【BLのことさらに知ってみませんか?】令和最前線の「攻めの事情」! 攻めは設定も攻めている!? の巻 【アニメイト編集部BL塾・応用編】
先日、夏の暑さに負けないほど白熱した「アニメイト編集部BL塾」。ありがたいことに、どうやらたくさんの方に読んでいただけたそう(パチパチパチ)。
そこで、第2回目の「アニメイト編集部BL塾」を開校することに! 今回もフリーライターの阿部が先生役、編集部員・石橋さんが生徒役となり、BLの世界をご案内。
BLコンテンツを語る上では欠かせない「攻めキャラクター」をテーマに講義を進行。「攻めの源流」や「攻めの多様化」など、本稿を読めば「攻めキャラクター」の理解が深まるはず。
前回の基礎知識の応用となる内容のため、復習しながら学びを深めていきましょう。
では、早速講義スタート!
※BL事情は諸説あるため、本企画には個人的見解も含まれています。
※一部、R-18の作品も紹介しています。
●阿部裕華
フリーのライター。本企画の助っ人。石橋さんの飲み友達。BL愛好歴15年。『好きなものは好きだからしょうがない‼』に衝撃を受け、BLへ沼落ち。黒髪メガネ受けが登場する商業BLマンガは一通りチェックする。今回の先生役。
●石橋悠
アニメイトタイムズの編集部員。HIPHOPと百合と某王国を愛する。アニメ化したBL作品などを少し見てはいるが、ズブの素人と言っていいレベル。今回の生徒役。
連載:BL塾
アニメイトタイムズで連載中の「BL塾」が書籍化決定! 表紙イラストは森下suu先生! 書き下ろしを含めた決定版です! アニメイト特典は表紙イラストのカラーペーパー!連載バックナンバー
画像をクリックすると、関連記事にとびます。「攻め」とは?
石橋:前回の「アニメイト編集部BL塾」が好評だったため、2回目の開校に踏み切りました。
センセイ! 今日もよろしくお願いします!
阿部:ありがとうございます! いやぁ……光栄です。
前回はBLの基礎についてお話をしたので、今回は一歩踏み込んだ内容をお話しようかなと。
石橋:おお! 今回はどんな内容でしょうか?
阿部:BLに登場する「攻め」についてお話していきます!
早速ですが石橋さん、前回のおさらいです。「攻め」とは何でしょう?
石橋:はっ! 急に問題きた……!
えっと、いわゆる性行為において挿入する方です!
阿部:さすが! 大正解です。
石橋:(ほっ……)急に質問されてドッキリした(笑)。
阿部:(笑)。前回少しお話しましたが、BLコンテンツに登場する「攻め」や「受け」は時代とともに多様化しています。今回は、どのように「攻め」のキャラクターが変化してきたのかについてお話していきます。
「攻め」の源流をおさらい
阿部:BLコンテンツが出た初期の頃は「BLの攻めといったらコレ!」といった、ある程度のフォーマットがありました。「外見」「内面」「仕事」での特徴はこんな感じです。
阿部:見た目も性格も“骨太”なタイプのキャラクターですね。
石橋:アラブの王様(笑)。たしかにいろいろな経験をしていそう……。性格的に攻めの姿勢を持っている人が多かったんですね。
阿部:そうですそうです。全てにおいて“リードする人”でした。
BLという言葉が生まれたのは90年代初期といわれていますが、言葉が生まれる以前からこういった要素を持つキャラクターが攻めとして描かれていたようです。
石橋:なんでこういった攻めが多いのでしょうか……?
阿部:理由はふたつあると思っています。
※1:BL進化論
太田出版にて刊行されたBL研究家・溝口彰子さんの評論書籍。BLの歴史や歩み、BLと社会との結びつきなど、BLにまつわる知識を学ぶことができる。
※2:恋人たちの森
1975年に新潮社文庫より刊行された森鴎外の娘・森茉莉さんの小説。男同士の官能的な恋模様が描かれる。BLの原点と呼ばれる作品。
石橋:あー! はいはい(全力で頷き)。本当に型に入れたような感じですね。BLのみならず、オタク文化に脈々と受け継がれている「強い人」の枠にいますよね。
阿部:たしかに! 乙女ゲームに出てくる男性キャラクターのうち、一人は必ずいるかも。
石橋:「資産家の息子」って大体いますもんね。キザで「俺についてこい!」といったタイプ。
阿部:そういった「俺についてこい!」タイプの攻めを、「俺様攻め」と呼ぶことが多いんです。