あなたの心、無視します――TVアニメ『無能なナナ』柊ナナ役・大久保瑠美さん&中島ナナオ役・下野紘さんインタビュー
共演者であり同期のあの人との思い出は18年前の“ナナ”!
――そんなナナオとナナも活躍する第1話ですが、特に注目して欲しいポイントを教えて下さい。
下野:要所要所に出てくる「ほの暗さ」は何なんだろう? と注目してもらいたいですね。ナナオ的には自分の過去の話も出てくるんですけど、そこでのほの暗さが今のナナオを形成しているのかなと思える部分もありますし、作品が帯びているほの暗さに注目していただくと、より面白くなっていくと思います。
大久保:第1話はキャラクターを掴むものと考えて、出てくるキャラひとりひとりをしっかり見て欲しいと思っています。あと、ナナオくんの幼少期を犬飼ミチル役の中原麻衣さんが兼役でやられているんですよ。私の中での中原さんは普段の女性役のイメージがあって、「全然違う! オンエアで誰も気づかないんじゃないかな?」と思ったので、そのすごさをここで伝えておきます。
――中原さんは下野さんと同期だそうで、同期の人が自分の演じる役の幼少期をやるのは感慨深いのでは。
下野:本当にそうですね。同期というか戦友というか。そんな感覚があります。ただ、最近の中原はお母さん役とかが多くて、会った時に「(役の上で)私、紘のお母さんになっちゃった」って楽しそうに言うんですよね。その言葉だけ抜き出すと、すごく複雑な気持ちだなと思って(笑)。
――今度は「子供時代になっちゃった」ってなるわけですね。でも、親になったり子供になったりというのは、声優さんらしいエピソードだなと思います。
下野:あと、この作品とは全然関係ないですけど、そういえば中原は『七人のナナ』っていうアニメをやっていたなぁと。
※『七人のナナ』は2002年1月〜6月放送。中原さんは「ナナさま」役で出演
大久保:それ私見てました!『無能なナナ』ってタイトルを見て、ちょっと思い出しましたもん(笑)。
下野:当時、『七人のナナ』のリハV(リハーサルVTR)をチェックしている中原の横で、ほかの友達と飲み会をしていたこともあって。中原が「ちょっとごめん。私、明日あるから」と言うのを、「いいなぁ。アニメに出られて羨ましい」と思いながら見ていたという。
大久保:いいですね〜。同期に売れっ子が2人いるなんて、なかなかないことですから。
――中原さんが演じるミチルも重要なキャラクターですからね。ほかにも個性的な登場人物がたくさんいる中で、気になるキャラクターを挙げるなら誰ですか?
大久保:超王道ですけど、橘ジンですね。なんかもう顔が「重要です」と言っているので気になります。担任教師もメガネをかけているのに、横に並べるとこんなに違うかってぐらい重要度を感じて。
下野:先生には申し訳ないけど、際立ち方が違うよね。
大久保:そうなんですよ。あと、漫画を読んでいて純粋に「誰が演じるんだろう?」と思ったんです。実は収録の途中まで誰が演じるのか知らなかったんですが、遊佐(浩二)さんですと聞いた瞬間から、もう遊佐さん以外では想像が全くできないぐらいピッタリで。声を聞いてから余計気になったキャラクターですね。
下野:僕は、そうだなぁ……気になるところが多いのはやっぱりミチルちゃんですね。どういう感じで「ペロペロ」していくのかって(笑)。
――ミチルは「他人の怪我をなめて、傷をいやすことができる」というヒーリング能力の持ち主ですからね。
下野:「唾つけときゃ治るよ」って言い方だと乱暴ですけど、それを能力にするとこうなるんだよと。それに、こういうキャラクターを中原が演じているのは随分ぶりな気がするので。イメージ的に。いや、まさかねと。
大久保:でも、すごくピッタリですし、中原さんである理由が絶対にあると思いましたね。
下野:そう考えると、中原がどういう風に演じて、どう物語に関わっていき、どんな展開がなされていくのか楽しみにしてもらいたいです。