東山奈央さん、声優活動10周年ライブ「Special Thanks!フェスティバル」、想像を超えるサプライズでファンを魅了したライブ詳細レポート
今回だけのスペシャルカバーやファン参加型企画が次々と!
カバーコーナーが終わった後のMCでは、「バラードが続いたから落ち着いちゃった? 着席だからといって休憩じゃないからね!(笑)」と笑顔いっぱいで観客を沸かせる。
トーク中にはライブ配信視聴者からのコメントを拾いつつ、ファンとのひとときを楽しむ。声を出せるイベントで毎回行ってきた客席とのやり取り「お水美味しい?」を手拍子だけで表現しようと提案した際には、全観客で「タタタタンタン」と手を叩いた。
MCが終わると、東山さんはダンサーをステージに呼び込み「ここからは終盤戦、盛り上がって行きますよ!」と号令をかける。なにが始まるのか期待が膨らむ。
14曲目に披露したのはゲーム『GRANBLUE FANTASY』から「キミとボクのミライ~Lyria Ver.~」だ。
こんなにノリのよい曲を着席したまま聴かなければならないのは苦痛以外のナニモノでもないが、こういったことも数年後にはこの日だけの特別な想い出になっていることを願っている。
15曲目はステージに日光のような明るい照明が灯され、テントやキャンピングチェアが運ばれてきた。軽快なギターと共に披露されたのは『ゆるキャン△』のオープニングテーマ、亜咲花さんの「SHINY DAYS」のカバー。
ダンサーたちとキャンプをしている様子を自撮りする映像がスクリーンに映し出されたり、みんなで一緒にマシュマロを焼いたり、作品の世界観を見事に表現した。
MCで東山さんが「盛り上がって行く」と言ってた通り、キラーチューンはまだまだ続く。16曲目の『きんいろモザイク』オープニングテーマ「Jumping!!」、17曲目は『マクロスΔ』の「一度だけの恋なら ~Reina Solo~」。東山作品でお馴染みの2曲をソロバージョンで披露した。
続くMCでは、『きんいろモザイク』のユニットRhodanthe*と、『マクロスΔ』のワルキューレへの想いが語られた。
両作品ともに、劇場版の制作が決定していることから、「みなさんが思っている以上に、応援の力は大きいんです」とコメント。日頃から作品を愛してくれるファンに感謝の言葉をおくると、場内から大きな拍手が起こった。
本編最後の18曲目に披露したのは、『異国迷路のクロワーゼ The Animation』の「ここからはじまる物語」。東山さんが、このキャラクター「湯音」に出会ったのは約10年前。
東山さんは、「つまづいたときは、いまでも湯音だったらどうするかな? と考える」と語っていた。湯音について言葉を選びながら丁寧に語る様子を見ると、自身がどれだけキャラクターと真剣に向き合ってきたか、作品を愛してきたかがわかる。
この曲のステージは、観客が声を出せない現状を逆手に取った心温まる企画が用意されていた。それは、ファンがコーラスに参加できる企画だ。簡潔に説明すると、ファンが事前に撮影・録音した歌と一緒に、東山さんが歌うというもの。
曲中のそのシーンに差し掛かると、会場の大きなスクリーンには大勢のファンの動画がコーラス隊として映し出された。開演からいままで東山さんの声しか聞こえなかった会場に、初めてファンの声が聞こえてきたときは誰もが感動しただろう。SNSで行われた募集企画は大成功だった。
曲が終わると、東山さんは湯音の声で、「みなさん、本当に、本当に、ありがとうございました」と感謝を述べてステージを後にした。
アンコール1曲目から特大のサプライズ
アンコールでは、ライブTシャツに着替えた東山さんが登場。そして「アンコールありがとう」と語るが、東山さんにしては珍しくクールでツンツンした声だった。ファンのみんなは「このボイスはどのキャラだ!?」と予測したはずだ。
威勢よくドラムが鳴って演奏が始まると、東山さんは「改めましてみなさん! ズドラーストヴィチェ!」(ロシア語:こんにちは)とキャラを演じた。
アンコール1曲目は、東山自身がジーナ・ボイド役として出演している『ダンベル何キロ持てる?』の主題歌「お願いマッスル」だった。
「ここからは筋肉体操の時間よ~!」とマッチョなポーズをキメる東山さんに続き、ダンサーも同じくマッチョポーズ。予想外の展開に、場内のファンは笑いをこらえるのに必至だったようだ。
サプライズ楽曲を披露し、したり顔の東山さん。スペシャルライブにふさわしいアンコールをスタートさせた。しかし、サプライズはこれで終わらない。
アンコール2曲目は『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』のエンディングテーマ「不可思議のカルテ」だった。
そして3曲目は「風にまかせて」(『異国迷路のクロワーゼ The Animation』)。笑いと感動が交差する、見どころたっぷりのアンコールが過ぎていった。
いよいよ本日ラストの曲。アンコール4曲目は「私の原点で、黄色いリボンが似合う女の子」と紹介。黄色いリボンの女の子とは、もちろん『神のみぞ知るセカイ』の中川かのんだ。東山さんは当時を振り返り、「彼女との出会いは語り尽くせない。
まだ新人だった私にとって、完璧なアイドルだった彼女は憧れだった」と語る。中川かのんに少しでも近づけるように背伸びして頑張ってきたことは、いまの自分にも繋がっているとのこと。当時から東山さんを応援しているファンは、目頭が熱くなっただろう。
「東京ガーデンシアター制圧! いっくよー!」と声をあげ「ハッピークレセント」を歌唱。この曲はファンの掛け声と共に盛り上がる曲だが、今回は発声禁止。おそらく、コールが入らない最初で最後の「ハッピークレセント」だろう。
これはこれで貴重なライブ。今年しか聴けないステージとして語り継がれそうだ。
全行程を終えた東山さんは、客席を見渡しながら感謝の気持ちを伝えた。ステージを左右に移動し、手を振ったりファンが自作してきたうちわに感動していた。
そして最後に、「少しでも作品やキャラクターの素晴らしい世界が伝わっていたら嬉しいです。ぜひ作品たちを見てください」と語り、3時間弱の記念ライブ「Special Thanks!フェスティバル」1日目は大成功で終演した。