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『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』光の戦士・マイディーさんが教えてくれたオンラインゲームの楽しさ

光の戦士・マイディーさんが教えてくれたオンラインゲームの楽しさーーオンラインゲームは運営とユーザーが一緒になって作り上げるもの

光の戦士・マイディーさんが教えてくれたオンラインゲームの楽しさ。それは、オンラインゲームは運営とユーザーが一緒になって作り上げるもの、ということです。

ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』や、映画『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』などの原作者としても知られる「一撃確殺SS日記」運営者・マイディーさんが亡くなられたことが、今月10日、映画『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』公式Twitterにて伝えられました。

マイディーさんはブログを通じて様々なゲームの面白さや、ご自身の楽しみ方を発信されており、中でも『ファイナルファンタジーXIV(以下:『FFX14』)』に関する記事では、作品の魅力を色々な角度から綴られています。

特に映像化もされた「光のお父さん」シリーズは、『FF14』プレイヤーだけではなく、これまでMMORPGに触れていなかった方にも『FF14』をはじめとしたMMORPGの持つ魅力を広めるものでした。

かく言う私も、ブログの読者の1人であり、マイディーさんのブログがきっかけでMMORPGプレイヤーとなった1人です。マイディーさんがオンラインゲームの面白さを発信し続けてくれたからこそ、オンラインゲームの面白さや楽しさに気付けました。

アニメメディアが『FF14』の記事を? と思う方もいらっしゃるかもしれません。でもどうしても、タイピングする指が止まらなかったのです。

マイディーさんがブログや映像作品を通して何を教えてくれたのか。本稿では、マイディーさんが教えてくれたオンラインゲームの楽しさをご紹介します。その気持ちは、アニメファンにも通ずるものがあるはず。

マイディーさんが残してくれた大切なものを少しでも多くの人に知ってもらうために、そして自分のけじめのために書き記していきます。

 

 

マイディーさんとは

 
ブログ「一撃確殺SS日記」を運営者。多岐にわたるジャンルのゲームをプレイしており、中でも『FF14』に関する記事では、作品だけでなくMMORPGの持つ魅力を様々な角度から発信されていました。

中でも話題となった、ブログ内記事「光のお父さん」シリーズは、『FF14』の世界で父親に親孝行をする、というもので、自身の正体を隠したまま父と『FF14』をプレイする様子が綴られています。

同シリーズはドラマ、映画と二度に渡り映像化されており、実話を元に制作されたストーリーは多くの人にMMORPGの面白さを伝えました。

 

ブログを通して発信し続けたMMORPGの楽しさ、面白さ

「MMORPG」とは“Massively Multiplayer Online Role-Playing Game”の略で、大規模多人数同時参加型オンラインRPGを指します。つまり、家庭用ゲーム機向けの作品とは異なり世界中のプレイヤーと一緒にゲームをプレイする形のRPGのことです。

先述の『FF14』をはじめ、『ドラゴンクエストX』、『ファンタシースターオンライン2』、『ラグナロクオンライン』、『TERA』など様々な作品が存在し、マイディーさんはそういった作品の持つ面白さや楽しさを、ブログを通じて発信し続けていました。

中でも『FF14』に関する記事の投稿数は1,800件を超えており、作品をプレイしたことはなくともマイディーさんのブログは見ているという方も少なくないでしょう。

もっと多くの人にオンラインゲームを知って欲しい。その想いは、ブログはもちろん、書籍やドラマ、映画といった作品からも伝わり、マイディーさんの活動をきっかけに実際にゲームを遊び始めた方が多くいるほどでした。

単純に「ここが面白いよ!」と伝えるだけではなく、マイディーさん自身が楽しんでいる様子が綴られた記事は、読んでいると「羨ましい」という気持ちにさせられ、そんなに楽しそうにしているなら自分もやってみたい、そう思わせてくれるものでした。

 

オンラインゲームは運営とユーザーが一緒に作っていくもの

 


 
『オンラインゲームを創るのは運営だけじゃない。ユーザーも一緒に作っていくものなのだ。』

――出典:マイディー.“紫炎の霧と怒りの思い出”.一撃確殺SS日記. 2012年11月11日(日) 13:52.
http://sumimarudan.blog7.fc2.com/blog-entry-1254.html


 
 
この言葉はマイディーさんが『FF14』が『FINAL FANTASY XIV:新生エオルゼア』としてサービスを開始する以前から発信している言葉です。

オンラインゲームには明確なエンディングが存在しません。ストーリーはアップデートされる度に追加され、キャラクターレベルの上限値すら上がっていく世界。加えて、人によってどう遊ぶかも自由。それがオンラインゲームです。

『FF14』を例に挙げるのであれば、バトルコンテンツを楽しむ人もいれば、お洒落を楽しむ人、釣りに興じる人、麻雀で一喜一憂する人、ただひたすらに世界を知ろうとする人など、数千万人のプレイヤーがそれぞれの楽しみ方をしています。

エンディングもなく、楽しみ方も決まっていない。そんな世界を楽しむためには、自分から楽しいことを見つけていくことが大切になってきます。そこでマイディーさんが綴ったのが先述の言葉です。そして、その言葉は下記のように続きます。

 


 
『大地を創るのが運営の仕事なら、空気を創るのはユーザーの仕事なのだと思う。』
――出典:マイディー.“紫炎の霧と怒りの思い出”.一撃確殺SS日記. 2012年11月11日(日) 13:52.
http://sumimarudan.blog7.fc2.com/blog-entry-1254.html

 
 
オンラインゲームと一人用ゲームの違いが、この言葉には詰まっていると思います。NPC(※ノンプレイキャラクターの略。システムが制御するキャラクターのこと)と冒険をする一人用ゲームと違い、MMORPGで多くの時間を過ごしているのは実際に現実世界に存在する人間が操作するキャラクターです。

そこでは現実世界と同じように社会が形成されていき、そこにはやがて“空気”が生まれていきます。“空気”はゲーム内の雰囲気やコミュニティ、常識など、様々なものを内包していますが、その“空気”は運営が用意してくれるものではありません。

ただ、だからこそオンラインゲームは面白いのだと思います。友人との会話やコミュニティの形成、見知らぬ人も集まって行われるプレイヤーイベント(※)など、プレイヤーが作り上げていく空気感を味わうことができるのはオンラインゲームならでは。

運営が用意してくれた世界に満ちる空気をどんなものにしていくのかは、マイディーさんの言葉にもある通り、ユーザー次第なのです。

 



※プレイヤーイベント
公式なイベントではなく、プレイヤー有志により企画され行われるイベントのこと。

 

関連リンク

旅路|一撃確殺SS日記
紫炎の霧と怒りの思い出|一撃確殺SS日記

 

様々なゲームで行っていた初心者支援

 
オンラインゲームは運営とユーザーが一緒になって作り上げるもの。そう聞くとやはりハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思いますが、マイディーさんは初心者の方へのサポートもゲーム内にて行っていました。

ゲームシステムやゲーム内の施設の案内、相談、時には一緒にダンジョンに行くことも。ほかにも、ブログ内にて初心者がつまずくポイントをまとめたり、専門的な用語を解説したり。

きっと、実際にマイディーさんと一緒にゲームをプレイしたことで前に進めた方や、ブログなどを見て元気をもらった方、マイディーさんと同じように初心者支援をするようになった方など、沢山いらっしゃるでしょう。

それはまさしく、マイディーさんの言う“空気”を作っていたことに他ならないのではないでしょうか。そして、そこにあったのは“オンラインゲームへの愛”なのだと思います。

 

関連リンク

初心者さんを支援する|一撃確殺SS日記
誰が呼んだか サスタシャ村|一撃確殺SS日記

 

おわりに

1日1投稿。マイディーさんはほぼ休むことなく、毎日ブログを更新し続けられていました。そのほとんどがオンラインゲームの魅力を伝えるもので、読んでいるだけで楽しくなる記事ばかり。

さまざまな形でオンラインゲームの魅力を発信し続けたマイディーさんは、オンラインゲームの世界を広げた功労者の1人だと思います。そんなマイディーさんは、間違いなく“光の戦士”です。

オンラインゲーマーの一人としても、オンラインゲームの魅力を発信し続けてくださったことに、ただひたすらに感謝しています。本当にありがとうございました。

心よりご冥福をお祈り致します。

 
[文/太田友基]

 

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