『EDENS ZERO』アニメ化記念 原作者・真島ヒロ先生インタビュー|数々の人気作品を生み出し続ける真島先生の“こだわり” は? さらに『EDENS ZERO』の最終的なテーマとは!?
真島先生の作品に共通する「仲間」、「家族」というテーマ。『EDENS ZERO』の最終的なテーマとは!?
――作品全体を通しての場合はどういったことを意識したり、伝えようと心掛けていますか?
真島:僕の漫画に共通しているテーマは「仲間」とか「家族」とかですね。僕はリアルでは友達が少ないので、漫画の中ではいっぱい友達を作って、いい友達に恵まれたいなあ、と思っています(笑)。
――前2作に続き、『EDENS ZERO』も「仲間」や「家族」というテーマはとても伝わってきました。ただ、これらは広い意味でとらえることができる大きなテーマでもあります。真島先生はどういったところを特に意識したり、軸にして描かれているのでしょうか?
真島:「仲間」はやっぱり、僕の実際の友達関係、学生時代の楽しかった交友関係やエピソードを基にしている部分もありますし、逆に自分ができなかった交友関係や「こういう友達がいたらよかったなあ」というような妄想を基にしたものもありますね。
「家族」に関しては、自分の家族というよりかは、マフィア映画や任侠映画のようなイメージで描いていますね。
――「仲間」はご自身の経験寄り、「家族」はフィクション寄り、といった感じなんですね。
真島:そうですね。決して自分の家族愛がない、ということではないんですけど(笑)。
一同:(笑)
真島:どちらかというと、家族をあまり知らないと言ったほうがいいのかな。小さいころから父親がおらず、母親と妹だけだったので女系家族だったんですよね。なので、あまり家族の思い出がないし、「家族」というものをよく分かっていないのでフィクションに頼る、といった感じですね。
――マフィア映画や任侠映画のどんなところに惹かれていったのでしょうか?
真島:任侠映画という言い方はちょっと分かり辛かったかもしれませんね。『ゴッドファーザー』などのイメージが強いです。杯を交わす、契りや大切な絆を結んでいる姿を見て、すごいなと思ったのがきっかけだったりします。
――確かに、仲間であり家族である、血のつながりだけが家族じゃない、というような描写がたくさん描かれていますね。
真島:特に友人関係って、学生時代あんなに仲よかったのに、大人になったら会わなくなっちゃったりすることってあるじゃないですか。もっと続いていればよかったのにな、という願望とかが漫画に出ているのかもしれないですね。
――願望というものは根幹というか、作品のいろいろなところに表れるものなんですね。
真島:そうですね。やっぱり願望は大きいかな。自分の願望を描くことは多いですね。ヒロインとかも自分の理想像だったりしますし、出てくる女性キャラもだいたい自分の好きな女性像がどこかしらに反映されているような気がします。男の子もそうで「こんな友達いたらいいな、こんな感じの先輩いたらいいな」といったものが反映されていますね。
――今までで一番自分の願望が色濃く出たな、というキャラクターは誰なんでしょうか?
真島:付き合いが長いのでルーシィになるのかなあ。
――見た目も中身も含め?
真島:そうですね。もうちょっとやればレベッカになったりもするのかもしれないですけど。もちろんエリーも好きですし。その当時の自分の流行りやブーム、普遍的な自分の理想の女性像が反映されている部分もあります。
――普遍的に好きな部分はどんなところでしょうか?
真島:優しさですかね。あと、ちょっと天然みたいなところかな。
――確かに、真島先生の描くほとんどのキャラクターには優しいところがありますよね。仮に冷徹な部分があったとしてもどこかに情は残っていたり。
真島:そうですね。ルーシィもツッコミが目立つキャラではありますけど、根はすごく優しい子なので。
――「仲間」や「家族」といったテーマは過去作に引き続き描かれていますが、『EDENS ZERO』で新たに伝えたいテーマはほかにあったりするんでしょうか?
真島:今のところは『FAIRY TAIL』から引き続き、友情であったり、家族であったり、バトルを描いているわけですけど、もしかしたら最終的にはちょっとテーマが変わってくるかもしれませんね。ここではまだ言えないんですけど(笑)。
――ますます続きが気になりますね! テーマが決まるタイミングは作品によって決まっていたりするのでしょうか? あるいは最初からしっかりと決めていたり?
真島:今作でいえば「“マザー”の謎が明かされたあたりには、もしかしたらテーマが変わるかもしれない」くらいのものですね。「そうしよう」と思って作っているわけではないので、まだ実際どうなるかは分からないです。
――『RAVE』や『FAIRY TAIL』のときも同様に、最初からガッチリと決めていたわけではないのでしょうか?
真島:そうですね。ただ、「友情」というテーマは常に持ってはいましたね。
TVアニメ『EDENS ZERO』はとにかくアニメに映えるシーンが目白押しの作品!
――最後に、漫画、およびアニメ『EDENS ZERO』を楽しみにしているファンの方に向けてメッセージをお願いします。
真島:僕自身、アニメを非常に楽しみにしています。『EDENS ZERO』はすごくアニメ映えする作品だと思っていて、アクションシーンや宇宙船など、とにかくアニメに映えるシーンが目白押しの作品なので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
そして、アニメで知った方は、これを機に漫画のほうもぜひ読んでいただければと思います。よろしくお願いします!
――さらに家庭用とモバイル向け、ふたつのゲームが開発されるということで、そちらを楽しみにしている方にもメッセージをお願いします。
真島:現在、制作の真っ最中です。僕自身、ゲーム好きということもあり、楽しんで監修しています。特にキャラクターモデルとたくさん用意された衣装に注目して楽しみにしていただければと思います。
――ありがとうございました!
【取材・文・撮影/太田友基】
TVアニメ『EDENS ZERO (エデンズゼロ)』作品情報
2021年4月10日より日本テレビほかにて毎週土曜24時55分から放送予定!
(放送日時は予告なく変更になる可能性がございます)
スタッフ
総監督:石平信司
監督:鈴木勇士
シリーズ構成・脚本:広田光毅
キャラクターデザイン:迫由里香
音響監督:はたしょうニ
音響制作:マジックカプセル
音楽制作:日本テレビ音楽
制作:J.C.STAFF
キャスト
シキ・グランベル:寺島拓篤
レベッカ・ブルーガーデン:小松未可子
ハッピー:釘宮理恵
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