マンガ・ラノベ
BLにおける「受けの事情」【アニメイト編集部BL塾・応用編】

【BLのことさらに知ってみませんか?】令和最前線の「受けの事情」! 受けはまだまだ発展途上!? の巻 【アニメイト編集部BL塾・応用編】

先生好みの「受け」をご紹介

阿部:さて、今回もやってまいりました! 私が個人的に好きな受けについて、ふたつプレゼンしていきます。

石橋:出た! これは熱く語ってもらわないと!

阿部:長くなるかも(笑)。まずは「男前受け」です。

阿部:攻めと体格が変わらない、攻めより体格が大きい場合が多いです。ボーイズをより感じられる作品、恋愛関係以外の関係性が描かれる作品も多くて。仕事仲間、ライバル、友情……恋愛に縛られない関係に対等さを感じます。精神的に強い受けが、攻めに依存される展開がすっごい好き。

石橋:「カッコいい!」ってなっちゃうんですね。

阿部:そうですそうです。紹介している2作品はどちらもオススメ。ボーイズ(男どうし)を感じられる作品。

石橋:『25時、赤坂で(※6)』はタイトルがカッコいいですね。タイトルだけでいろいろな想像ができてしまう。『REVERSE(※7)』は絵がカッコいい。どちらも気になるな。


※6:25時、赤坂で

 
祥伝社にて刊行された夏野寛子さんの漫画作品。新人俳優の白崎由岐は大学時代のサークルの先輩で超人気俳優の羽山麻水と同性愛ドラマで共演することに。芝居上の恋愛から徐々に本物の恋愛へ発展していく二人の関係性が繊細に描かれている。

※7:REVERSE

 
コアマガジンにて刊行されたゆいつさんの漫画作品。刑事の浮島は危険な状況に陥ると興奮を覚えてしまう性癖の持ち主だった。とある事件をキッカケに知り合った真壁という謎の男とセフレ関係になった浮島。真壁との出会いから事件が進展していく。


阿部:個人的にかなり好きな作品なので、ぜひ読んでいただきたいなと。

そして、ついに大本命の「黒髪メガネ受け」。

石橋:キターーーーーー! そもそも「黒髪メガネ受け」は一般的な俗称としてあるんですか?

阿部:「黒髪受け」「メガネ受け」はありますけど「黒髪メガネ受け」はないかな……。

石橋:スタバのフラペチーノを頼むときにカスタマイズしちゃうやつと一緒だ……! 「黒髪メガネ受け」は阿部ブレンドなんですね。

阿部:阿部ブレンド……! 布教していきたいと思います。

阿部:メガネという小道具で演出される知的さ・真面目さ・人と壁をつくっている面倒くささ、自分にコンプレックス持っているところが良い。かつ黒髪だとより一層その性格の傾向が高まります。

黒髪は男性的な象徴として描かれている部分があるので、男っぽさ・頑固さが演出される。「黒髪+メガネ」であることで、真面目さがグッと全面に押し出される。

人と距離をつくってしまう弱さと、決めたことには真っすぐな強さや頑固さを持っているキャラクターが多い印象です。好きです。

石橋:やっぱり熱量が違うな(笑)。メガネ外す瞬間とかもいいですよね。

阿部:メガネ一枚で隔たれる心の距離が、性行為でメガネを外すことで縮まったなと感じるんですよ。攻めに外してもらうのか、受けが自分で外すのか、どちらも良い。

石橋:なるほど、分かる! 演出ができる小道具というわけか。「私の完璧セット」ってことですね(笑)。

……あれ、そういえばオススメの作品が書かれていないですね?

阿部:あ、ちょっとオススメの作品が2つ絞れなかったので、こちらをご覧ください。

石橋:!?!? アホほどあるじゃないですか!(笑) びっくりしたわ(笑)。

そんなに読んでいるってことですね。とうとう本性を表したな!

阿部:アニメイトさんで平積みされているBLの新刊をバーと見て、「黒髪メガネ受け」は一通り手に取るくらいには好きです……!!

石橋:ありがとうございます! でも、これだけあったら選ぶの困りますね。「黒髪メガネ受け」は一冊読もうと身構えていたので、センセイ一冊選んでください!

阿部:一冊かー! どういう系がいいですか?

石橋:大人っぽい作品を読んでみたいですね!

阿部:大人っぽいのだと『86万円の初恋(※8)』はしっとり甘めの作品です。


※8:86万円の初恋

三交社にて刊行されたロッキーさんの漫画作品。地味で寡黙な図書館司書・喜屋武真理が偶然出会った美しい男・佐藤陽。佐藤が着ていた86万円の上着にコーヒーをこぼしてしまったことがキッカケで、真理の家に居候し始めることに。二人の不思議な共同生活が始まる。


石橋:好きなタイプの絵だ。

阿部:理想の「黒髪メガネ受け」です。真理ちゃんは真面目で人と壁がある、自分の意思をしっかり持っています。好き。

あと、大人っぽさとは違うのですが、もう一冊オススメしたい作品がありまして……。

石橋:ぜひ教えてください!!

阿部:『残像スローモーション(※9)』の義一くん。少し自己中心的だけど、人の気持ちに聡くて根がとても優しい。あまりいないタイプの受けですが、大好きです。

『残像スローモーション』は昨年話題になった『黄昏アウトフォーカス(※10)』という作品のスピンオフなので、ぜひどちらも読んでほしい。義一くんの良さが深く理解できます。


※9:残像スローモーション

 
講談社にて刊行されたじゃのめさんの漫画作品。男子校の3年生、映画部部長の菊地原仁。ナルシストだが人気者の菊地原だが、ただ一人だけ敵意を向けてくる人間がいた。同じ部活の2年生・市川義一だ。ところが、ひょんなことから菊地原と市川は寮で同じ部屋となってしまう。『黄昏アウトフォーカス』のスピンオフ。

※10:黄昏アウトフォーカス

 
講談社にて刊行されたじゃのめさんの漫画作品。男子校の寮生で2年生、映画部でカメラを担当する土屋真央。同部屋の同級生・大友寿は真央の撮影する「BL映画」の主人公を演じることになる。ただの友だちだった二人の関係が映画をキッカケに動き出す。


石橋:こちらも表紙がステキ……気になるな~。

「受け」は“伝統芸能”?

石橋:今回読んでみたいと思う作品がとても多くて悩んでいます。どうしましょう、ごっそり買ってしまうかも……(にやり)。これだけ気になる作品が多いということは、この講義のおかげでBLを楽しめるようになってきたんだなと感じています。

阿部:うれしいです! 心の赴くままに選んでください!(笑)

石橋:どんどん詳しくなりそう! 詳しくなるとどんどん気になっていく。BL愛好家のみなさんの本棚が埋まっていく理由がわかります。

阿部:新刊に好みのキャラクターがいるだけで買ってしまいますからね(笑)。

今日の講義は「攻めの事情」以上に複雑で難しかったのではないかな、と思うのですがいかがでしたか?

石橋:今日の講義で思ったのは「受けは“伝統芸能”」なんだなと。

阿部:なるほど……?

石橋:脈々と受け継がれている「この形っていいよね」という形を描き続けている印象を受けました。「揺るぎない受け」の形があるから、攻めは攻められる感じがしますね。

「伝統的な受け」の存在が読者の心の拠り所になるのかなって思いました。

阿部:はいはいはい! 受けありきでBL作品が構成されている部分はあるかもしれません。

とはいえ、きっと分かりづらいと感じている読者さんも多いと思うので、そこは作品を読んで掴んでいただければと思います。字面だけだとどうしても理解できない部分があるので。

石橋:僕も気になったやつを読んでみます。

阿部:では、恒例となっているBLマンガ感想文の宿題を、今回もお願いします!

石橋:頑張ります! 何を読むか悩むな~~!!

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