GRANRODEOインタビュー|15周年イヤーを迎えた新曲はアニメ『バキ』大擂台賽編OPテーマ「情熱は覚えている」! 2人が新曲やオンラインライブを含めた15周年イヤーについて語る!
15周年イヤーを迎えたGRANRODEOの新曲「情熱は覚えている」を9月9月に発売! アニメ『バキ』の前シリーズに引き続き、今シリーズである大擂台賽編のOPテーマに!
GRANDRODEOのKISHOWさんとe-ZUKAさんに気になる「情熱は覚えている」について、先日発売された9組の人気アーティストがカバーしたトリビュートアルバム『RODEO FREAK』、そして7月31日に行われたオンラインライブなど、15周年イヤーとここまでの歩みを振り返っていただきました!
駆け抜けた15年間。長く続けたいという気持ちがより強く
――結成15周年おめでとうございます。感想をお聞かせください。
KISHOWさん(以下、KISHOW):大変な時に15周年イヤーを迎えましたが、3月に開催予定だったライブを先日、無観客&生配信でやれたことで、ようやく「15周年を迎えるんだな」と実感できました。
月並みですが、長かったようで短く、短かったようで長かった15年だなと。思い起こせば活動を始めた2005年はギリギリ20代で、20代から40代まで駆け抜けた感じがします。
e-ZUKAさん(以下、e-ZUKA):あっという間だったし、よくここまで続けてこられたなと思います。そしてランティスもここまで大きくなったもんだなと(笑)。でもお互いに年を重ねてくると長く続けたいという気持ちが強いですね。
まだ僕らの音楽を聴いたことがない人には聴いてほしいと思うし、今まで応援してくれた人にもこれまで以上に楽しんでもらいたいという想いもあるし。あの半沢直樹さんも「感謝と恩返し」とおっしゃっていたし(笑)。
――ここまでの音楽活動の中で印象に残っている出来事を教えてください。まずKISHOWさん。
KISHOW:たくさんあるけど、初めての単独武道館(2010年)は大きかったですね。「できればいいね」と思いながらやっていたところはあるし、それが結成5年で達成できたのは嬉しかったです。
男性声優アーティストとして単独で武道館公演をやったのは僕ですとこの先も言い続けることができるし(笑)。声優をやりながら歌もやりたいという野望と武道館公演という夢が叶ったことは幸せだなと思います。
また、活動の中で声帯結節を患った時は正直、終わったと思いました。声優としても死活問題だし、GRANRODEOもせっかく波が来ているのにもうダメかもと思いかけたけど、やれることからやろうと禁煙に挑み、打ち克つことができました。
人生で自分をほめてあげたいのは禁煙だけです(笑)。でもトータルでは良かったと思える15年でした。
――ではe-ZUKAさんもお願いします。
e-ZUKA:いろいろあるけど、やっぱりライブになるのかな。一番最初にライブをやった2007年の横浜BLITZは印象深いです。結成1年目はシングル1枚で終わり、2007年にようやくアルバムを出せて。
それまで作品でユニットを作って音楽活動をすることも多かったけど、割とすぐに終わるんですよね。GRANRODEOもそんな感じで自然消滅しちゃうのかなって。
GRANRODEOでは自分がやりたかった音楽性を入れてきて、それが溜まってアルバムになって。アルバムは僕らの年代にとってはすごく価値があって、「これでいい想い出ができたな。これで終わってもいいや」と満足感がありました。
ただ2007年の1stライブはお客さんの熱量がすごかったし、KISHOWと初めてフルステージをやって、「すごいな。ロックスターみたいだな」と。そして「まだまだ続けていきたいな」とその時に初めて思ったんです。
「あの時はこのTシャツ着てたな」とか「このギターケース持って行ったな」とか今でも覚えています。もちろん初めての武道館も、2013年の横浜アリーナ2DAYSも長渕剛さんのスタッフの仕事などでよく行っていて「いつかこんなところで自分もやりたいな」と思ったし、大阪城ホールも憧れの場所で。
あとは2018年に故郷の新潟県十日町市で初めての凱旋ライブができたことですね。それまでも新潟ではやったことはあったけど、地元ではなくて。会場の真裏は僕が通っていた高校だし、そこにバンドメンバーやスタッフ、ファンの方も来てくれて、不思議な感覚だったし、ようやくできたなと感慨深かったです。
初のトリビュートアルバム『RODEO FREAK』は9組の豪華アーティストが本気のカバー! 喜びと同時に嫉妬も!?
――15周年イヤーを記念して、8月19日に初のトリビュートアルバム『GRANRODEO Tribute Album "RODEO FREAK"』がリリースされました。
KISHOW:僕たちの楽曲を、どう料理していくかが醍醐味ですが、9組それぞれのカラーや意外性があっておもしろかったし、楽しませてもらいました。1曲上がってくるたびに聴くのが楽しみだったし、久しぶりにワクワクしました。
e-ZUKA:嬉しかったです。名だたるアーティストたちにカバーしてもらって。こんなに本気でやれなんて言ってないのに(笑)。
――オリジナルを知らない人が聴いたら、最初からこのアーティストの曲なんだと思うくらいの個性が出ていますね。
e-ZUKA:もう曲を取りに来てますよね。トリビュートする気がないですね(笑)。みんな、自分が一番いいところを聴いてもらいたいと思うじゃないですか? だから曲を自分たちに引き寄せて、自分のいいところを出そうとしていて。
KISHOW:それぞれのアーティストのファンの方には我々のオリジナルの曲のほうと聴き比べをしていただければ。
――特に驚きや感心した楽曲はありましたか?
KISHOW:西川(貴教)さんの「偏愛の輪舞曲」では、パワフル系ボーカリストの1つの到達点にいる方なんだと改めて思ったし、他の楽曲も歌ってほしいなと思ったくらいビックリしました。
MUCCの「メズマライズ」は予想以上にハマっていたし、OxTの「変幻自在のマジカルスター」はやられたと思うくらい、小憎らしくて。OxTは音楽に対してまじめなんですね。この曲も真剣にカバーしてくれて。
超特急の「BEASTFUL」はキーとテンポを落として、まったく違うアレンジになっているから「原曲ってどんなのだったっけ?」ってよく言われるし(笑)。
もちろん他のアーティストも良かったし、驚きもあって、素晴らしい9組のラインナップだなと思います。
e-ZUKA:すごく変える人と原曲に忠実にする人がいると思いますが、どちらも違和感がなかったです。ただすごいなと思って、いちリスナーとして聴いてしまいました。
「BEASTFUL」はこういう変え方をするとよりメロディアス加減がわかって、「いい曲だったんだな」とか。原曲よりも聴きやすくなっているなという発見がありました。
ベリーグッドマンの「Punky Funky Love」はコード進行を変えて、リハーモナイズ(ある旋律に違うコードに差し替える曲の雰囲気を変える手法)して自分に引き寄せているなと。より一層、メロディも映えて。
でんぱ組.incの「Can Do」はかわいいし、ギターソロをシンセで再現してくれて、トリビュートしてくれているなと感じられておもしろかったです。
シド(「Infinte Love」)やBREAKERZ(「The Other self」)は僕らのアレンジで一緒にやったことがあるので、この曲を選んだという曲は同じアレンジでやるのかなと思ったけど、変えてきたし。重複したアレンジにならなかったですね。話し合ったわけでもないのに。
KISHOW:これを機に、違うアーティストにもカバーしてもらいたいし、聴いてみたいです。何なら全曲を(笑)。
――また、7月31日には「GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live 〜たかが15年〜」がオンラインライブ として配信されましたが、終えた感想をお聞かせください。
KISHOW:やってよかった。終わった瞬間も、やっている時も「ライブってやっぱり楽しいな」と思ったし、目の前にはお客さんはいないけど、ネットを通じて世界中で見てくれているのは肌で感じられたからいいパフォーマンスができた気がします。
最初はお客さんがいないからリハーサルの繰り返しみたいになるんじゃないかと不安もあったけど、本番になると自然とスイッチが入って。たくさんの方に見てもらえたらことも励みになった。
今、いろいろなアーティストが無観客の配信ライブを行っていますが、僕らもそこに踏み込めたことは大きな一歩だったとも思います。家に帰った後はいいお酒が飲めました。
いろいろな人からもLINEをいただいて、「よかったよ」とか「カッコいいね」とか。それをつまみにいいちこを飲んでいました。翌日の筋肉痛も心地よくて。今回、ライブができるように動いてくれたスタッフに、本当に感謝しています。
e-ZUKA:楽しかったですね。最初のギターソロで少し前に出た時、「誰もいない」ってつい笑ってしまって(笑)。でもやっているうちにお客さんがいるように思えたし、配信で見てくれる人たちも感じながらやれて。いつもカメラが入ると緊張して、委縮しちゃうんですけど同じ感覚でした。
筋肉痛も来たし、次の日の寂しさも普通にあって。なかったのはライブ当日のプレゼントBOXがなかったからみんなの手紙を読めなかったくらいで。
あと今まで普通にライブができていたことがどれだけ幸せだったのかと実感しました。でもステージ上でもソーシャルディスタンスをとらないといけないから燃焼しきれない部分もあって。楽器も普段はワイヤレスだけど、今回は有線だったのでコードがジャマだなというのはありましたね(笑)。
――さらに今回はファン投票で各年代ごとに1位になった曲を中心にセットリストを構成するという企画で、1曲目が2020年の新曲「情熱は覚えている」からさかのぼっていく形でした。ファンの方にとってはGRANRODEOの歩みを振り返るようでジーンとしたのでは?
e-ZUKA:僕は感傷に浸るというより必死でした。ファン投票で、みんな激しい曲ばかり好きみたいで(笑)。やるほうは大変ですよ。特に歌とドラムは。
僕も演奏していて難しい曲が多かったですね。ギターソロ的に簡単だったのは「紫炎」くらいしかなかった。難しい分、気が抜けないから緊張感を持ってやれて楽しかったですね。
だから初めてライブを見た方は「あれ? 『黒子のバスケ』の曲1つもない」という驚きがあったんでしょうね。
――あとカメラワークがいいという声も当日、多かったです。
KISHOW:僕も家に帰ってからアーカイブで見ましたが、何台もカメラがある中でカメラワークもスイッチングもよくて。個人的には2回開脚ジャンプをやっているんですけど、どちらも使われてなくて、「跳び損じゃん!」って思いました(笑)。
――YouTube上のチャットは日本語だけでなく、中国、韓国、スペイン、ロシア、フランス語などの書き込みがあって。しかも読めなくなるくらい流れも早くて。「ROSE HIP-BULLET」では赤いバラの絵文字や「慟哭ノ雨」では雨傘の絵文字が大量に。
e-ZUKA:そんな方は11月4日に発売される『GRANRODEO Singles Collection “RODEO BEAT SHAKE”』を買っていただければ(笑)。