穂歩と同じ気分でみんなを見守っていたアフレコ――秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』日笠陽子さん、巽 悠衣子さん、前田玲奈さん 声優インタビュー【連載第6回後半】
おちこぼれの5人の女の子が結成したアイドルグループの成長を描いたアニメ『おちこぼれフルーツタルト』(浜弓場 双さん原作)が2020年10月より放送中です。
売れない(元)子役のロコ、ミュージシャンのはゆ、モデルの仁菜、そしてアイドルを志して上京してきた衣乃と彼女を慕って事務所を移籍してきたへもの新人アイドルユニットのフルーツタルトの日常を描いた作品です。舞台となる小金井市でも聖地巡礼などで盛り上がり、先日はNHKで出演声優がフルーツタルトとしてパフォーマンスを披露するなど、回を重ねるごとに注目度もアップ!
『アニメイトタイムズ』では、スタッフや声優陣のインタビュー連載をお送りしています。第6回となる今回はフルーツタルトのマネージャーの穂歩役を演じる日笠陽子さん、衣乃たちとクラスメイトでフルーツタルトを支える利音役の巽 悠衣子さん、クリームあんみつのプロデューサー、リリ役の前田玲奈さんによる座談会を前後編に渡ってお送りしています。
後編にあたる今回は先日放送された10話とここまでで印象に残るシーンやお気に入りの楽曲についてお話ししていただきつつ、アイドル論ではヒートアップ!? 今後の見どころのご紹介を含めてお楽しみください!
《『おちフル』インタビュー記事バックナンバー》
□【連載第1回】 原作者・浜弓場 双
□【連載第2回】 衣乃役・新田ひより&ロコ役・久保田梨沙
□【連載第3回】 はゆ役・白石晴香&仁菜役・近藤玲奈&へも役・守屋亨香
□【連載第4回】 監督・川口敬一郎
□【連載第5回(前半)】 チコ役・佐倉薫&ぬあ役・篠原侑&るあ役・田中貴子
□【連載第5回(後半)】 チコ役・佐倉薫&ぬあ役・篠原侑&るあ役・田中貴子
□【連載第6回(前半)】 穂歩役・日笠陽子&利音役・巽悠衣子&リリ役・前田玲奈
□【連載第6回(後半)】 穂歩役・日笠陽子&利音役・巽悠衣子&リリ役・前田玲奈
事務所から課せられたノルマ千枚販売はクリア。衣乃のMCなど感動の10話
――まず10話を振り返ってみた感想と印象的なシーンやセリフを教えてください。
梶野穂歩役 日笠陽子さん:事務所の偉い人から1,000枚売らないといろいろアレすると言われて、穂歩やフルーツタルトも焦りまくるわけですが、300枚も買ってくれた救世主が現れて。その時の穂歩の喜び方がゲスくて。正体は謎のままですけど。午後の部では衣乃の感動的なMCがあったり、カップリング曲も披露したりして、最終的には発売記念イベントが大成功で終わってよかったです。
東 リリ役 前田玲奈さん(以下、前田):この回も私の出番はなくて。チコはお忍びで見に来てましたけど(笑)。フルーツタルトの子たちの性格の良さや背伸びしない等身大の姿が見られて好きな回でした。
本町利音役 巽 悠衣子さん(以下、巽):ライブを午前の部よりも、もっと盛り上げようとフルーツタルトが頑張るんですけど、プレッシャーもあって、みんな全然話せなくなってしまって。私自身もMCとか苦手で、何を話していいのか、わからなくなってしまうので、全力で応援したくなりました。もし、こんな状況になったら私は「誰か、しゃべって!」と思っちゃうけど、衣乃が持ち前の明るさと純粋さで乗り切って、更にみんなの絆を深めて、ライブを成功させたところは私的にも胸アツでした。
あとCDを300枚買ってくれた少女に、利音がフルーツタルトの良さを熱弁するシーンは彼女の想いが詰まっていて、とても好きです。打ち上げでのお好み焼き戦争も楽しかったけど、またTVの改編期を乗り切れるのかというピンチも。どうなるのか、次回が気になりました。
10話までで3人が印象に残っているシーンとは?
――改めてアニメの映像をご覧になった感想と、放送された10話までの中で印象深いシーンを挙げてください。
日笠:放送前に収録が終わっていたこともあって、オンエアで見たら絵もきれいだし、10代のぷりぷり感もうまく描かれていたなと思いました。印象に残っているのは1話で、衣乃が上京してきて、ネズミ荘でみんなと出会って、フルーツタルトを結成したところですね。
初回の収録ということで、キャストのみんながキャラ作りしていく過程で、与えられるディレクションの1つひとつに真剣に向き合っていく姿がキャラと重なって。
特に(衣乃役の)新田ひよりちゃんはこの作品で初めてお会いしましたが、彼女が役作りをしている時、この子は絶対まじめで頑張り屋さんだなと思ったし、力が入りまくっているところが衣乃っぽいなと。穂歩と同じような気分でみんなを見ていたことを覚えています。
前田:アニメを見た時、まずかわいいというのが大前提である上で、ギャグものらしく、テンポやSEなどの音の付け方も素敵だなと。
絵もきれいで、特にイメージ上の背景がキラキラしている時のグラデーションがきれいで、色合わせも今っぽくて、おしゃれで個人的に刺さりました。他にもドットやギンガムチェックとかフルーツの柄が入っていたり、目でも楽しい作品だなと思います。
収録現場では最初の1、2話はみんな、どうツッコミを入れたらいいのか試行錯誤されていたのを覚えています。またフルーツタルトの5人がマイク前に並んでしゃべっているのを見ると、ネズミ荘でわいわいやっている姿そのままだなとも思いました。
巽:原作を読んだ時から思っていましたが、画面の色使いなどがすごくにぎやかで。モチーフになっているフルーツタルト自体、カラフルなんですけど、見ていて元気が出るようなワクワク感を感じました。
印象的だったのは3話で、フルーツタルトにへもが加わる前、メンバー4人でやった最初のライブが終わって、お客さんが湧いた時、ロコちゃんが「すごいな…アイドルって」と言ったら、衣乃ちゃんが「…はい。はいっ!」と反応したシーンです。
元々アイドルを目指していたわけではなかったし、活動を始めてからも戸惑っていたけど、あのライブでアイドルの素晴らしさや楽しさを実感できたことで、更に前向きさがプラスされた気がするし、みんなが1つになって頑張り始めたんじゃないかなと思えて、印象深いです。