音楽
Rain Drops 2nd MINI ALBUM『オントロジー』発売記念インタビュー

人気VTuber6人組のユニット、Rain Drops 2nd MINI ALBUM『オントロジー』発売記念インタビュー|6人が語る本作で示したRain Drops、そして VTuberの存在証明とは?

 

それぞれの楽曲のテーマや詞に込められた想い。

――今回、三枝さんと鈴木さんは共作で、力一さんはお1人で作詞を担当されましたが、それぞれの曲についてご紹介お願いします。まずは三枝さんと藤林聖子さんの共作の「ラブヘイト」はロックチューンで、「あなた」への「大嫌いで大好き」という感情が変化していく過程もドラマチックで。

三枝:誰にでも憧れの人っていると思うけど、その人に対して「好き」という感情と「嫌い」という感情が同時かつ並列で走っていると僕は考えていて。リスペクトしながらも自分が目指しても届かない場所にいるという嫉妬もある、そんな感情を曲にしたかったんです。「にじさんじ」という事務所に入るまでの自分のことでもあります。

力一:デビュー前のライバーに対して、こういう意識だったの?

三枝:そうそう。それがこの曲の裏テーマで、表のテーマとしては『シナスタシア』では自己紹介的に「俺たちはこういう感じなのでよろしく!」みたいな曲はあったけど、ファンの皆さんから見た僕らってどう見えるんだろうという部分を書きたくて。そして僕個人としては歌詞に共感してもらえたら嬉しいです。

――力一さんが作詞された「ソワレ」ですが、エレクトロなイントロからドラムやキーボードなどシティポップのようなおしゃれ感のあるサウンドで、さわやかなボーカルやコーラスも気持ちいいです。

力一:曲名は「夜公演」を表わす舞台用語です。この曲では昼、仕事や遊びなど頑張ったけど、今ひとつだった男が高速道路に乗って、街まで行き、ダンスホールにふと迷い込んで……という歌詞を書きました。「オントロジー」とは対照的に何も起こらない曲です(笑)。

三枝:日常回みたいな(笑)。

える:1人で歌詞を書いたんだもんね。すごいね。

力一:途中、寝込んだけどね。1番のAメロが書けなくて(笑)。1日を舞台の2部公演に例えつつ、情けない男の感じを僕と三枝で歌い、そこに歌姫としてえるさんが入ってきますがえるさんはホログラムのイメージです。サビで一番溜めて最後に行くところの「今夜だけ」は広がっていく感じや感情が入っているかなと思います。

――鈴木さんがRUCCAさんと共同作詞された「白と嘘」はバラードナンバーで、1Bメロからオケが熱くなって。鈴木さんと童田さんの歌い上げるユニゾンと間奏のギターとピアノの泣きも胸を打ちます。

鈴木:最初にRain Dropsのプロデューサーさんから「優しい嘘と真実」というテーマと失恋か破局間近という場面指定をいただいて、今までの鈴木勝にはない世界観で。なんせ中学2年生なので(笑)。黒歴史ノートくらいしか書いたことがなかったから「どうしよう?」って。

三枝:この歌詞、ませているよね(笑)。

鈴木:大人っぽいでしょ?(笑) 恋愛ってこういうものじゃないかなと想像したり、住野よるさんの『青くて痛くて脆い』などの小説を読んだり……。

力一:『鈴木勝の深夜の読書会』(ソロ配信)だね。

鈴木:一時期、失恋の本しか読んでいなかったから配信も若干ひきずられてブルーに(笑)。あといろいろな失恋ソングを聴いたりしながら、歌詞の中のストーリーをまず考えてから歌詞を書いて、それをRUCCAさんに添削していただきました。

RUCCAさんは元々、厨二病的な歌詞を書かれる印象がありますが、今回も「二人の足跡(きおく)」とか「白く皓(しろ)く」など意味を膨らませたりするところがカッコいいなと。

童田:そこ、めっちゃ好きだな。

鈴木:最初は「思い出(きおく)」だった部分を「足跡(きおく)」と変えてくれたことで、雪が足跡を消してくれる様子を表現してくれて、「天才だ!」と。

1つの言葉をいろいろな言葉で表現するためには引き出しがないといけないので作詞をするのは語彙力が大事なんだと改めて思ったし、普段から取り込んでいかないといけないんだなと勉強になりました。

――1曲目のミディアム調の優しくて温かい「雨言葉」のイントロでは雨音が入り、最後の「オントロジー」のアウトロ後にまた雨音が聴こえる演出もいいですね。

緑仙:きれいだよね。

える:「オントロジー」の終盤で夕立雲に追いついて、また雨が降って「同じ傘を開いたまま」歩き続けると。

童田:Rain Dropsらしいし、その流れが好きです。

鈴木:最後、結構雨降ってるよね。

力一:途中で勝くんの曲で粉雪が降っているし、俺の曲でも夜にしちゃってるし。

三枝:天候悪いね、このアルバム(笑)。

童田:この曲が1曲目になったことがまず驚きで。

力一:俺も最後だと思ってた。

童田:最初のデモの段階からどんどん音が付け加えられていて、作詞・作曲・編曲のじんさんの気合が感じられたし、ストリングスアレンジの押鐘貴之さんにも入っていただいています。

アルバム1曲目の一番最初のパートを担当させていただいたことは嬉しかったけど、反面プレッシャーでもありました。けれど大好きな曲だったので、緊張せずにレコーディングできました。

――Bメロの「辛い、辛いね、そうだね」は寄り添ってくれているような。

童田:そこが私も好きで。

三枝:この曲、超歌詞がいいよね。「なんでもない 僕と君との世界で」とか。Bメロは低いので、いいのかなと悩んだけど、相談した結果、そのまま歌いました。

童田:だから余計、エモいんじゃないかな。

える:本当に辛そうだった(笑)。

緑仙:全体的にみんなの感情が入ってましたね。じんさんの作る世界に、Rain Dropsが合っている気がして、ちょっと嬉しい。

緑仙:この曲を歌ったことで、来年行われるライブを意識しました。曲順って大事だなと。そして早くライブがやりたいなって。アゲアゲの曲でライブをやりたいと思うのは当たり前だけど、こういう曲調の曲でそう思えるのはおもしろいです。この曲を生で聴いたらきっと泣いちゃうと思う。

童田:泣かせようぜ!

緑仙:「オントロジー」も「雨言葉」も6人で1つのグループなんだと実感できる曲だなと思います。

――他の収録曲のお話も。「ミュウ」はダークファンタジーの世界観で、サウンドも不思議で怪しくて。「主よ」の繰り返しや「ホワット ワット ワット」のフレーズは耳に残りますが、何とも言えないゾクっとした感じがしました。

緑仙:僕は性格が歪んでいるので、歪んだ雰囲気の曲が好きになりがちなので「ミュウ」がめちゃめちゃ好きで。

最近のJ-POPは曲の後半に希望や救いを持たせがちで、個人活動でも「暗すぎるので」とそういう展開を求められることがよくあるんですけど(笑)、「ミュウ」はずっと暗いままで。

柊キライさんはボカロPらしく自由な発想で、おもしろいんですよね。普段、音楽を聴かない方も世界観やサウンドを楽しんでいただけるのではないかなと思います。

――「ミスティック/マインワルド」は速いリズムと譜割のアッパーな曲で、2番で急にジャジーな展開や転調したりと音がぎっしりと詰まっていて。そこに「未来など来ないでくれ」や「知らない儘踊ろうよ シャングリラ!」など刹那的かつ文学的な歌詞が入って、おもしろい曲ですね。

三枝:この曲は力ちゃんに語ってほしいな。

童田:ラッパー!

力一:最初に仕事したら、しばらく腕組状態だけど(笑)。

緑仙:あのパートを聴くために、僕と三枝はレコーディング現場に残っていたからね。音源が出来た時もまず力一のパートを童田と2人で聴いたし。

童田:そうそう!

緑仙:かわいい族の童田ちゃんとえるちゃんの2人の声もいいんだよね。2A直前の「内緒」とか。

える:耳が楽しいと思う。

三枝:曲調もコロコロ変わるし。

える:だから難しかった。

鈴木:Bメロ好き。Bメロがいい曲は全部好きだから。

三枝:Bメロで泣ける曲いいよね。あと作詞・作曲・編曲してくださったツミキさんがレコーディングに参加されて。力一さんの前半の大仕事もほめてたよね。この曲はライブが楽しみ。

力一:俺だけ口の中、カラカラになっていると思う。

鈴木:この曲を聴いたら、みんな力一のこと好きになると思う。

童田:もっとラップやってほしい。全部ラップの曲とか。

力一:それだったら6人でマイクリレーしたい。

三枝・童田:いいと思います!

――MVは「雨言葉」、「オントロジー」、「ソワレ」、「白と嘘」の4曲が収録されるそうですね。

鈴木:この取材の時点で完成している「白と嘘」のMVについてお話しさせていただくと、曲のテーマ通り、「未来のある別れ」が描かれていますが、主人公のカップルはRain Dropsのメンバーではなく、歌っている緑仙、童田、鈴木は広告など街の背景に紛れています。

また季節の移り変わりを、今までのRain Dropsの活動で表現してくださっていて。まず『シナスタジア』が春にリリースされてから夏・秋・冬と。だから今まで俺たちを応援してくださった方には「おっ!」と発見できる部分があるので、何度も巻き戻しして探してください。

三枝:個人的には新宿東口の大ガード前の大型ビジョンは聖地になってほしい。

える:いつかえるたちもあのビジョンに映りたいね。

三枝:前向きによろしくお願いします!

力一:他のMVも楽しみにしていてください。

 

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