最後まできれいに終わらない“おちフルらしさ”――秋アニメ『おちこぼれフルーツタルト』新田ひよりさん、久保田梨沙さん、白石晴香さん、近藤玲奈さん、守屋亨香さん 声優インタビュー【連載第7回】
おちこぼれの5人の女の子が結成したアイドルグループの成長を描いてきたアニメ『おちこぼれフルーツタルト』(浜弓場 双さん原作)もいよいよ次回が最終回!
『アニメイトタイムズ』では、スタッフや声優陣のインタビュー連載をお送りしてきましたが、第7回となる今回は桜 衣乃役の新田ひよりさん、関野ロコ役の久保田梨沙さん、貫井はゆ役の白石晴香さん、前原仁菜役の近藤玲奈さん、緑 へも役の守屋亨香さんとフルーツタルトのメンバーが全員集合! フルーツタルトの魅力や好きな曲、そして最終回の見どころを語ってくれました!
《『おちフル』インタビュー記事バックナンバー》
□【連載第1回】 原作者・浜弓場 双
□【連載第2回】 衣乃役・新田ひより&ロコ役・久保田梨沙
□【連載第3回】 はゆ役・白石晴香&仁菜役・近藤玲奈&へも役・守屋亨香
□【連載第4回】 監督・川口敬一郎
□【連載第5回(前半)】 チコ役・佐倉薫&ぬあ役・篠原侑&るあ役・田中貴子
□【連載第5回(後半)】 チコ役・佐倉薫&ぬあ役・篠原侑&るあ役・田中貴子
□【連載第6回(前半)】 穂歩役・日笠陽子&利音役・巽悠衣子&リリ役・前田玲奈
□【連載第6回(後半)】 穂歩役・日笠陽子&利音役・巽悠衣子&リリ役・前田玲奈
レギュラー番組終了の危機を救ったのはママ!? 謎のキャラの正体と次の試練が見えた11話
――まず11話を振り返ってみた感想と印象的なシーンやセリフなど教えてください。
桜 衣乃役 新田ひよりさん(以下、新田):まずはフルーツタルトのレギュラー番組が無事に番組改編を乗り越えることができて、ホッとしています(笑)。それも初登場だったはゆちゃんのママがスポンサーになってくれたおかげで! お金持ちありがとう! でも最終回が残っており、ひと波乱ありそうな雰囲気もあるので、気を抜かずに見守っていただけたらと。
関野ロコ役 久保田梨沙さん(以下、久保田):今まで謎の人物みたいにちょこちょこ登場していた少女がキャットプロの乙社長だとわかって。あのリリさんでもビシっとするような威厳がある人がランドセルを背負って現れたからビックリしました。しかも堀江由衣さんが演じられているので、私も「お姉さん」と呼ばれたいと思いました(笑)。
貫井はゆ役 白石晴香さん(以下、白石):はゆの家族関係が初めて明らかになった回でもあって。はゆファンの方、お待たせしました(笑)。
今まで作中ではロコとチコ、ぬあとるあという姉妹間のエピソードが描かれていましたが、ご両親のエピソードは珍しくて。小学生の頃から履いていたパンツや靴下に穴が開いても履くくらいの倹約家なのに、まさかの実家がお金持ちだったという。家出しようとしたら自宅の庭で迷子になるって、どれほど広大な敷地なんだろうと(笑)。でもそんな家に育ちながら、あんないい子に育ったのはよかったと思いました。
前原仁菜役 近藤玲奈さん(以下、近藤):10話でCD発売記念ライブが成功して喜んでいたところに番組存続の危機を告げられて。でもいつもピンチの時に救世主が現れてきたように、今回もはゆちゃんのママが助けてくれたりと、改めて、フルーツタルトは周りの人に支えられているなと実感したし、彼女たちの健気さや頑張りが支えてあげたいと思わせるのかなと思いました。とりあえず危機は脱して、作中やリアルなフルーツタルトファンの皆さんを安心させてあげられてよかったです。
緑 へも役 守屋亨香さん(以下、守屋):乙社長から出場を打診された「アイドル甲子園」は全国のアイドルたちと競うソーシャルゲームで、すごいと思っていたクリームあんみつとも競うことになります。まず東京代表になれるのかという大きな試練にどう立ち向かっていくのか注目してほしいです。
実際のゲーム画面が後半パートで見られましたが、とてもかわいくて、個人的に欲しいなと思いました。でも実装されたら利音みたいに課金しちゃいそうで怖いかも(笑)。
おちこぼれで不器用だけど一生懸命で応援したくなるのがフルーツタルトの魅力!
――皆さんが感じるフルーツタルトの魅力や好きなところを教えてください。
新田:個性もバラバラで、幼なじみのロコと仁菜はともかく、普通の生活をしていたら出会わず、交わることもなかったような子たちがアイドルグループになり、ネズミ荘で一緒に生活するようになって。今ではもはや「この5人じゃないとダメだよね」と思うし、5人そろっていると安心感があるんですよ。
あと『きらら』作品なので、もちろんみんな、かわいいけど、残念さもあって。人間のむき出しの欲望やアイドルのおトイレ事情が見られる作品は『おちフル』しかないと思います。私自身もこんなにおトイレシーンを演じることになるとは思いもしませんでした(笑)。
久保田:最初の頃のネズミ荘ははゆ、ロコ、仁菜の3人で共同生活していたけど、衣乃が加わって。衣乃はロコが好きだけど、ロコは仁菜の胸が好きだからくっついていたり。更にへもが加わることでいろいろなペア感やそれぞれの人間性や好みも見えて、どんどん仲良くなっていって。
あと未熟で不器用だから失敗したり、ピンチになることも多いけど、一生懸命に頑張っているから地元の東小金井の人たちも応援したくなると思うし、そのひたむきさや明るさが魅力かなと思います。
白石:みんな、おちこぼれで弱点やコンプレックスがあるからこそ人間臭くて共感できるし、そんな子たちでも一致団結すればすごい力を発揮できることを見せてくれて、素敵だなと思いました。
あと気付いたのは、それぞれヘンタイ性やフェチを持っていますが、はゆちゃんは意外にそういう癖が比較的ないなと。彼女が一番、フルーツタルトのメンバーでは純情な乙女だったのでは?(笑) みんなが持つそんなギャップも個性を引き立たせる魅力の1つかなと思います。
ユニットとしては、7話のレコーディングで不安を感じながらも各々が好きなものを思い浮かべながら歌ってみんな満足気だったのに、なぜかネットリしていてリテイクしたオチもフルーツタルトらしいなと(笑)。実生活ではうまくいかないことのほうが多いし、私自身もおちこぼれですが、フルーツタルトを見て、「それでもいいじゃん!」と思わせてくれて、元気付けられています。
近藤:何気ない日常をコメディタッチで描いた作品ですが、リアルなエピソードも多いんですよね。ロコと仁菜、はゆは芸能界でうまくいかなくて、未来も見出だせない状況の中、アイドルになることを夢見て上京してきた衣乃がネズミ荘に来たことで、最初はアイドル活動に後ろ向きだったロコも段々、衣乃に影響されて、アイドルとして活躍したい想いが芽生えてきて。
そしてへもも加わって、年下の子から刺激を受けて、もっと頑張らなきゃと励みになっていったりと、仲間から影響を受けて変化や成長していく姿は見ていて微笑ましかったです。
穂歩による動画撮影から地道にやってきたことが、CDデビューやライブなど実を結んだことも嬉しくて。これからどんどん人気が出て、有名になっていく様子も見たいけど、あまり遠くに行ってほしくないという複雑な心境もあったりして、そんなふうに感情移入したり、支えてあげたくなるアイドルだと思います。
守屋:おちこぼれで残念な子たちだからこそ、必死に頑張っている姿は胸を打つし、衣乃たちが周りの人と交流していくことで地元でも愛されるグループになっていったと思います。
10話で盛り上げなきゃと思うあまり、何も話せなくなってしまった時、衣乃が赤裸々に話すシーンがありましたが、ステージでもありのまま自分たちが出てしまっているところが逆に身近に感じるし、ファンの人にとっても応援したくなったり、元気をもらえているんじゃないかなと思います。