『ワールドトリガー 2ndシーズン』三雲修役・梶 裕貴×空閑遊真役・村中 知 対談|声優&スタッフの夢が叶った第2期、久々にキャラクターを演じて感じたこと
2ndシーズンの見どころと注目してほしいキャラクターは?
――2ndシーズンの見どころというと、どういうところになりますか?
村中:前回は朝の時間帯に放送されていたので、お子さんに配慮した刺激的過ぎない表現にしていたそうなんです。ただ、2ndシーズンからは深夜帯になるので、より原作に寄せて、『ワールドトリガー』の世界観をよりリアルに表現するという試みをしてくださっているんです。そこは私も、いち視聴者として楽しみにしています。
あとは、1stシーズンでは、遊真の不思議な感じや成長、世界観の説明が多かったりしたんですけど、2ndシーズンは、修と千佳が、それぞれ違う壁の乗り越え方をしたりしているんですよ。だから2人の成長も見ていただきたいです!
それと新キャラクターも増えて、そのキャラたちもみんなバラバラの性格で、バラバラの価値観を持っていながら作戦を練って戦っているので、いろいろな名言が生まれているなって思っているんです。だからそういう人間関係の面白さも、見どころのひとつかなと思います。
梶:本当にその通り。『ワールドトリガー』は、じっくりと丁寧に、時間をかけて作られてきた作品。1stシーズンも、ありがたいことにとても長い間やらせていただきました。その中で、世界観の魅力やメインキャラクターたちの背景は、確実に視聴者の皆さんにお伝えできたと思うんです。
それを経た2ndシーズンでは、"人間ドラマ"としての広がりがより出てくるのかなと感じています。
人間と言っても、地球人だけではなく、「近界民(ネイバー)」のキャラクターたちも含めて。それぞれに歴史があるし、家族もいる。本作にはバトルシーンやアクション要素といった魅力ももちろんあるんですけど、そういった"人間ドラマ"がきちんと描かれているからこそ、心に響くものがあるんだと思うんです。
張り巡らされている伏線が少しずつ回収され、回収されたと思ったらまた張り巡らされて…という感じなので、毎週、夢中になってご覧いただけるんじゃないかなと思います。
――演じている三雲 修の成長があると、村中さんはおっしゃっていましたが。
梶:そうですね。まあ、修に関しては、何を言ってもネタバレになってしまうんですけど(笑)…シンプルに言うと、人間的な強さが違う、というか。彼は意外と芯がしっかりしているし、実は我が強くて図太い人だと思うんです。でも、知らず知らずのうちに周りに気を遣って、そのエネルギーを抑え込んでしまう。
それって、僕らの現実社会でも同じだと思うんですけど、「そうすることが必ずしも良いことではない」というのを、修は、空閑との出会いや千佳の新たな面を知ること、そして自分より年齢や経験値が上の人と関わることで少しずつ知っていくんです。
彼が"自分の意思"というものを自覚していき、それを行使しだしたときには、かなり強く恐ろしい存在になるだろうな、というのは最初のシリーズから既に感じていましたね。つまりは…彼のボーダー隊員としての、そして玉狛第二のリーダーとしての本当のドラマは、ここから始まっていくんだろうなと思っています。
「自分に何ができるのか、チームのために何ができるのか」を常に考えて、周りにアクションを起こしていくのは、修にしかできないことでしょうし、それと同時に、思春期の若者らしい葛藤もきっちり描かれているので、彼の人間らしい魅力が詰まった2ndシーズンになるんじゃないかなと思っています。
――2ndシーズンで気になるキャラクターはいるのでしょうか?
梶:僕は、やはりヒュースが気になりますね。現在は、どっちつかずな状況なんですけれど(軍事国家アフトクラトルの大規模侵攻の際、ボーダーの捕虜となり、玉狛支部に預けられている)…僕にとって、アフトクラトルとの戦いってすごく印象的で、めちゃくちゃ記憶に残っていて。
修が過去にないくらい自分から動いたドラマだったし、レプリカ(異世界からやってきた遊真のお目付け役。遊真の父・有吾に作られた多目的型トリオン兵)を失ってしまったとき(第35話)も、僕も修と同じくらい本当にショックだったんです。
その後の記者会見のシーン(第38話)も含め、色々なことが鮮烈に記憶に残っていて。そんなアフトクラトルから来たヒュースの存在というのは、なかなか一筋縄ではいかない思いが修の中にもあると思うんです。捕虜となっているヒュースは、ボーダーにとっても大きな鍵になるでしょうし、これから地球外の惑星を探索していく上でも、かなり重要な人物になるんだろうなと思っています。
村中:2ndシーズンでは、もうキャラクターの紹介にもある通り、ガロプラとの戦いになっていくんですけど、実は私たち、ガロプラに関してはまだ何も知らないんですよ。アフレコも一緒になっていないので、どんな感じになっているのかめちゃめちゃ気になってます。
それに、B級ランク戦で、私たちがこれから戦う相手もすごく濃くて、それぞれの思いを胸に戦っている人たちなんですよね。でも、その人たちの声も今はまだ聞けていないので、どんな感じで演じられていて、どんなふうに見えるのかは、非常に楽しみにしてます。でも、分かりやすく誰が気になるかで言うと、王子隊の王子(一彰)先輩ですかね(笑)。
梶:ホント、まさに"王子"だよね。
村中:そうなんです! こんなお顔がきれいな人間が出てきたか!と思って。原作で、バレンタイン企画とかやっていましたけど、それをやったら、彼の存在が波乱を起こしそうだなと思いました。
梶:まだ実際には聞けていないタイミングだけれど…個人的に、その王子先輩の声と芝居をすごく楽しみにしているんです。
村中:聞けてないですね(笑)。王子先輩が出てくるところまでは収録しているんですけど、そのチーム紹介みたいなのがあって、そこでの王子先輩がすごくて、スタッフさんの気合いを感じたんです。誰か王子ファンがいるの?みたいな。
梶:作画、もしくは演出班にね(笑)。
村中:だから王子先輩が出てきたときに、世間のざわめきが、今とても気になっています(笑)。
[取材&文・塚越淳一]
作品情報
■タイトル
アニメ「ワールドトリガー」2ndシーズン
■放送情報
2021年1月9日(土)より
テレビ朝日系列にて毎週土曜 深夜1時30分~
「NUMAnimation」にて放送開始!
公式サイト
公式Twitter(@Anime_W_Trigger)