東山奈央さん、声優活動10周年ライブ「Special Thanks!フェスティバル」、想像を超えるサプライズでファンを魅了したライブ詳細レポート
無歓声ライブでも激しいダンスコーナーは健在
MCも早々に切り上げ、6曲目は『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の「とうめいな、みずうみ」。美しい歌声でファンの心を落ち着かせたと思ったら、次は場内にビートの効いたEDMが爆音で流れる。
ここからは東山さんのライブで恒例となっている、ダンスパフォーマンス。4人のダンサーが次々と現れ、キレのあるステージでライブを盛り上げた。
そしてこのまま、流れるように7曲目に突入する。
「Expose」(『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』)は、パフォーマンスの最中にカメラが東山さんの周りをぐるりと回る演出。ライブ配信を見ている視聴者にも特別な映像を、と本人の案から生まれたカメラワークの映像はユニークだった。
8曲目は『トリニティセブン』から「ReSTART“THE WORLD”(Logos Art Form in Dark)」。どこから体力が湧いてくるのか不思議なくらい、激しいダンス楽曲が続いていく。
さらに勢いを加速させるように、9曲目はBPM300超えのハイスピードソング「ニセモノ注意報」(『終焉の栞プロジェクト』)。このステージで特筆すべきは、東山さんのドッペルゲンガー。
ステージ上には東山さんただひとりしかいないのだが、スクリーンには東山さんのドッペルゲンガーが映っていた。肉眼では見えない東山さんがステージに現れる不思議な演出でファンを楽しませた。
10曲目は急ブレーキをかけ、『まおゆう魔法勇者』のスローテンポな曲「にんげんのうた」。美しい風景をバックに、東山さんのしっとりとした歌声が場内に響いた。
流れるような4曲を終え、久しぶりにMCが入った。東山さんは楽曲をレコーディングした当時の想い出を語りながら、「数年前の収録が昨日のことのよう」と感慨深くコメントした。
『俺ガイル』と『たまゆら』の名曲をカバー
11曲目は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』の「エブリデイワールド-Ballade Arrange-Yui Solo Ver.」。東山さんが長きに渡って担当している作品のためか、曲が紹介されると場内には大きな拍手が起こった。ピアノの美しい音色と東山さんの歌声は心が洗われる。
このステージで印象的だったのは、客席のペンライトがほとんど点灯しなかったところ。おそらく多くのファンは東山さんの歌声が持つパワーに圧倒され、ペンライトを振るのも忘れて聞き入っていたのだろう。
次は『俺ガイル続』つながりで、やなぎなぎさんの楽曲「春擬き」をカバー。このようなステージが見られるのも、今回のスペシャルライブならでは。
MCをはさんで13曲目も、劇場版アニメ『たまゆら~卒業写真~』の主題歌「これから」(坂本真綾さん)をカバー。作品の舞台となった広島県竹原市の美しい写真を背景に歌唱すると、場内は優しく温かい空気でいっぱいになった。