『ローリング☆ガールズ』Blu-ray BOX ~5周年記念特装版~発売記念座談会|小澤亜李(森友望未役)×花守ゆみり(御園千綾役)×むとうやすゆき(脚本)【第1弾】
伝説のキャラクターコメンタリー、新規で収録されたスタッフ&キャストコメンタリーも必聴!
――スタッフやキャストの愛の深さを感じたのは、全話にキャラクターコメンタリー(「完全生中継!ロリガトーク!」)が付いていたことなんですよ。全話に付けるってスゴイことですよね。
むとう:当時、現場的に物議を醸しはしましたけどね(笑)。最初は映像を見てときどきネタをしゃべるというくらいの発注だったんですけど、それ以外はずっと無音だというので、もったいないからびっしり書いたんです。そうしたら日高里菜さん(小坂結季奈役)が、普通は2話収録の1巻あたり1話分にフリートークがつくくらいで、こんなに作り込むことはないと教えてくれて。
小澤:だから1話の収録で3時間くらいかかってました(笑)。
むとう:本編よりもかかるじゃないか、それをずっとやるのかと怒られました(笑)。でもそのまま走り続けて、あげく花守さんにモノマネまでさせてしまって。
花守:叱られちゃうなぁと思いながらやりました(笑)。
――でも、小澤さんも花守さんも、まだアフレコ経験が豊富ではない時期ですよね?
花守:当時17歳で、今日の自分のことを考えるだけで精一杯という感じで生きていたので、うまくできなかったよって思いながら帰って、それが悔しくて、次回頑張らなければ!と思っていました。
小澤:一週間が早かったよね。
花守:頭が真っ白になるくらい全力でやっていたし、ヘタクソだったらどうしようってずっと言っていました。でも、こうやって5年越しに見てみると、あのときはあのときですごくキラキラしていたなって思うんですよね。今の私は持っていないものだし、あのとき演じたからこその特別なものになっていたなと思います。
――それは本編もキャラコメも?
花守:はい。両方一生懸命でした。でも、こうやって作品として見られるようになったのは、自分が変わったからなのかなというのはすごく感じています。やっぱり自分がそのときよりも別のところに行かないと、見ても反省会になっちゃうんですよね……。だから、10代の私に「良かったね」と言ってあげたいです。
小澤:私もこの頃は、台詞が多い仕事もそんなになかったんです。でもキャラコメって、史上最大にしゃべってるんじゃない?ってくらい文章が長かったんですよ。尺の制限もあるから、それはすごく大変で難しかったです。
花守:大変だったね!
小澤:結季奈(CV.日高里菜)が特に大変だったけどね。
花守:望未も多かったから、2人のおかげだったよ。
小澤:4人の収録のときに、トチったんですけど、「リアル感を出したいから何ならそれも活かします」みたいなことを言われて(笑)。
花守:あったね! 懐かしい。亜李ちゃん言ってたもんね、「今の大丈夫なんですか?」って。
小澤:下手だからこそ完璧にやりたいと思っていたんですけど、スピードに付いていくのがやっとでした。
――今回のBlu−ray Boxには、そのキャラコメも収録されます。
小澤:いやーー!! 恥ずかしい。
むとう:でもこれは入れてほしかったんですよ。“モブヒロイン”を演じてくれた4人の当時のがんばりの結晶みたいなところがあるから。
小澤:(#3~4)執行さん(CV.大浦冬華)と真茶未さん(CV.藤村歩)がいたキャラコメとかは、クオリティがすごく高くて、うまいなぁって思っていました(笑)。
――キャラコメって意外と重要なことを言っていたりするんですよね。本編だけでは知れないようなことも普通に言ってて。
むとう:これはあまり言ってはいけないことかも知れませんが、12話におさまる物語と設定ではなかったんですよね(笑)。なので、キャラコメを聴いてもらうと本編を2周できるから楽しいという声と、いやいやこの情報は本編で明かしてくれよ!っていう声もあります(笑)。“そんやかんや”で、今回のBlu−ray Boxにはぜひ収録したかったんですよね。
――ボックスの新たな特典として、「完全生中継!匠トーク!」という、全12話分のスタッフ&キャストコメンタリーが入ります。このインタビューも、コメンタリー収録直後に行っているんですけど、どんな収録でしたか?
小澤:5周年っていう感じのコメンタリーになった気がします!
花守:同窓会みたいになっちゃったよね。
小澤:でも客観的に見られるくらい時間が経ったんだなと思いました。『ロリガ』は2年とか3年で、ドラマCDやアルバムで表現する場所をくれていたんですけど、あらためて『ロリガ』についてコメントができるということで、4話でも足りなかったねっていうくらい盛り上がったし、楽しかったです。
花守:最初から最終回で話すようなことを言っちゃって、軌道修正してくださいと言われたのに、結局同窓会ムードのまま4話分録りきりました(笑)。
小澤:そうだね。でも、こんなに思い出を覚えている作品ってないかもっていうくらい、いろいろ思い出が残っていました。
花守:人生の節々で『ロリガ』の話をする機会があったから、思い出が自分の中に深く刻まれて、忘れられないものになっているんですよね。
――相当、いろいろな話が聞けるコメンタリーになっていそうですね。
小澤:キャラコメのときって、最終話の最後にキャストとして挨拶をしたくらいなんですよ。キャストとしてコメンタリーをしていなかったからこそ、あらためてスタッフやキャストが集まって話すということで、ブログやインタビューでも言っていなかった全てを語るしかない!っていう感じでした。
花守:そうだね。私も久しぶりに作品の話ができてうれしかったな。でも、久しぶりな感じは全然しないんだけど。
むとう:客観的に見られるくらいの時間経過はあるけど、それとは別に、昨日のことのような感覚もある、みたいなね。
花守:自分たちで歌った、THE BLUE HEARTSさんの曲もよく聴いているし、行き詰まったときとか、お芝居に悩んだときとか最終話を見返すんですよ。それを見て泣いて、次の日から頑張るぞーってなるんです。だからいつも励ましてもらっているんですよね。
――今日の収録でも泣きながら?
小澤:まぁ、今日の収録も多分音声的には、べそをかきました……(笑)。
むとう:ラストシーンに見入るふたりの横顔、しかと見させてもらいました。作り手冥利に尽きるひとときでした(笑)。
小澤:本当に黙っちゃって、あぁぁしか言えないっていう。本編の最後は、自分たちキャストとしても旅の終わりだったりするから、思いが強いんですよね。
花守:本当にがむしゃらにやっていたからね。