劇場アニメ『WAVE!!〜サーフィンやっぺ!!〜』白井悠介さん&土岐隼一さんインタビュー|とても心地よい波待ちの時間。サーフィンアニメを通して感じた“自然”の魅力
お互いに共感できるキャラクター
––それぞれ、お互いが演じられているキャラクターの印象をお聞かせください。
白井:僕はナオヤの気持ちがすごく分かります。というのも、僕も地方出身なので、(出身地の)長野県はアニメが全然放送されていなくて。特に、僕が長野にいた頃は深夜アニメがほぼありませんし、極端に少なくて取り残されている感がありました。
もともとアニメは好きなので、DVDやビデオでレンタルが開始されるまで見れない、ネットもその時代には普及していなかったので、その点はナオヤにすごく共感できます。
東京に出てきたときは、「こんなにアニメが放送されてる!」「毎日深夜にやってるじゃん!」と感動しました。
土岐:上京したのは高校生ぐらいですか?
白井:高校卒業したときだから18のときだね。なので、ナオヤの気持ちはすごく分かります。でも、そのためにサーフィンを足がかりにするのは、また別の意味ですごいな、と(笑)。
一同:(笑)。
白井:僕だったらそのためにサーフィンをやろう!とはなかなかならないので、ナオヤはすごくアクティブだな、と感じます。
土岐:僕もユータくんに関しては、理解できるところがたくさんあります。物事を理論的に考える人と感覚的にやってみる人がいますが、僕は結構半々というか、人よりはロジック的な要素が多いと思うんです。
ユータくんが物事をやる前もやった後も“何でこうなるんだろう”と考えたとき、こういうところが理由なんじゃないかと考えるところは似ているな、と。
とりあえずやってみるところまでは感覚なんですけど、その後に“じゃあ何でこうだったんだろう?”と考えるのが割と好きなタイプなので、僕がサーフィンをやることになったらユータくんと同じタイプになると思います。
1回、去年の9月くらいに宮崎でサーフィンをしに行かせていただきましたが、そのとき教えていただいたことに対して1回やってみて、マネージャーにサーフィンしている様子を撮ってもらって、動画で確認して……ということをやっていたんです。
なので、このメンバーの中で1番感覚として近いのは、ユータくんなんじゃないかな、と思います。
白井さん、土岐さんおすすめの見どころ
––第二章は湘南を舞台に描かれますが、見どころや印象的なシーンを教えてください。
白井:湘南を舞台に湘南チームの各々のエピソードが深く描かれているんですけど、ユータもそのような場面があります。思い悩んだり、行き詰ったりすることがありますが、それをどう乗り越えていくのかが1つの見どころです。
彼はそれこそ頭でっかちになって分析ばかり考えていたところが、ちょっとずつ考え方が変わってくるきっかけになるのが、この第二章なんじゃないかな、と。
あと、コウスケとユータの過去のやり取りも描かれているので、ドラマCDでは分からなかった部分も垣間見られるストーリーになっています。
土岐:この作品で僕がすごく好きなところは、青春を送っているところです。このメンバーたちが一堂に会しているときにする他愛のない会話とか、それぞれの関係性が自然に出ています。
彼らはライバルではありますが、男同士の他愛のない会話というか、“仲が良いんだな”と分かるような、良い意味でお互いに気をつかっていない雰囲気が随所に散りばめられていて、そこがすごく好きです。そんな雰囲気が始終漂っています。
––彼らが集まってわちゃわちゃしているシーンは、どこか懐かしさを感じつつも癒されます。
土岐:そうですね。部活の頃を思い出します。また、癒されるといったら、コーギーたち。わんちゃんたちです。
白井:お~!
土岐:演じていらっしゃる方はおじさまたちなんですけど、すごく可愛いんです。わんちゃんたちの物語もあるので、そこにも注目していただけたらと……!
白井:本当にリアルです。マサキの愛犬であるコーギーを演じている最上さんは、すごくこだわっていらっしゃって、研究されてアフレコに望んでいることが分かって、「見習わなくては!」と思いました。
––また、第二章は湘南にマサキがやってくるところから始まります。お二人から見て、マサキはどのような人物だと思いましたか?
白井:本当に太陽のような存在で、すごく明るくてグイグイ来るというか。それによって、結構みんなと打ち解けているところもあって、彼の前向きな姿勢は周りも影響されています。
そして何よりサーフィンを本当に心から楽しんでやっているところが伝わってくるので、そういう気持ちってやっぱり大事ですし、サーフィン以外の何事にも通ずるものだと思います。本当にマサキはポジティブになれる存在です。
土岐:僕もマサキは太陽のような存在だと思います。ただ、彼は“最強”じゃないんです。
最強と呼べる存在はすでにフケ倫道という絶対王者がいて、もちろんマサキは才能や伸び代がありますが、彼がとんでもない才能を持っていて、サーフィンをやり始めた途端にすぐトップにまで上り詰めてしまったら、たぶんこんなに周りに人は集まってこなかったんじゃないかな、と。
マサキが不器用に頑張って何度もトライして、その頑張っている姿をほかのメンバーたちが見て、「俺も頑張ろう!」「負けられない!」と思える。
良い意味で不器用だからこそ、このメンバーたちの関係性が素敵なものになっているんじゃないかな、と思うと、“唯一無二”というよりも、周りにたくさんの人たちが集まってくるという意味で、本当に太陽のような存在だと思います。
こんなに人に対して素直に気持ちをぶつけられて、それで仲良くなれる人はなかなかいないと思うので、マサキくんは素敵なキャラクターです。
––明るくてかわいい、憎めないキャラクターですよね。
土岐:そういえば、最近、前野さんがこういうキャラクターを演じることってなかなかないですよね。
白井:うんうん。なかなかないよね。
土岐:そういう意味でも、本当に良い現場に参加できたな、と感じます。
白井さんはサッカー、土岐さんは剣道に憑りかれている!?
––“波乗りの魅力”に憑りつかれた少年たちの物語になぞらえて、ご自身が今憑りつかれているもの、ずっと憑りつかれていることはありますか?
白井:僕はいつでもサッカーです。観戦するほうなんですけど、つい熱中しちゃいます。たまにフットサルをやることはありますが、やっぱりスポーツを見るとついつい見入ってしまうというか。サッカー以外にも、ゴルフやテニスの試合を見ることがあって、やっぱりスポーツは良いな、と思います。
土岐:そこは白井さんと一緒かもしれないです。僕は部活でテニスをやっていたので、試合のタイミングになるとついつい見てしまったりします。
子供の頃から体を動かしていたこともあって、定期的に体を動かさないと体にどんどんモヤモヤが溜まっていってしまうんです。なので、定期的に実家の近くにある道場で剣道をやっていたりします。
白井:半沢直樹だ!
土岐:そうなんですか!? 僕、録りだめするタイプなので、まだドラマを見ていなくて。
白井:半沢直樹もモヤモヤすることがあると道場に行って剣道をしてるよ。
土岐:そうなんですね! 僕、落とし所はここ!と分かった上じゃないと見られなくて。毎週ハラハラするのが嫌なんです、仕事でハラハラするので(笑)。
一同:(笑)。
白井:安心して見たい派なんだね。
土岐:そうなんです。サスペンス系などは「これがこう終わる」ということを理解していないと、ちょっと見られない(笑)。
白井:へぇー! なんならネタバレありで見られる人?
土岐:そうそう! ネタバレされてもあまり怒りません。
––個人的にネタバレなしで見たい派なので、その考えがすごいです……。
白井:僕もネタバレありで見るのはちょっと……(笑)。
土岐:もちろん、それは理解しているので絶対人にはしないですけど、悪意を持ってネタバレされるのは嫌です(笑)。