待望の男の子役で芽生えた女の子を守りたくなる“男の感情”。冬アニメ『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』ルディ役・内山夕実さん 声優インタビュー│前世の男役・杉田智和さんを意識した演技とは?
「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」の先駆者的な存在である“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』が待望のTVアニメ化。少年ルーデウスとして異世界で生まれ変わり、「今度こそ本気で生きていく」と決意した男が繰り広げる壮大な冒険が2021年1月より開幕する。
待望のアニメ化であることはもちろん、ハイクオリティな映像で、放送前からすでに話題となっている本作。それもそのはず、スタッフには岡本学監督を筆頭に超強力な名前が並んでおり、まさにタイトル通り、本気を出しまくっているのだ。
そんな作品に声を当てているキャスト陣にインタビューを敢行。今回はルディ(ルーデウス・グレイラット)を演じる内山夕実さんに、演じる上で心がけていることなどを語ってもらった。
待望の男の子役!前世の男役・杉田智和さんを意識した演技
ーー原作、台本でこの作品に触れたときの印象を教えてください。
内山夕実さん(以下、内山):異世界モノのパイオニアと言われている作品なんですけど、それまで転生モノって、転生した主人公が、何か特殊な能力に目覚めるというイメージがあったんです。
でも、『無職転生』は異世界に転生はするけど、特別な力はなく、イチから人生をやり直していって、前世の後悔を受けて本気になっていくというストーリーだったので、ただのファンタジー系の物語ではなくて、リアルな描写がたくさんある作品なんだなという印象でした。
ーー確かに、前世の声がモノローグで頻繁に出てくるというのは、最近は少ないかもしれないですね。
内山:ストーリーを動かしているのは主人公のルディなんですけど、前世の自分と、人と話しているオンのルディがいるっていう、2種類の自分がいる感じがまた不思議な感じでした。
ーー今回の役は、オーディションだったのでしょうか?
内山:何役かテープオーディションで受けさせていただいた中で、ルディでスタジオに呼んでいただきました。
ーールディで呼ばれたというのは意外でしたか?
内山:自分がどの役をやりたいとかは、あまりないんですけど、主人公をあまり演じてきていなかったので、主人公を演じている自分がイマイチ想像できなかったんですよ。座長がいて、その側にいるようなポジションが多かったので。だから、「この感覚は!」っていう感じで新鮮でした。
ただ、男の子をやることには憧れがあって。もちろん他でもやらせていただいていますけど、年齢的な意味でも精神的な意味でも、成長する男の子を演じさせていただく機会はなかなかないことなので、それは新しい挑戦だなと思いました。
ーー男性を演じられること自体が、声優ならではですね。
内山:今は男性の役者さんでも、幼い頃の声をやったりするので、こういう機会に恵まれたことはありがたいなと思います。
ーーそんな成長していくルディを演じるときに心がけたことというと、どんなことですか?
内山:やはり年齢感です。話数を追っていくごとに年齢的にも精神的にも成長していくので、そこは分かりやすく、声色でも成長したことが分かるようにしてほしいと最初にオーダーとしていただいていたので、ある意味で逆算をして、自分の表現できる範囲内で分かりやすく演じ分けられるように、というのは意識しました。
ーーそれもかなり大変そうです。
内山:スタートが赤ちゃんでしたから(笑)。そういうこともなかなかないので、すごくチャレンジでした。
ーーでも、そこでお母さんに抱かれて喜んでいるルディのモノローグを、前世の男役の杉田智和さんが担当しているということですよね?
内山:そうです! 抑え切れていない部分が表情に出ちゃっているシーンもあるので、そこは赤ちゃんながらに、やばい奴だぞ!っていう感じがすると思います(笑)。
だから、杉田さんのモノローグに合う、私の声色っていうのも考えなければいけなかったんです。私からすれば、杉田さんありきだし、すべては前世から始まっていますから、そこにテンション感や気持ちを合わせていかなきゃというのは意識しました。
赤ちゃんのシーンでも、これはやばいぞ!っていうくらいのものを出すようにしていましたし、それこそリテイクで、赤ちゃんの泣き声なのに「もっと気持ち悪く」という指示があったりしたので(笑)、そういうひと泣きまで、注目して見ていただけたらと思いますね。