『ゴールデンカムイ(第3期)』 が100倍楽しくなる! 制作秘話や裏話が満載な難波監督のTwitter解説がすごい!
月島軍曹がみた、いご草ちゃんの髪色は何色? アニメではどう描かれたのか
曲者揃いの第七師団の中では常識的な月島軍曹。常に冷静で、実直な男だが、どこか暗い影のある人物。その理由は、故郷・佐渡の島で疎まれながら育った少年時代の体験と、恋の物語が絡んでいます。恋の相手は「いご草ちゃん」。海藻のいご草(えご草)のような、うねったくせっ毛の髪質からそう呼ばれているのだとか。
色々と悪い噂のある父親の影響で、島の人間から「悪童」「荒くれ者」と呼ばれる幼少期を過ごしてきた月島。そんな彼にとって、唯一の心の拠り所が「いご草ちゃん」でした。海辺で、駆け落ちを約束するまで想い合う二人の回想を描くシーンは、月島の穏やかな心象を表す数少ない場面で、ファンにとっても重要で大注目の回です。モノクロで描かれる漫画から、どう色がつけられるのか多くのファンが期待していました。
監督もそのことを理解してか、大切にしています。監督のツィートからは、漫画とアニメの間を埋めて、作品として成立させる技術が感じられ、とても強い作品愛と作りてとしてのこだわりを感じます。
難波日登志氏が語る「いご草の髪色」の裏話
赤系だと気が強そうで性格イメージに合わないし、茶系だと普通すぎて特別な存在にならない。試行錯誤の結果、海藻色になりました。でも、どこかに赤茶を入れたくて、帯を赤茶にしています。とはいえ、私は本誌のいご草ちゃんの髪は今も赤茶と思ってます(笑)。
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) October 24, 2020
第27話「いご草」あらすじ
杉元らと岩息を見送った月島は、ふとしたきっかけから鶴見中尉の部下になった経緯を思い出す。それは、佐渡の島で疎まれながら育った少年時代と、いご草のような髪の娘との記憶と強く結びついたものだった。その娘と、日清戦争が終わったら駆け落ちをする約束をしていた月島。だが、彼の人生に暗い影を落としてきた父の存在によって願いは打ち砕かれる……。
史実通りだと鶴見の肋骨服は白ではない? アニメでは何色に?
そして、同じアニメカラー繋がりで、前シリーズに登場する鶴見の肋骨服についての制作秘話も! 『ゴールデンカムイ』は明治時代を舞台にしたお話。原作を再現するだけでなく、史実に基づくようにアニメを制作することもあるのだとか。原作漫画とアニメではどのような違いがあるのか発見するのも、作品を楽しむポイントの一つなのではないでしょうか?原作漫画を読んで先の展開を知っている人も、新鮮な気持ちで作品を楽しむことができる要素が盛りだくさんなんです!
難波日登志氏が語る「鶴見中尉の肋骨服」の裏話
読み返してみて補足したくなったので。アニメ用に色を作ったらおしまいでなく、イメージと違わないか、本物から離れてないかなど、最終的には先生や集英社サイド、専門家先生にチェックしてもらい、OKをもらってから制作しています。色だけでなく設定類は皆チェックを受けています。
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) October 25, 2020
▲カラーがついた原作の鶴見の白い肋骨服
谷垣の体の一部に異変? 難波監督の熱いこだわりとは
アシ(リ)パの足取りを追っている最中に出くわした曲馬団・ヤマダ一座。
こちらの回では、杉元がアシ(リ)パに自分の存在を伝える目的でハラキリショーに参加することに。他にも、鯉登は自身の高い身体能力にピッタリの軽業で驚くべき才能を発揮していったり、月島と谷垣の二人は小さい子に交じって可愛らしい踊りを習得して少女団の一員に加わることになったりなど、各キャラクターの魅力や見どころが満載でした。
中でも少女団の踊りの先生・フミエ先生や少女団の一員・紅子先輩と谷垣との掛け合いには、思わずクスッと笑えてしまう場面もありました。
実は、谷垣とフミエ先生・谷垣と紅子先輩の掛け合いの最中、谷垣の体の一部に変化があったのを、皆さんご存知でしたか?
キャラクターのかなり細かい部分までこだわって作っている難波監督。その熱いこだわりにも必見です!!
難波日登志氏が語る「谷垣の首」の裏話
アニメは多くのスタッフが関わるので、作画時にはキャラクター統一のためキャラ表に合わせて作画します。キャラ表はキャラの等身やコスチ、喜怒哀楽の表情が描かれた基本設定です。そのキャラ表には描かれていない、首の太いプロポーションデザインにしてもらわないといけなかったんです。
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) October 31, 2020
第28話「不死身の杉元ハラキリショー」あらすじ
樺太における政治・経済・文化の中心地である豊原にやって来た杉元たちは、いきなり置き引きの被害に遭う。鯉登の追跡により、犯人は樺太公演を控える曲馬団・ヤマダ一座の団員と判明。非礼を詫びる座長の山田が見せた手品をきっかけに、杉元は公演を利用してアシ(リ)パに自分の存在を伝えることを思いつく。さっそく出演者に加えるよう頼み込み、他の面々も巻き込んで練習を開始。そんな中、鯉登が驚くべき軽業の才能を発揮する。
花沢勇作は人間離れした存在で、声優キャスティングが難しかった?
尾形の回想中に彼の異母兄弟である勇作が登場しました。
「目が描かれない」キャラクターであり、登場シーンも尾形の回想のみということで、難波監督は勇作の声をイメージすることが難しかったそうです。私自身、今回のお話で勇作の声を拝聴しましたが、「イメージ通りの声だ!勇作だ!」ととても感動したのを覚えています。皆さんも彼の声にまつわる裏話を知れば、またアニメを見返したくなることでしょう……!
難波日登志氏が語る「勇作の声優キャスティング」裏話
尾形から見た勇作は人間として描いていいものか?まさに勇作は解釈の仕方次第で色々なアプローチができる、この声だと決めづらいキャラクターでした。でもアニメ版として声を付けないといけなくて。声優は誰がいいか悩んでいたら音響監督から推薦してもらったのが 畠中祐さんでした!
— 難波日登志(三條なみみ) (@namimi_sanjyo) November 10, 2020
第30話「悪兆」あらすじ
長い膠着状態に陥っていた尾形とヴァシリの一騎打ちは、夜が明けてついに決着の時を迎える。ウイルタ民族が天葬のため樹上に置いた棺桶に尾形が潜んでいると考え、先に引き金を引くヴァシリだが、それは尾形の罠だった。相手の居場所を確認し、ヴァシリを一撃で仕留めた尾形。しかし気配を消すための無理がたたり、尾形は高熱を出して倒れてしまう。朦朧とする意識の中、腹違いの弟・勇作にまつわる過去が尾形の脳裏に蘇る……。