アニメ映画『魔女見習いをさがして』森川葵さん&松井玲奈さん&百田夏菜子さんインタビュー|石田彰さんらプロのお芝居から感じられたもの、大人になって実感する「おジャ魔女どれみ」の魅力とは?
まったく違う3人のヒロイン。一緒に収録したときのエピソードも
--ご自身が演じられたキャラクターについて、どのような人物だと思われましたか?
森川:私が演じさせていただいたソラは、あまり人に対して感情を表に出す人ではありませんが、自分の芯をしっかりと持っている人だと思います。
自分の夢や目標に対して「これでいいのかな?」と悩む部分もありますが、“今の発言は違う”と思ったら“違う”とハッキリ自分の意思を伝えられるような人です。
なので、感情を表には出さないけれど、すごく自分の中で“これはちゃんと伝えなきゃ”と思ったときは、芯のある部分が見える人物だな、と思いました。
松井:ミレというキャラクターは帰国子女で、バリバリ働くキャリアウーマンですが、彼女には正しいと思ったことをまっすぐ伝える正義のようなものがあります。
ただ、まっすぐすぎると人を傷つけてしまうことに気づいていながらも、その反面、それが自分らしさでもあると考えていて。
この作品でソラやレイカと一緒に旅をしていく中で、必ずしも思っていることをまっすぐに伝えることが思いやりではないことを学んでいくのですが、そこは自分と通ずるものがあるなぁ、と感じました。
私もまっすぐさが正義だと思っていた頃があったので、“何を伝えるか”というよりも“どう伝えるのか”の大切さをミレを演じることでより深く知ることができたような気がします。
百田:レイカは明るい女の子ではありますが、その裏にあるものや過去にあった辛いことをずっとどこかに抱えながら、それでも夢に向かって明るく生きていこうとしている女の子です。
レイカには久保聖也(CV:浜野謙太)というダメな彼氏がいて、私自身がレイカを客観的に見ても「ダメなことは前からわかっているはずだよ!?」と思いましたが、「なんで好きになったんだろう?」「なんでこの人と一緒にいるんだろう?」と考えながら演じるのがすごく楽しかったです。
そこが難しい部分でもありましたが、明るさの裏にあるものを想像することにやりがいを感じました。
--3人でアフレコされたと伺いしましたが、実際に声でお芝居をしてみていかがでしたか?
森川:もちろん画もありますので私の声だけですべてを伝えるわけではありませんが、体や表情で見せる普段のお芝居の方法とはまったく違っていて。「本当に伝わっているのかな?」「自分の感情をのせられているのかな?」という心配が常にありました。
松井:声での表現に難しさを感じながらも、3人で収録をしていくほどにキャラクターが本当にそこにいるように感じて、とてもワクワクしました。
実は、百田さんがページ数が分からなくなっているときがあって、近くでしゃがんでいるときに、「今このページですよ」ってお伝えしたことがあったんです。
そのしゃがんだ状態から「ありがとうございます!」と言ったその瞬間がレイカちゃんそのもので、「あっ本物だ!」という気持ちになったのが印象に残っています(笑)。
百田:その節は本当に助けていただきました(笑)。
松井:(笑)
百田:もう本当に難しくて。これまで少しだけ声のお仕事をやらせていただいたことがありますが、全部1人で収録していたので、誰かと一緒に収録するのは今回が初めてだったんです。
秒数も見ないといけませんし、掛け合いもしないといけない。さらに、決まった時間の中で掛け合わないといけなくて、そこに感情をのせるのがすごく難しいお仕事だと感じました。
でも、逆に、みんなで読み合わせしてキャラクターを作ったり、3人のテンポやテンション感を合わせたり、助け合いながら作っていく、1人ではできないところがすごく楽しかったです。