがでした?
千田:緊張しました。仮歌を(アーティストの)凛さんが入れてくださったんですが、ものすごく美しくて「仮歌がすごい! 凛さんすごい!」と。私は仮歌がないと歌えないタイプなんですが、歌う人によってこんなにも変わるんだと驚きました。
最初は少し臆病になっていたんです。「歌なんて歌えないよ、どうなるんだろう、大丈夫かな」って。でも周りのサポートがすごくて。とりあえず挑戦したら、あとは周りがなんとかしてくれるだろうと。
プロデューサーの島崎さんが本当にお優しいかたなので、やりたいようにやらせてくれるんです。周りの方々に支えていただき、歌うことができました。
▼凛、紆余曲折の10年を経て完成させた念願の1stアルバム『凛イズム』
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1517366375
──今作の「名もなき旅」も、「ヒカリ」と同じクリエイターが楽曲制作を担っています。プロデューサーの島崎貴光さんに、廣中トキワさん(作曲・編曲)、柊木七音(作詞)、エンジニアの清水裕貴さんから成る“チーム千田”はどんな雰囲気なのでしょうか?
千田:皆さんとにかく明るいんです! 島崎さん、エンジニアの清水さんはいつも優しく見守ってくださっています。特に島崎さんはいつもニコニコされていて、「ここいいよ、ここ良いけど、もうちょっと出してみようか!」ってプラスに転換させながらアドバイスをくださるんです。
柊さんは、力強い歌詞と裏腹に、すっごくかわいらしい方なんです。前回の「ヒカリ」のTDのときも……って、TDってなんの略なんだろう?(笑)
──トラックダウンですね(笑)。
千田:そうです!(笑) そのときにお手紙をくださったんです。今回も「卒業おめでとう」という言葉を手紙でいただき、感動しました。
トキワさんには一度だけお会いできました。トキワさんの曲はイントロから凄く好きです。前回はバラード、今回はロックよりの曲と、ジャンルは違うのですが、どちらも爽やかさがあります。かつかわいらしさ、キラキラ感、カッコよさもある。本当に、素晴らしい方々に恵まれました。