映画『トロールズ ミュージック★パワー』タイニー・ダイヤモンド役 木村昴さんインタビュー|声優界でラップをやった源流になりたい
その“違い”こそが素晴らしいんだ
――映画をご覧になった率直な感想もお聞かせください。
木村:率直な感想は「好きー!」ですね(笑)。
一同:(笑)。
木村:“音楽”というものをテーマに物語が描かれていくんですけど、これは音楽に限らず、観た人のそのときの状況とか、心の中に抱えているものとも照らし合わせることができるものだと思っていて。
「音楽の違いを認め合おう」というテーマは、世界規模で見れば人種の問題にも当てはまる。もっと身近なところでも、例えば背が高い低いだけでもいじられて落ち込んじゃったり、みたいなことにも言えると思います。
「その“違い”こそが素晴らしいんだ」というメッセージにすごく共感しましたね。分かっちゃいるけど、すごく失いがちな考え方というか。
やっぱり人間って、自分の幸せのために生きていますから、どうしても自分の考え方に凝り固まりがちなんですよね。「ああ、違う違う。そうだ」ともう一度、大切なことに気づかされるような、そんな作品になっていて素晴らしいなと思いました。
主人公のポピーも、「仲良くなりたい」という自分の感覚を信じすぎて突っ走っちゃう部分があったりします。仲間の「いやー、止めといたほうがいいよ」という言葉にも耳を貸せなくなったり。確かに自分の信念を持って貫く、ということでもあるんですけど。
それが最終的に「それって自分の音楽を押し付けてるだけなんじゃないか」というところ、「自分の信念を持つのはいいけど、押し付けちゃうと誰かを不幸にしてしまうこともあるんじゃないか?」と考えて、「ゴメン! ちゃんと話聞けば良かった」ということに行きついて。
爆進したあとに、ちょっと一瞬立ち止まる感じがすごく良かったです。ずっと完璧である必要はないんだと思いましたね。どこかで気付いたときに「ああ、そうだった」と変わっていけばいいんだと。
「お前、一回ダメだったから、もう一生立ち上がれねーぞ」ということじゃない、「もう一回立ちあがるチャンスは誰にでもある」みたいなところも感じ取れて良かったですね。
あとは、素材がいい。
一同:素材?(笑)
木村:材質? なんて言うのかな。
――絵のタッチ、みたいなことですかね。
木村:それが言いたかった!(笑) 布団をたたんだみたいな渓谷だったり、触れてみたくなっちゃう感じが、この映画の魅力でもあるなと思いました。
――CGには見えないというか、クレイアニメのようなモコモコした感じや、おいしそうなお菓子みたいな雰囲気がありましたね。
木村:そうなんですよね。いいですよね。すごく身近に感じたというか。パッと見るとすごく色鮮やかで素晴らしいんですけど、遠い存在に感じてしまうものがこういうタッチになると共感しやすくなりますよね。
タイニー・ダイヤモンドを抱っこしたときにどれくらいキラキラが残るか試してみたい。
一同:(笑)。
木村:帰りがけの電車の中でラメとか付いていて、ちょっとキラキラした感じになるのかなとかいろいろ想像を膨らませるのがまた楽しくて。
――あの人パーティでもしてきたんだろうなみたいな(笑)。
木村:ははは! 絶対思われる(笑)。