アニメ
『BEASTARS』原作者・板垣巴留 アニメ第2期放送記念インタビュー

連載終了した今だからこそ感じる思いとは? 冬アニメ『BEASTARS』第2期 原作者・板垣巴留さんインタビュー|第1期放送中の原稿にアニメから“逆輸入”!?

2019年12月にアニメ第1期が放送され、第2期が2021年1月5日(火)よりNetflixで配信、翌1月6日(水)からフジテレビ「+Ultra」ほかで放送となる『BEASTARS』第2期。

「マンガ大賞2018」第1位にはじまり、主要マンガ賞4冠、数々の賞を総なめにしてきた同名漫画が原作の、差別、愛、弱さ、希望……珠玉のヒューマンドラマを描いた動物版青春群像劇です。

放送を目前に、本稿では漫画『BEASTARS』原作者の板垣巴留 先生にインタビュー! 遂に完結を迎え、コミックス最終巻の発売を間近に控える漫画についてや、アニメ・キャストの印象など、制作の裏側を伺いました。

照れくさくて直視できなかったアニメ第1話

――漫画『BEASTARS』が完結した今、改めてアニメ化されたことへの思いや、完結を迎えた感想を教えてください。

原作者・板垣巴留さん(以降、板垣):今は、完結してから1か月経ったくらいなんですけど、ようやく終わった実感と共に、作品が手離れした気持ちです。

原稿の真っ只中に制作されていたアニメ第2期が、連載が終わった後に放送されるというのは「自分は働いていないのにな」みたいな(笑)。なんだか(手を離れても)作品は生きている感じがすごくうれしくて、頑張って良かったなと思います。

 

 

――いろいろな取材で、ヒューマンドラマを描きたいと答えられていたと思いますが、描き切れたと思いますか?

板垣:最終的にレゴシとハルの関係に決着がつくんですけど、他人と本当にわかり合うことはすごく大変なことだし、でも「価値があることだよ」と、22巻かけて1組のカップルの物語をずっと描いていたんだなと。

描き切れたか自信はないですが、その誇らしさは持てました。

――TVアニメ第1期を振り返っての印象(映像や脚本など)はいかがですか?

板垣:私はほとんどアニメを見ない分、アニメ化した自分の漫画を全く想像しないまま漫画を描いていたので、(アニメの)制作側もたくさん新しいことに挑戦してくれたんだろうなと思うし、実写っぽさもありつつ、しっかりヒューマンドラマのテイストを入れてくれていて、見ていてしっくりきました。

 

 

――アニメを見て、とても原作を大切に作られているのを感じました。「しっくりきた」ということですが、例えば漫画のコマ割りなどで描かれていないシーンなども、先生がイメージしていた通りだと感じましたか?

板垣:どうなんでしょう。全くアニメ化した姿をイメージしていなかったので、本当に自由にやってくださいと伝えていて。

(画面を)2コマに分割して、キャラの表情を大事にしてくれていたり、アニメ制作側の意図通りに作っていただいたんだなと、また別の『BEASTARS』が生まれたんだという、うれしさがあります。

――アニメは、自分の手から離れた別作品というような感覚ですか?

板垣:うーん、自分の考えた言葉などを他者が言っているのが照れくさくて。

第1話、第2話あたりは直視できなかったんですけど、だんだん慣れてきたのと、アニメの面白さもあって、後半は恥ずかしさより面白さが上回って、ちゃんと見れました(笑)。

一同:(笑)。

(C)板垣巴留(秋田書店)/BEASTARS制作委員会
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