
『BEASTARS』シリーズ完結を記念し、ルイ役・小野友樹さんの公式インタビューが到着!
肉食獣と草食獣の共存する世界で、本能と向き合う若き獣たちの群像劇『BEASTARS』(板垣巴留・秋田書店「少年チャンピオン・コミックス」刊)。
同作のアニメシリーズ完結編となる『BEASTARS FINAL SEASON』Part1がNetflixで独占配信中。Part2も2026年3月7日に配信開始となり、ついにアニメ『BEASTARS』シリーズが完結を迎えました!
これを記念して、ルイ役・小野友樹さんの公式インタビューが到着しました。
<以下、公式発表の内容を引用して掲載しています>
ルイ役・小野友樹さん 公式インタビュー
――「FINAL SEASON」Part2 の配信がはじまり、ついにアニメ『BEASTARS』シリーズが完結しましたが、小野さんはどのようなお気持ちですか?
小野:まだ実感はないですね。収録自体はかなり前に終えていたので、その時点で一度、終幕を迎えている感覚があったんです。でも、作品はやはり皆さんに届いて初めて完成するものなので、ようやく今、そのタイミングが来たのかなと。
Part2 が一気に配信されるということで、ようやく最後まで観ていただけるんだなという気持ちと、これから皆さんがどんな感想を抱いてくれるのか、すごく楽しみにしています。振り返ると 7 年、オーディションの頃から考えると 8 年近く関わらせていただいてきた作品なので、いろいろな思いがありますね。
――小野さんにとって、ルイというキャラクターはどのような存在でしょうか。
小野:これまでのシリーズを通して、一番複雑で、大きな変化と成長を遂げてきたキャラクターなんじゃないかと思っています。生い立ちやコンプレックス、人間関係、置かれている環境、状況……いろんな要素が折り重なっていて、その時々でできることや選択も変わっていく。そういう意味では、激動の時間を生きてきたのがルイなのかなと。
――ある意味レゴシより激動かもしれないですね。もうひとりならぬ、“もう一匹の主人公”のような存在といいますか。
小野:根底には強いハングリー精神があって、それが彼の行動の原動力になっていると思います。最初は、見目麗しい学園のスターで、演劇部の花形で、少し高圧的な印象もあったかもしれません。でもそれは、彼なりの処世術でもあって、「自分が何者かでなければここにいられない、存在できない」という意識の表れでもあるんです。
その一方で、彼はすごく真面目で、物事にしっかり向き合う強さやストイックさも持っている。だからこそ、あの環境や過去を抱えながらも、擦れきってしまうことなく、悩みながらここまで来られた。ある意味、奇跡的な男だと思いますね。
――優雅に見える振る舞いも、あえてそう演じていたところがあったのかもしれません。
小野:そうですね。本来はちゃんと葛藤するし、傷つくし、時には無茶な手段も選んでしまう。頭の良さ、気高さ、美しさは完全に見かけのもの。根っこの部分には、もっと泥臭い、いわゆる雑草魂のようなものがあるんです。だからこそ演じる上で感情移入もしやすいですし、なんなら誰よりも人間臭い一匹なんじゃないでしょうか。
――小野さん自身も、やはりルイは好きなキャラクターですか。
小野:もちろんです!
――ルイはシリーズを通して大きく揺れ動いてきたキャラクターだというお話がありましたが、その変化や成長をどのように受け止めながら演じられていましたか。
小野:シシ組に関わることになったり、お見合いをさせられたり、研究所のクロエと裏で通じながらスパイまがいのことをしたり……いっちばん動いています。ある意味で、主人公然としたレゴシとはまた違ったベクトルで動き続けているキャラクターですよね。レゴシは「アイツなら大丈夫だろう」という安心感がどこかにあるんですけど、ルイの場合は「お前、大丈夫か?」と常に心配になるような、あの体型で……(笑)。体格的にも戦闘要員ではないのにどんどん踏み込んでいく。その危うさが魅力でもありますし、観ている側としては不安でしょうがない。
――かなり踏み込んではいきますよね。
小野:しかも足を失って、義足で動いていたりもしますからね。ちょっとした怪我が致命傷になりかねない状況でも前に出ていく。武闘派な動物たちが多い中で、彼は頭脳で立ち回るタイプのキャラクターではあるんですが……理性的に見えて、実はかなり“ぶっ飛んでいる”キャラクターだと思います。しかも、その行動の原理は、最終的には世の中のためじゃなくて、究極的にレゴシのため。大義名分とかどうでもいいと、自分で気づいていくんですよね。第 1 期から「ほだされているな」と。感情が見えるところが良いなと。
――演じるうえで難しさを感じた部分はありましたか。
小野:難しさで言うと、「内面と表に出ているもののズレ」をどう表現するかですね。そこまで多くはないんですけど、たとえば内心ではかなり焦っているのに、表面上は冷静に振る舞っているように描かれている場面もあって。そのときに、どこまで声に内面を滲ませるか、どこまで抑えるかというバランスは考えたところでした。ただ、基本的にはわかりやすいキャラクターなので、理解自体はしやすかったです。
――今回の「FINAL SEASON」では原作との違いもあって。
小野:かなり大きく違う部分もあって、特にルイに関してはオリジナルの展開がしっかり入っている印象でした。原作ではクロエもいなかったので「ここにこういうオリジナル展開が入るんだ!」というのが率直な印象でした。原作を読ませていただいたときは、ここまでルイの動きが前面に出てくる印象ではなかったんですが、今回は裏での動きも含めて、彼の役割がより明確になっている。断片的ではなく、断続的に「こういう動きをしているんだ」という流れがしっかり描かれているので、役者としても掴みやすかったですね。ただ、肝が冷える場面も多かったですが(笑)。
――アニメ『BEASTARS』シリーズのアフレコは、お互いの目を見ながら収録するスタイルだと伺いました。アニメ『BEASTARS』のこれまでの収録を振り返って、特に印象に残っていることはありますか?
小野:第 1 期の終盤で、ルイが「レゴシ、俺を噛め!」と自分の足を差し出すシーンがあるんですけど、あのときは実際にマイク前で横になって、ちかくん(レゴシ役・小林親弘)に向けて、足を出しながら演じていました。で、靴下を取って……。実は、原作の設定にちなんで足の裏に「4」とマジックで書いていたんですよ。
――えっ! 小野さん自身が書かれたんですか?
小野:はい。原作で「4 番」として売られていたことが印象的だったので、それを書いていて。実際にちかくんに見せたら、リアルな狼狽を引き出すことができました(笑)。それはテストの段階ではあったんですけど、自分の中でもかなり生々しい感覚で臨めたので手応えがありましたね。実際にどう使われているかは分からないんですが、印象に残っているシーンです。
――他の作品の収録ではないことですよね。
小野:もちろんないですね。この環境だったからこそ。しかも、動揺を引き出さないといけないシーンだったので、ひとサプライズ入れてみようかと。
――当時は取っ組み合いもかなりされていたんですか。
小野:やっていましたね。布団のようなものを敷いてもらって、上・下になって(笑)。通常のアフレコだとマイクの仕様上、不可能ですよね。『BEASTARS』ではガンマイクを使用していて、エンジニアさんがその都度マイクの位置を調整してくださっていたんです。ガンマイクの場合は一直線だけを拾うので、どこかのマイク前でノイズが立ってしまった場合も、もう一方にセリフに影響がなければ「こっちは活かせる」などとやっていて。でもその場でただ取っ組み合いをしてしまうとノイズが立ってしまうのでダメなんですよね。だから上品で取っ組み合いをしつつ(笑)。
――そうした取り組みは、演技にも影響がありましたか。
小野:そういうやり方が合うかどうかは役者によって違うと思います。我々はマイクの前で棒立ちをした状態で声に感情を乗せるプロなので、動くと分散する人もいるんです。僕自身も分散してしまうタイプではあったのですが、「やってみよう」と。ブレを含めて声に乗せたいなと。特に『BEASTARS』は 3DCG でキャラクターが描かれているので、常に“ブレ”があるんです。微細に動き続けている。普段のアニメーションであればマイク前で言葉を言ったほうが通じるかもしれないけど、それであれば、多少動きながらのほうが伝わるものがあるんじゃないかなって。だからあえて、身体のブレや呼吸の揺れも含めて存在していい、という解釈でやっていました。あくまで僕なりの解釈ではあるんですけども。
――2D の収録とは違ったものになるんですね。
小野:意識が、という感じですけどね。やることは大きくは変わっていません。難しいのは、通常のアフレコだと、台本を見ながら映像に合わせてタイミングを取っていくのが基本ですが、今回のように相手の方を見ながら芝居をすると、画面を見ることができなくなってしまうんですよね。「じゃあ、どうする?」という。その問題があるので、「マイク前で集中して演じたい」という人もいれば、「相手と向き合ったほうがやりやすい」という人も、「マイクまでは移動させないです」という人もいて。そこは強制ではなく、それぞれのやり方が尊重されていたので、かなり自由度の高い現場でした。ただ、片方は(動くのが)得意で、もう片方は苦手、といった組み合わせの掛け合いになると、やっぱり難しさも出てくる。そういった試行錯誤も含めて、かなり挑戦的な収録だったと思います。
――今回の Part2 の収録はいかがでしたか。
小野:皆さんがどうだったのかは分からないのですが……。第 1 期の頃は、かなり身体を使ったり、ぶつかり合ったりと“組んずほぐれつ”のような収録も多かったんですが、ルイの場合、Part2 はそこまで激しいやり取りは少なかった印象です。もちろんマイク前での動きはありますが、ルイの身の置き方としても“前に出ていく”というより、バックアップのような立ち位置に転じた感覚がありました。それが今回の動きにも表れているのかなと感じましたね。
――レゴシとの関係性にも変化が見られますよね。裏で動いていたレゴシ、表立って行動していたルイと立場が逆転してくるというか……。
小野:そこも面白いですよね。ふたりの関係は、ある意味で“陰と陽”のようなバランスだと思っていて。肉食獣と草食獣という対比も含めて、役割が対照的に描かれている部分がある。物語の流れとしても、「ルイが動いたあとにレゴシがどうするか」という関係性が見える瞬間もあって、そういった構造的なことも意識していらっしゃるのかなと思いました。ただ、それはあくまで受け手としての感覚です。一読者としては板垣先生の想いを過度に推測するのは無粋だと思うので、素直に受け止めるのみです。
――エンディングを飾る SEVENTEEN の「Tiny Light」について、楽曲や映像を含めてどのような印象を持たれましたか。
小野:まずエンディングの映像についてお話すると、最初は「ルイはどこに出てくるんだろう」と思っていたんですが、わりと冒頭、A メロあたりの爽やかなくだりに出てきて。そしたらその後、サビでレゴシが走っていくシーンでもう一度背中を押して指を指す描写があって、そこからハルのもとへ向かっていく。この作品の関係性を短い時間の中で凝縮して表現しているように感じました。
――歌詞の印象もお聞かせください。
小野:グッときましたね。〈If we fall into different worlds〉、たとえ違う世界に落ちたとしても、〈Even if we're lost and wander around, oh, I'll find you for sure〉、必ず見つけ出す、というフレーズに、レゴシとハルの関係性が重なって見えて。肉食獣と草食獣という異なる立場の中で、互いに翻弄されながらも、それでも絶対に見つけ出すという強い意志が感じられて、とても印象に残りました。それと、サビの〈shower〉と〈flower〉の韻の踏み方も印象的で、メロディーとしてもすごく好きだなと感じました。
フル尺で聴いたとき、落ちサビ前の間奏では、大空の下、大草原のような場所でレゴシとハルが手をつなぎながらぐるぐる回るような、穏やかなイメージが来るのかなと思っていたんです。でも実際には、どこか勇ましさを感じる展開になっていて。そのギャップの中に、肉食獣と草食獣の共存は可能なのかという、この作品が問い続けてきた究極のテーマへの“挑み”や“闘い”のようなものが込められている気がしたんですよね。一度しっかり抜けていくような展開にもできるはずなのに、あえてそうしきらない。その“上がりきらなさ”に、違和感というよりも意図的な引っかかりを感じていて。作品のテーマと重ねて考えると、すごく意味のある表現だなと感じました。
――明るくポップなだけではないという。今のお話を聞いて、再度聴き直したくなりました。
小野:それだけではないものを感じています。歌詞はもちろん前向きな内容が描かれているんですけど、伴奏や展開の中に、どこか緊張感というか、“まだ終わりきっていないもの”の気配があるように思えて。きっと、WOOZI さんもそういうことを考えられて作られたんじゃないかなと思いました。
――キャッチコピーの「それでも、2 匹なら。」については、どのように捉えられましたか。
小野:「それでも、2 匹なら。」……どの 2 匹か。気になるところではあるんですけど、正直なところ、捉えなくていいのかなと思いました。作品を観て、その中でそれぞれが感じ取ればいいものなのかなと思っています。
――作品を観ることで、それぞれに受け取るものがあると思います。さまざまなお話を伺ってきましたが、アフレコにしかり、現場全体が攻めていたんだなと改めて感じます。
小野:そうですね。ただ、そのすべてがそのまま音に乗って伝わるわけではないですし、「これだけやりました」ということを押し付けたいわけでもないんです。最終的にどう受け取るかは、観てくださる皆さんに委ねたいなと思っています。
ライター:逆井マリ
インタビュー内でも触れていただいた『BEASTARS FINAL SEASON』Part2の D主題歌・SEVENTEEN「Tiny Light」は各音楽プラットフォームで好評配信中!!
■配信はこちら
『BEASTARS FINAL SEASON』作品情報
あらすじ
キャスト
(C)板垣巴留(秋田書店)/東宝



























