声優・石川由依さん&花守ゆみりさんが登壇! SPゲストとして奥野香耶さんも駆けつけた新作VRゲーム『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)』発売前日有観客イベントをレポート!
『東京クロノス』でVRアドベンチャーゲームという新たな試みを打ち出した株式会社MyDearest 。同社の最新作となる『ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンドクロノス)』(以下、本作)が、先日2020年12月4日(金)に発売となりました。
本作は前作『東京クロノス』を越える事を目指した意欲作ですが、その繋がりなども気になるところ。そんな注目の作品ですが、その発売前日12月3日(木)に石川由依さん&花守ゆみりさんら出演声優陣と開発スタッフ登壇の有観客イベントが開催。
YouTubeで配信も行われ、多くのファンの期待を更に高めました。本稿ではこのイベントの模様をレポートします。
登壇者
【司会】石川由依さん(アニマ役)
花守ゆみりさん(ノア役)
柏倉晴樹さん(監督)
岸上健人さん(総合プロデューサー)
R!Nさん( テーマソングアーティスト)
郡陽介さん(音楽プロデューサー・ディレクター)
昨年から発売までの1年を振り返る! クロエ役鬼頭明里さんからのビデオメッセージも公開!
イベント開始の時間が近づくと、まずはクロエを演じる声優・鬼頭明里さんからのビデオレターが公開されました。その中で「『アルトデウス:BC』は柏倉監督を筆頭に、スタッフ陣が全力を込めて作った作品」「声優陣も全員が全力でキャラクターたちに魂を吹き込んだ」とコメント。作品への自信と込められた熱量の高さを語りました。
その後は司会を務めた石川さんの紹介で、花守さん、柏倉監督、岸上さんの3名が登場。岸上さんから順番にひとりずつファンのみなさんに挨拶していき、本作初の有観客イベントであることなどが明らかに。
またこのイベント時点で本作は完成していたそうで、無事発売を迎えられることを報告。そこに付随して前作『東京クロノス』の時は、発売の二時間後まで制作していたという驚きの裏話が飛び出す場面も。
最初のコーナーは本作発売までの出来事を振り返る「アルトデウスヒストリー」。こちらでは本作にとって重要な日付をピックアップし、開発の裏話や思い出をトークしていきます。まずは2019年3月19日で、これは前作『東京クロノス』の発売日。ただしこれはアメリカでの発売日で、日本では17時間ほどの時差の関係で3月20日になっているそうです。
ここから当時の思い出話に発展すると、マチアソビ内でイベントを開催した際に石川さんに遠路はるばる足を運んでもらったエピソードが飛び出しました。マチアソビの開催地と言えば徳島県ですが、なんと岸上さんの地元でもあるとのこと。本作の企画書は『東京クロノス』開発終盤に柏倉監督から提出されたものだそうで、企画自体は学生時代から温めていたそうです。
続いてピックアップされたのは、昨年の東京ゲームショウ開催日である2019年9月14日。まだタイトルが決まっておらず『PROJECT MEGALiTH(プロジェクト メガリス)』としての発表となりましたが、当時公開されたティザービジュアルを基にしたトークが展開。
このビジュアルに描かれたクロエを見て、当時は少年なのか少女なのか考察される声があったのだとか。なんとプレイ後にこのビジュアルと見ると、また新たに発見があるかもしれないそうです。
続く2019年11月1日は、MyDearest の合宿の開催日。新しいプロジェクトを進める直前に行うそうで、『東京クロノス』開発当時も行ったそうです。本作でアニメーターを担当している八木田肇さんが、この日入社初日だったことはここで判明。
そこから10日後の2019年11月1日はタイトル決定日でした。“アルトデウス”というタイトルは柏倉監督の案であることや、“ビヨンドクロノス”に色々な意味が付与されていることが明かされました。その中のひとつには、前作である『東京クロノス』を越える(※beyondには越える、以上にといった意味があるそうです)という想いがあるようです。
そして2020年1月頃にメインキャストが決定。各キャラクターの候補者はかなりの人数に及んだそうですが、柏倉監督がキャラクターへのイメージやどういう意図で担当声優を選びたいかを伝え、そこをベースに選考を進めていったそうです。
キャスティングについての話題ということで、石川さんと花守さんにオファーが来た際の想いを伺うことに。石川さんは『東京クロノス』の二階堂華怜役に引き続き出演となりますが、やはり当初はその続編をやるものだと思っていたそう。またアニマは二階堂とはまったく違った雰囲気で、これまで演じたことのないタイプのキャラクターだったのだとか。
ここで岸上さんが、『東京クロノス』のゲーム配信を社内で視聴した際のエピソードを披露。終盤にある二階堂のシーンが様々な人の感動を呼んだことは把握しており、それに寄与してくれた石川さんの力を絶賛。本作でも継続してオファーをしたのは、その力を信頼してのことだったと話していました。
花守さんはオファーを受けた際に、ノアというキャラクター付与された要素の多さに驚いたのだとか(※歌姫、人間ではなくAIなど多数)。そんな難しい役どころということで「私でいいんですか?」と感じたそうですが、柏倉監督は「バッチグーですね」と称賛を送っていました。
続いて2020年4月1日“エイプリルフール”の“二階堂のカレー(※じゃがいもが四角くなっているのがポイント)”を紹介し、日付は2020年7月22日のオンライン発表会へ。ここで初めてPVを出して大きく盛り上がったのだとか。
そして2020年7月29日~8月30日まで開催したクラウドファンディングの結果を報告。VRゲームとしては異例の金額である20,283,860円&支援者数1650人を達成しており、会場にはその支援者の方の姿も見られました。
そろそろ最近の日付が迫ってきたところで、2020年10月の「インタラクティブストーリーズ featuring 鬼頭明里」配信開始が告知されました。こちらは本作の宣伝番組となっており、この場で石川さんと花守さんへゲスト出演のオファーが!? 今後おふたりの出演があるかもしれませんので要チェックです!
開発スタッフ陣が作品に込めたこだわり
最後に第2弾キービジュアルが公開された2020年11月13日を振り返り、次のコーナーである「クロノスシリーズ年表」を紹介。
ここで本作の物語が『東京クロノス』から300年の未来であることが判明。地下都市や400メートル級のマシンが出てくるなど荒唐無稽な部分がありますが、その辺り作家・高島雄哉さんのSF考証に基づいて制作されているとのこと。
この後から実機プレイを行う話もあったそうなのですが、SNS上での「ネタバレは踏みたくない」という声の大きさを受け急遽予定を変更。本作をプレイするうえで体験することとなる3つのパートを軸に、ゲーム全体の紹介と開発スタッフのみなさんの声を紹介していきました。
まずはマシンアクションパート“Augmented Machine Action”より、アニメーターの田村直彬さん。ひたすらノリがよく感じて貰えるように台詞やSE、エフェクトやUIをコンマ秒単位で調整しているそうです。
中地功貴さんは、クロエの手の描写をシーンごとに微妙に変えている事を暴露。プレイヤーのみなさんが気付けないくらいシーンに溶け込んでいるようで、その自然さこそが凄まじいそうです。プレイする際はぜひとも注目したいところ。また柏倉監督いわく、このこだわりによってプレイヤー=クロエと感じさせ物語への没入感に寄与しているとも。
サウンドエンジニアの田中孝さんは音響への拘りに言及。Oculus Questのサウンドでも充分なくらいではあるものの低音が抜けるところがあるそうで、良いヘッドホンでプレイすると音へのこだわりが更に感じられるそうです。
作品にとってピークとなるマシンアクションパートに続いて、ライブパート“Brilliant Noa's Live”の紹介に。八木田肇さんのメッセージによると、ノアのパフォーマンスが見られるオープニングの演出をかなり“盛っている”とのこと。ただしこれは実際に見て欲しいということだったので、ゲームを購入した方はぜひチェックしてみてください。
続いて紹介された崎山礼加さんはキャラクターのモデル担当。VRのキャラクターモデルということで制約が多かったそうですが、『東京クロノス』の頃からMyDearest で3Dモデルを手掛けられており、本作では更に進化しているようです。
そして最後のアドベンチャーパート“Choices of Changing Your Fate.”。ゲームデザイナー・演出の松岡希美さんのメッセージから、制作時に構成の変更や追加収録が発生していたことが判明。柏倉監督&岸上さんによると作中の文芸担当的な立ち位置だったそうで、松岡さんがいなければ間違いなく発売日に間に合っていなかったとのこと。
雷雷公社カトウさんはアートディレクターの方ですが、柏倉監督とはSF好きの同士なのだとか。だからこそどういう物を作りたいかを伝えると、すぐに理解してくれるまさにツーカーの仲なのだとか。またキャラクターデザインのLAMさんの相方でもあるそうで、今後も見捨てられないよう一緒に仕事をしていきたいと述べていました。
ステージディレクターの小島伸一さんのメッセージからは、Oculus Questの限界を意識しつつも少ないポリゴン数とテクスチャ数で広い空間を描く、作詞的な表現を活用されていることが判明。様々なクリエイター陣がそれぞれのこだわりを込めた作品であることがわかったところで、最後にプログラマーの下嶋健司さんのメッセージを紹介。
ユーザーがストレスなくゲームを遊べるようにするのはプログラマの大事な責務だと考えているそうで、柏倉監督は一番真摯にゲーム作りに向き合っている方だと称えました。メインプログラマだと紹介すると謙遜されるそうですが、下嶋さんがいなければ本作は絶対に完成しなかったそうです。この他にも様々な方が本作には関わっているそうなので、公式サイトの“スタッフページ”を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
スペシャルゲストとして奥野香耶さんが駆けつけた!
一度換気の為に10分程の休憩を挟み、いよいよライブパートがスタート。
花守さんによる作品世界へと誘う朗読で静寂が訪れたところで、R!Nさんがステージに登場。まずは「SunLight」を抜群の声量で披露し会場を盛り上げたところで、音楽プロデューサーの郡陽介さんと花守さんもステージに現れました。
ここでキャラクターボイスを花守さん、歌声をR!Nさんが担当しているということで、花守さんからは「私たち、ふたりでノアちゃんなんですよ」といったコメントも飛び出しました。続いてR!Nさんと郡さんにお話を伺っていくと、フルバージョンで本作の楽曲を披露するのは今日初めてだったことがわかりました。
また郡さんはディレクターやメインコンポーザーでもあるそうで、花守さんの収録にも立ち会っていたのだとか。歌と声、両方の収録に関わっていることから、ノアの父親的な立ち位置だと考えられているようです。。
続いて披露した「Sound of Victory」については郡さんが作曲し、Kzさんが編曲したもの。この曲を歌い上げたところで、そろそろイベント終了の時間。するとプロジェクトマネージャーの内田さんがステージに現れ、開発スタッフ陣の想いを代表して伝えにきてくれました。
そして岸上さんがOculusのストアで本作のレビューを付けて欲しいとファンのみなさんにお願いしたところで、スペシャルゲストとしてコーコ役の奥野香耶さんが駆けつけてくれました。
奥野さんはコーコのようなミステリアスなキャラクターを演じてみたかったそうですが、そんなコーコは作品の根幹に関わるネタバレになってしまう要素を多数持っているキャラクターなのだとか。また台本を確認する際にクロエの視点で読んでいたために、彼女の実態を掴むことが出来ず、掴んだと思っても溶けて消える「雪みたい」だと評する場面も。
最後に柏倉監督が発売を迎える感慨と、今年は様々な逆境に立たされることになったと述べました。そして、作中で親友を失い復讐のために生きるクロエが、どう生きていくのかに注目してほしいと話して、自分の手掛けた作品がみなさんの心に残るものになればとコメント。ここでイベント終了の時間となりました。
前作『東京クロノス』との繋がりも匂わせている本作。そちらをもうプレイ済みの人はもちろんですが、VRで体験するアドベンチャーゲームという挑戦をしているタイトルですので、この機会にぜひ一度プレイしてみてはいかがでしょうか。
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『ALTDEUS: Beyond Chronos』 ストーリー
2080年。人類は突如出現した超巨大生物<メテオラ>によって地下へ救いを求めた。半径2キロの地下都市<A.T(Augmented Tokyo)>が人類最後の砦となっている。
2280年。メテオラに対抗する組織<プロメテオス>に属するクロエは、人型都市防衛兵器マキアを操り、厳しい戦線を戦友たちと生き抜いてきた。
地下都市を<メテオラ>から守護し、いつか地上世界を取り戻す。人類の目的とは乖離した意思で、クロエは今日も引き金を引く。全ては“親友だった”コーコのため。あの時、あの瞬間の選択と決断がクロエの心を焦がす。
そして、運命の歯車は急速に音を立てて廻りはじめる――。
コーコの姿をした<メテオラ>の襲来。そう、これがクロエの<現実>なのだ。
作品概要
タイトル:ALTDEUS: Beyond Chronos(アルトデウス: ビヨンド クロノス)
ジャンル:VRインタラクティブストーリーアクション
対応プラットフォーム:Oculus Quest Oculus Rift
発売日:2020年下期予定
プレイ人数:1人
CERO:C(15才以上対象)
価格:未定
ハッシュタグ:#アルトデウスBC
キャスト
クロエ:CV.鬼頭明里
コーコ:CV.奥野香耶
ノア:CV.花守ゆみり
アニマ:CV.石川由依
ヤマト:CV.小林裕介
アオバ:CV.荒牧慶彦
ジュリィ:CV.芹澤優
デイター:CV.速水奨
スタッフ
監督:柏倉晴樹
VRゲーム「東京クロノス」監督
劇場アニメ「楽園追放 -Expelled From Paradise-」モーション監督
キャラクターデザイン:LAM
『東京クロノス』『アーケードリズムゲーム WACCA』キャラクターデザイン、『専門学校HAL 2019年度CM』アートワーク
シナリオ:小山恭平/カミツキレイニー/高島雄哉
メカデザイン:I-IV
『アルドノア・ゼロ』『Re:CREATORS』『86-エイティシックス-』メカデザイン
音楽:郡陽介/高橋邦幸(MONACA)/kz(livetune)
参加アーティスト:ASCA / R!N / ウォルピスカーター / YuNi / セツコ(空白ごっこ)
公式サイト
公式Twitter(@chronos_series)
公式YouTubeチャンネル
MyDearestについて
会社名:MyDearest株式会社(MyDearest Inc.)
所在地:東京都台東区浅草橋2-28-12 NKグリーンビル4階
設立:2016年4月
代表:代表取締役CEO 岸上健人
MyDearest株式会社は2019年に『東京クロノス』をリリースしたVRスタートアップ企業。企画・開発。音楽・プログラム・デザインなど全ての領域にクリエイターが揃っており、「ソードアート・オンライン」の担当編集として著名な、株式会社ストレートエッジ 代表取締役の三木一馬氏もアドバイザーとして参画している。
受賞歴
・第二回日本アントレプレナー大賞エンタメ部門受賞
・CAMPFIRE AWARDエンタメ部門受賞
・ファミ通・電撃ゲームアワード2019 アドベンチャー部門ノミネート
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