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Netflixアニメ『ドラゴンズドグマ』須貝真也監督&小林裕幸プロデューサーインタビュー

Netflixオリジナルアニメシリーズ『ドラゴンズドグマ』須貝真也監督&小林裕幸プロデューサーインタビュー|ゲームとアニメ、似て異なる2つの業界の違いに迫る

2012年に第1作『ドラゴンズドグマ』が発売されて以降、日本初のオープンワールドRPGとして、多くのゲーマーにプレイされてきた『ドラゴンズドグマ』シリーズ。2020年9月17日からは、そんな『ドラゴンズドグマ』が、Netflixオリジナルアニメシリーズとして配信がスタートします。

配信も間近と迫る中、今回は『戦国BASARA』シリーズ、『ドラゴンズドグマ』シリーズなど、カプコンで様々なタイトルのプロデュースを担当する小林裕幸さんと、アニメ版の監督を務めた須貝真也さんを直撃。アニメの制作秘話はもちろん、アニメとゲーム、それぞれの業界の違いにも迫ったインタビューの模様をお届けしていきます。

ゲームではできなかった表現がアニメで可能に

――まず、『ドラゴンズドグマ』をなぜアニメ化しようという話になったのでしょうか?

小林裕幸さん(以下、小林):Netflixの櫻井プロデューサーから、本作をアニメ化したいというお話をいただいたのが始まりで、即答でOKを出した記憶があります。

『ドグマ』については、僕自身にはアニメ化という発想はあまりなくて、どちらかというと実写化をしたいというのが頭の中にあったんですね。残念ながら実写化の話はまだないのですが、思わぬ形でアニメ化の話をいただけたので、それなら是非やってみようと。

――PS4やニンテンドーSwitch向けのリマスター版の発売もありましたが、その発売に合わせた企画というわけではなかったのでしょうか?

小林:時期的には偶然被っていた頃もあったかもしれませんが、そこはあまり考えてなかったです。

ちょっとこれを口にするのは辛いところなのですが、アニメの話があった頃は、『ドラゴンズドグマ オンライン』が続いている想定だったんです。そちらは残念ながら昨年末にサービスが終了する形となってしまい、Netflixさんにはお詫びも伝えたのですが、おそらくそこが企画当初からもっとも違った形になってしまった部分ですね。

――須貝監督は、アニメ化の話を聞いた時はいかがでしたか?

須貝真也さん(以下、須貝):僕が関わった過去のタイトルで、『神撃のバハムートGENESIS』という作品があるのですが、そちらにもドラゴンやワイバーン、スケルトンといったモンスターが出てきて、共通点も多く、その作品をきっかけに、僕自身もダークファンタジーが好きになっていたこともあって、オファーをいただいた時は嬉しかったのを覚えています。

――『ドラゴンズドグマ』という作品についてはご存知でしたか?

須貝:名前は知ってはいたのですが、残念ながらプレイはできていなかったんです。アニメ化の話をいただいてからモンスターや世界観を中心に勉強させてもらい、ダークファンタジー的な雰囲気や、モンスターのスケール感に魅力を感じました。

実はサブリメイションではフルCGのシリーズアニメの制作は初めてで、スタッフも若いメンバーが多かったこともあり、当初は経験値的な不安もあったんです。ただそこからいろいろな方々のお力添えをいただいたこともあり、いいものを作れた手応えを感じています。

――カプコンさんのゲームでいうと、思い出深い作品はありますか?

須貝:やっぱり『モンスターハンター』ですね。『モンハン』なら結構語れると思います(笑)。

――(笑)。しかし、『モンハン』と『ドグマ』は結構通じるものがありますよね。

須貝:どちらの作品も、モンスター達がすごく魅力的なんですよね。ちょっとその話で面白かったのが、『ドグマ』のモンスターの人気って、国内と海外で結構違うらしいんです。例えば、海外ではハイドラの人気がすごく高くて。

小林:キメラとハイドラのどっちを推そうかとなった時、自分としては絶対キメラだと思っていたんです。そうしたらプロモーション担当から、「ハイドラの方が人気あるよ」と聞いて驚いた記憶があります。

――キメラはゲームのチュートリアル的な敵でもありましたし、日本ではそちらの方が人気がありそうな感覚は分かります。

小林:そうなんです。だけど、今回サブリメイションさんに作っていただいたハイドラはすごくカッコイイですよ!  ゲームでは序盤の敵というバランスの都合もあって、あんな動きはさせられませんでしたから(笑)。その分アニメ版ではすごく強いモンスターとして描いてもらっています。

――ゲームではできなかったことを、アニメで実現している部分もあると。

小林:とくに今回はアニメでしかできない要素をかなり盛り込んでいるので。『ドグマ』はかなりボリュームのあるゲームなので、パッと遊んでいただくにはハードルが高いのですが、アニメで気軽に『ドグマ』の世界観に触れられるようになるのは、我々としてもありがたいんです。

最近はプレイ動画とかでも楽しめるようになっていますが、それでもかなりの時間が掛かると思いますし。

――個人的に、ゲームにもあった「しがみつく」アクションがアニメで再現されているのが印象的でした。

小林:そうですね、そこは自分からも要望を出した要素でした。やっぱり『ドグマ』は、巨大なモンスターに対して足元を攻撃するのではなく、しがみついて戦うのが特徴ですから。その分作画は大変だったと思いますが(笑)、とくに第2話のサイクロプス戦は、すごく『ドグマ』らしい戦いになっていますね。

須貝:サイクロプスやハイドラもそうなのですが、しがみつくことで戦い方のバリエーションが増えるのは、アニメ的にもありがたかったですね。戦いにも上下の高低差がついたりして、面白い見せ方ができたかなと。

小林:これは企画当初から決まっていたコンセプトなのですが、各エピソードのタイトルになっている七つの大罪と、それぞれのモンスターをクローズアップする意図で、1話ごとに戦うモンスターを変えているんです。

もちろんすべてのモンスターを出すことはできなかったので、「どのモンスターを出そうか」という会議もしましたね。

須貝:各話ごとにテーマが違いますから、なるべくそれに合うモンスターを選んでいった形でしたね。

――ポーン(アニメ版におけるハンナ)がヒロイン的な位置づけとなっているところにも、なるほどと思わされました。

小林:ハンナはゲームでいうメインポーンですが、やはりポーンも『ドグマ』の特徴的な部分なので、それは外せないだろうと。

あとは、恋愛的な要素は控えめにしたかったのもあり、それにポーンという位置づけがちょうど良かったのもあります。ゲームでは主人公に幼馴染がいたりもしますが、アニメだと奥さんという形に変わっていますね。

――ゲームのストーリーをベースにするという方向は、あまり考えなかったのでしょうか?

小林:せっかくアニメを作るのに、ゲームの話をそのままなぞっても面白くないですから。もちろん世界観などの大きな設定は共通しているのですが、ゲームのキャラクターは一切アニメに出していないんです。ただ、逆にモンスターはゲームと同じものに限定していて、「モンスターだけはゲーム準拠にしてください」と僕の方からお願いしていました。あとは物語が始まる場所も、ゲームと同じカサディス村になっていますね。

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