東山奈央さん、声優活動10周年ライブ「Special Thanks!フェスティバル」、想像を超えるサプライズでファンを魅了したライブ詳細レポート
声優・歌手の東山奈央さんが、声優活動10周年を記念したアニバーサリーライブ「Special Thanks!フェスティバル」を開催した。本稿では12月5日(土)と6日(日)の二日間、東京ガーデンシアター(有明)にて行われたライブの様子をレポートする。
「Special Thanks!フェスティバル」は、2020年8月に発売されたアルバム「Special Tanks!」の収録曲を中心に構成されたライブとなっており、このアルバムには、これまで東山さんが歌ってきた300曲以上のキャラクターソングから本人自らがセレクトした楽曲が収録されており、声優活動10年の軌跡を詰め込んだ文字通り“スペシャル”なアルバムだ。
東山さんは2017年に歌手活動を始動させてから、「Rainbow」(2018年2月3日)、「LIVE Infinity」(2019年8月12日~9月22日)とライブを重ねてきた。どちらも東山奈央ソロ名義の楽曲が中心となるライブだったので、本人が演じてきたキャラクターや作品にフォーカスを当てたキャラクターソングライブは初となる試み。
また、今回のライブは会場収容人数の制限、及びソーシャルディスタンスを確保した上で感染拡大防止に努めての開催となったため、合わせてオンラインライブ配信を行い、会場に足を運べないファンも楽しめるイベントとして企画されたのが特徴だった。
トウヤマ 冬のキャラまつり! 人気キャラクターがステージに続々登場
生バンド演奏で行われたアニバーサリーライブ「Special Thanks!フェスティバル」は、東山奈央さんのサービス精神と、表現・企画力が存分に発揮された素晴らしいライブだった。
披露された曲は、すべてキャラソンと作品のテーマソング(カバー含む)。当然、東山さんはキャラクターボイスで歌うため、ステージ上に次々と人気キャラが飛び出してくるような雰囲気の贅沢なライブだ。
油断してライブを楽しんでいると忘れがちだが、幼い少女の声も、クールで大人びた女性の声も、歌っているのは東山奈央さんただひとり。コロコロと声色を変えながら歌い続ける様は職人芸。
ライブの流れは、数曲披露するたびに短いMCが入り、曲の解説や当時の想い出、キャラクターと作品に対する愛が語られた。この進行は普段の東山さんのライブに比べると、MCが多めな気がする――と筆者は感じた。
しかし、これには理由があった。今回のライブは発声と立席が禁止されていたため、観客は手拍子で応援するしかない。頻繁に挟み込まれた短いMCは、ファンの手を休める意味も込めているのだろう。
実際に途中のトークで「手を叩かなくても大丈夫、声援は届いているから」と客席をいたわるシーンもあった。いつもファンを気遣う東山さんならではの優しさが伝わってくる。
また、ライブ配信視聴者への配慮も忘れていない。MC中は時折コメントを拾ったり、ライブカメラを意識したパフォーマンスを行ったり、作り込まれた映像を映したり、モニターの前で視聴しているファンにも嬉しい演出が多く含まれていた。
声優活動10周年を記念した今回だけの特別なライブが始まった
いざライブが始まると、まずは挨拶代わりの一曲目。生バンドの迫力の演奏と共に、巨大なスクリーンに『艦隊これくしょん-艦これ-』の金剛、比叡、榛名、霧島のシルエットが映し出された。
まず披露されたのは、「進め!金剛型四姉妹」だ。四姉妹の声を器用に使い分けながら歌う東山さんは元気いっぱい。ひょっとすると、ファンよりも本人が楽しみにしていたのではないかと思えるほどだ。
「全砲門Burning Love!!」の歌詞に合わせて、ステージ上には四色の火柱が上がり、一曲目から場内の熱気はぐんぐん上がっていった。
続けて披露したのは『きんいろモザイク』から、九条カレンのキャラクターソング「わたしいろダリア」。明るくかわいい声で歌う姿は、九条カレンそのものだった。
初日序盤からテンションが上がりっぱなっしな楽曲群!
短いMCを経て3曲目は、かつて放送されていたラジオ『東山奈央のドリーム*シアター』から、リスナーと一緒に作った曲「Secret Cafe」。ここではバックダンサーが登場し、ステージ上にラジオ収録のようなセットが登場。
番組から生まれたキャラクターから届いた応援メッセージを読み上げる演出に、当時のラジオを思い出したファンもいたはずだ。
4曲目はイントロが流れた瞬間、場内は緑のペンライトでいっぱいになった。『マクロスΔ』の「Silent Hacker」は、レイナ・プラウラーらしいスタイリッシュなステージパフォーマンス。
さらに5曲目は、テンポの速いドラムが心地よい「Respect?<LOVE!!」(『はたらく魔王さま!』)を熱唱。スクリーンにはアニメの映像だけでなく、手拍子を誘う映像も映った。
M・A・O・Uの掛け声と手拍子のアニメーションに合わせ、場内の全員で手を叩く。ファンの心がひとつになったようで、実に楽しいライブだ。
立て続けに盛り上がる曲を披露し、再びミニトーク。歓声を出せない客席を見渡しながら「私にはウォォォォ~というみんなの声が脳内に響いてる!」と笑いを誘うコメントで場内を笑顔にさせる。