アニメ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』山本理央役・島﨑信長さんインタビュー|“片思い”は切ないからこそ美しい
ピュアがリアルを変えていく『ストロボ・エッジ』、リアルがピュアを求める『アオハロイド』。
これらの人気コミックを手がける咲坂伊緒先生<青春三部作>の最終章、“ピュアとリアルがぶつかり、成長する”『思い、思われ、ふり、ふられ』のアニメーション映画が、2020年9月18日(金)より公開となりました。
本作は、朱里、由奈、理央、和臣の4人の高校生たちが“全員片思い”という恋模様と、成長していく姿を瑞々しく描いた青春ラブストーリー。
このたび、アニメイトタイムズでは、朱里の義理の弟で由奈の片思い相手でもある、山本理央役の島﨑信長さんにインタビューを実施しました!
年代・年齢問わず、多くの人の心に響く作品だと話す島﨑さん。キャラクターの想いから感じられたものや、島﨑さん自身が思う片思いなどについて語っていただきました。
由奈と朱里の関係性の変化が面白い!
――最初に、完成した映像をご覧になっていかがでしたか?
島﨑信長さん(以下、島﨑):本当にすごく素敵な映像に仕上げてくださって、感謝の気持ちが1番に込み上げてきました。
純粋に作品として面白かったというファン目線の気持ちと、良いものに仕上がったという演者目線の気持ちもあって。あと、もう理央がずっとカッコいいし可愛い!
そんな理央の姿を見て嬉しかったですし、本当にとても丁寧に素敵に仕上げてくださっていて、スタッフの皆さんの尽力を感じてありがたく思いました。
――絵本の王子様に憧れている由奈と、リアルな王子様タイプの理央が最初に出会うシーンは、“ピュアとリアル”がぶつかった感じがして面白かったです。
島﨑:あのシーンは咲坂先生の凄さが現れていますよね。王子様タイプが言っちゃいけないような“タブーな言葉”を、夢見がちで乙女チックな由奈ちゃんの前で言うという(笑)。王子様を夢見る由奈ちゃんの流れから一気に現実に戻されるシーンです。
普段、少女漫画を読まない方や少女漫画に対して“キラキラ”しているイメージを持たれている方が観ても、一気に引き込まれるリアリティのあるシーンだと思います。
――島﨑さん自身、胸に響いたシーンや印象に残っているシーンはありましたか?
島﨑:胸に響くやり取りばかりで“こういうことあるよなぁ~!”というシーンが本当に多いのですが、僕が好きなのは、朱里ちゃんが「私のこと好きですよね?」と言うシーンです。自分から好きだと言わず、疑問形で相手に言わせようとするところが胸に刺さりました。
――相手に「答え」を言わせたいんですよね。
島﨑:そうなんです。僕自身が思うことですが、自分から言っちゃうと断られた時により傷ついてしまいますし、逃げられないんです。
どうしても予防線を張っちゃう、みたいな。朱里ちゃんは大人になるほど分かる部分が多い気がします。逆に由奈ちゃんはとにかくまっすぐで、ふられると分かっていても自分の気持ちを伝えるんですよね。
でも最初の会話では、由奈ちゃんは好きな人を待っている派で、朱里ちゃんはそんな由奈ちゃんに対して“何で自分から積極的に動かないの?”と言っているんです。
――由奈と朱里の友情というか、関係性も見どころです。
島﨑:はい。真逆なタイプの2人だからこそ“対比”が面白いですし、そんな2人の立ち位置や関係性の変化も面白いです。
アニメや漫画のキャラクターだからクールな人はずっとクールというわけではなくて、人間だから些細なことで変化しますし、いろいろな面があっていろいろなことを考える。
何かの影響を受けて、昨日言っていたことと逆のことを今日言っていてもおかしくないんですよね。