人気VTuber6人組のユニット、Rain Drops 2nd MINI ALBUM『オントロジー』発売記念インタビュー|6人が語る本作で示したRain Drops、そして VTuberの存在証明とは?
人気VTuberの緑仙(りゅーしぇん)さん、三枝明那(さえぐさあきな)さん、童田明治(わらべだめいじー)さん、鈴木勝(すずきまさる)さん、えるさん、ジョー・力一(りきいち)さんによるユニット、Rain Dropsの2ndミニアルバム『オントロジー』が11月25日にリリース!
Rain Dropsは2020年5月13日に1stミニアルバム『シナスタジア』でデビューし、11のチャートで1位を獲得。注目の本作では三枝さん、鈴木さん、力一さんが作詞を手掛けている。
今回はそんな話題沸騰中の6人へインタビュー! デビューから半年経った心境や本作のアルバム名に込めた想いと収録の全曲紹介、そして2021年3月31日に行われる1stワンマンライブへの意気込みを語ってくれました。
デビューミニアルバムのヒットで確かな手応え。Rain Dropsとしてもっと頑張りたい想いもより強く。
――今年5月に1st ミニアルバム『シナスタジア』でデビューされましたが、デビュー後の反響や反応について、ここまで活動してきた感想をお聞かせ下さい。
緑仙さん(以下、緑仙):最初は実感がなかったんですけど、徐々に湧いてきたし、今回の2ndミニアルバムは『シナスタジア』よりもいいものにしたいという気持ちが強かったです。
それぞれが歌った後に「もっとこうしようよ」などお互いに意見交換することも前回よりも多かったので、いい雰囲気でレコーディングできました。活動のモチベーションも高くて、今とっても楽しいです。
三枝明那さん(以下、三枝):VTuberは再生回数やフォロワー数など数字で見られるものはあっても実際にどれだけ応援してくれているのか、実感しにくくて。
でも『シナスタジア』をリリースした後、たくさんの反響や感想の声をいただいて、ようやく「自分たちがメジャーデビューしたんだな」と思えたし、「こんなに多くのファンの方に支えられているんだな」と改めて実感できました。
その確かな手応えを感じた状態で2ndミニアルバムの制作に臨めたので、「こういう想いがある」とか「誰に届けたいのか」など、より明確に意識して表現できたんじゃないかなと思っています。
童田明治さん(以下、童田):リリースされた時は家にいる時間が多かったこともあって、チャート1位になった時は「すごいな~」と他人事みたいな感じで。でも2ndミニアルバムのレコーディングなど活動を重ねていく中で段々、実感が湧いてきました。
メンバーがみんな、いい人ばかりだからレコーディングも楽しくて、Rain Dropsとしてもっと頑張っていきたいなという想いが日に日に強くなっています。
鈴木勝さん(以下、鈴木):『シナスタジア』のCDが手元に届いたり、聴いてくれたみんなから感想をもらって、「本当にデビューしたんだ」と。でもふわふわした感覚はまだ抜けていないし、現実感もなくて。
いまだにある日突然、目が覚めたら「夢だったのか」とか「どっきりだったんだ」とかあるんじゃないかと(笑)。そうだったとしても悔いがないくらい、Rain Dropsとして楽しい時間を過ごせています。
えるさん(以下、える):ソロでの配信と並行しての活動なので、特別に変わったという感覚はありませんが、だからこそTwitterや生放送、レコーディングなど1つひとつの活動を大事にしたいし、Rain Dropsとしての活動を楽しみにしているみんなの期待にも応えたいと思っています。
でもメンバー全体としての変化を感じる部分はあって、デビュー時は6人としてこれまで接点がなかったので「どんなグループになるんだろう?」という手探り状態でしたが、今回はお互いに理解度が高まったことで、アドバイスや意見を出し合えるようになったし、映像特典の収録でも前回より雰囲気がよくて。
そういう状態で作れたアルバムなので、聴いてくれたみんながどう感じてもらえるのか、発売日が今から楽しみです。
ジョー・力一さん(以下、力一):Rain Dropsのメンバー発表の時や『シナスタジア』がリリースされた時、想像以上に反響が大きくて。「こんなに注目されるんだ!」とすごくビックリしたし、リリース後にTVやラジオなどで取材を受けたり……「TVもある ラジオもある」と吉幾三さんの「俺ら東京さ行くだ」の逆バージョンみたいな(笑)。
たくさんの媒体に出させていただくことで、世に広く伝わっているんだなと。でもライブやイベントなど皆さんの前で歌う機会はなかったので、その溜まった情熱を2ndミニアルバムにぶつけられたので、6人のベクトルもより1つにまとまれたのではないかと思っています。
2ndミニアルバムは存在論を意味するタイトル。自分達の存在証明をこの1枚で。
――『オントロジー』はどのように制作されたのでしょうか?
力一:まずタイトルが難航しました。最初にタイトル案を提示していただいたけど、6人で候補を出して決めることになって。でも「これは他のアーティストさんと重複している」など、あれこれしているうちに締め切り日近くになり、最終的には僕が提案した『オントロジー』が採用されました。「存在論」を意味する古い哲学用語で。
える:あっきーな(三枝さん)が「VTuberとって存在が大事だから」と言っていたのが最初だったかな?
緑仙:そうだったね。
三枝:『シナスタジア』が「共感覚」という意味で、僕らとファンの方やアルバムを聴いてくれる方と同じ感覚を持ちたいという想いを込めていますが、今作では「俺たちは何なんだろう?」とか「なぜここにいて、活動しているんだろう?」という存在証明ができたらいいねという話をしました。
鈴木:『シナスタジア』は全体的に丸い印象があって、初めて聴いてくださる方でも1曲は好きになってもらえる曲が入っているアルバムだとすれば、『オントロジー』はトガっていて。
童田:個性的な曲がそろっているしね。
える:味が出ている気がする。
力一:そして、作詞・作曲・編曲のじんさんに自分が考えたタイトルで表題曲を作っていただきました。そのタイトルが示すように、いろいろ世界観や情景、日常生活の中で自分がどこにいて、どう立っているのかを定義していくというコンセプトの元にたくさんの素晴らしいクリエイターの方に歌詞や曲を提供していただいたり、メンバーも作詞しています。
――表題曲「オントロジー」は軽快だけど熱いギターロックで、「間違えながら今日も歩き出す」や「諦め損ねた小さな兆しが……胸に燃えてる」は共感できるし、一緒に歩こうと応援してくれているような。それがアルバム最後というのも胸アツです。
える:Rain Dropsの曲は1st、2nd共、カッコよくて、いい意味でクセがある曲が多くて。えるは普段そういう曲は歌わないので、少し背伸びする気持ちでレコーディングしています。
表現以外にもテンポ感やピッチなど考えなければいけないことも多いけど、この表題曲は感情面でもわかりやすいし、ありのままで歌えた気がします。ラスサビの「ウォーウォーウォー」の流れが熱くて好きです。
童田:わかる! わかる!
える:全員で歌っているけど、レコーディングの時は「誰が歌っているのかわかりませんが」と説明されたのもおもしろくて。それもあって印象深いです。
童田:全部の歌詞が好きで、というか、メンバー全員知っているように、そもそもじんさんが好きなんです。この曲が届いて、初めて聴いたら泣いてしまって。
特に好きなのがラスサビの「僕たちが目指していく 青い空が浮かんでいた」で、最後に希望を抱かせてくれる歌詞が好きだし、全員で歌っていることもあって、これからの私たちの活動に明るい希望を差しているようにも思えるし、その希望に向かって全員で頑張っていこうという感じも伝わってきました。
どの歌詞もどの音も全部大好きで、私はじんさんに曲を作っていただいたことを一生忘れないんだろうなと思います。
緑仙:6人ベストキーがバラバラなので、誰ひとりハズす人がいなかったのがすごいなと思っていて。
える:嬉しい!
緑仙:終盤の「目を開けて」から全員の声が合わさって1つのハーモニー、曲になっているのが嬉しくて。後で完成版を聴いて、この曲が表題曲でよかったと思いました。