『半妖の夜叉姫』“作品愛”を語りつくす! 半妖の姫たちを演じる松本沙羅さん、小松未可子さん、田所あずささんインタビュー!
戦いの最中の“説明”に 犬夜叉を感じてグッとくる!?
――ご自身が演じていて印象的だったシーン、難しかったシーンを教えていただければと思います。
松本:第14話ですね。とわとせつなが小さいときにどうして山火事に巻き込まれたのか分かる物語だったんですが……。敵が出てきたにも関わらず、敵にも同情してしまうんです。
小松:ああ~情熱的だったよね!
松本:そうなんです! 森を焼いた焔というキャラクターが自ら命を絶つシーンがあって、収録中ジーンときてしまいました。
とわが目の前に起こってることに対して動けなくなってしまったときに、せつなに「しっかりしろ!」と呼び戻された感覚が今でも忘れられないくらい、切なくて儚くて美しくて。
でも、はらわたが煮えくり返るような、耐えがたい事実はあるので……。
そのエピソードで犯人が見つかったと思いきや、実はその裏にも人がいて、近いところには父親もいて……ってシーンもあって。私たちも情報をまったく知らされてないので、素直に「何してたんだろう、お父さん!」って。
一同:(笑)。
田所:私が『犬夜叉』ならではだなと思ったのが、ビックリしながら、危機的状況でありながら、技を打ちながら……というあらゆるシーンでも、きちんと説明するっていう(笑)。
松本:もろはは特にそうかも!
小松:確かにもろはは説明が多い(笑)。
田所:「先輩たちがやられてたものだ!」と。敵が技について説明してくれたりとか(笑)。
とは言え、説明はしつつも戦闘シーンの勢いだったり、驚きだったりは残さないといけなくて。技術面で大変ではありましたが、「先輩たちがやってきたことなんだな」と思うと胸が熱くなりました。弥勒様とかめちゃくちゃ言ってましたから(笑)。
小松:うんうん、明確に説明をね(笑)。私の場合は……半妖である以上、絶対このエピソードあるよね! って期待していたのが、とわの髪の色が変わる「朔の夜、黒髪のとわ」(第12話)のエピソードと、弥勒様とせつなとのエピソードです。
せつなはちょっと忘れてたけど「ああ、そういうことがあったな」と思いだして。殺生丸譲りの血がたぎって自分で抑え込めず、実は封印していたのが弥勒だったってことに私としては驚きました。『犬夜叉』のときにもあった朔の日と、妖怪化してしまうエピソードは絶対にあるよなと思っていたので、楽しみにしていました。
弥勒様と息子の翡翠(ひすい)との関係性も良いなって。「やるじゃん父ちゃん! ただただ山に引きこもって修行してるだけの父じゃないんだぞ!」って感じで惚れ直しました。
犬夜叉と殺生丸たちの存在っていうのが病みつきになる
――話が少し変わってしまうのですが、皆さんが個人的に影響を受けられたキャラクターはいるのでしょうか? 田所さんは、『犬夜叉』で琥珀を演じた矢島晶子さんの演技を見て声優を目指したと公言されていますが。
田所:はい。だから、影響を受けたキャラクターというと、やはり琥珀くんですね。それまでアニメを見ていても中の人を意識したことはなかったんです。
でも『犬夜叉』という作品に触れてからお芝居のすごさに感銘を受けました。特に矢島さんの声は……日常会話ひとつとっても、どんな生活をして今に至るのかがにじみ出ていて。声優というお仕事を意識したキッカケとなったので、いちばん影響を受けたのは琥珀くんかなって。
小松:影響を受けたキャラクターだと、私はかごめですね。当時『犬夜叉』を見ていた年齢的にいちばん近くて、ヒロインで……かごめ目線で物語を追っていたこともあって、かごめみたいな女の子になりたい! って思っていました。
少し気が強くて、でも前向きで、ちゃんと人と向き合えて。かごめは特別な力を持っていますがそれを除いても、かごめ自身はすごく強い女の子で。こういう強い女の子になりたいなって思いながら育ってきました。
他の女の子でいえば、珊瑚や桔梗。女性陣は結構影響を受けている気がします。
松本:私は『夜叉姫』の理玖というキャラクターがミステリアスで、演じるうえですごく気になっているんです。正体が未だに明かされていないこともあるんですが……『犬夜叉』のときって、正義に見せたいキャラクター、悪に見せたいキャラクターがハッキリしていて、かたや、反対の見方をすると「こっちがひとつの正義なだけなんだな」という自分なりの発見があったんです。
でも理玖は敵なのか、味方なのかもわからない。目で追ってしまうキャラクターです。視聴者のかたも翻弄されちゃうんじゃないかなって。
――今日はいろいろなお話をうかがわせていただきましたが、最後に改めて『半妖の夜叉姫』の魅力を教えていただけますか?
松本:『犬夜叉』のときもそうだったんですが、やっぱり現代と戦国時代を行き来するっていう描写が『半妖の夜叉姫』にも受け継がれていて。
作品の入り方が『犬夜叉』と同じなので『犬夜叉』を見ていたひとたちも楽しめるし、見てなかったひとにも分かりやすいのかなと思っています。それぞれの世代のひとにいろいろな楽しみ方がありますね。
気軽な気持ちで作品を楽しめるという魅力もあると思いますが、その一方で、いろいろなところでいろいろなものが絡み合っていて。考察されている方も多いと思うんです。それを自分なりに紐解いて、後々のストーリーと照らし合わせていただいても面白いだろうなと。
『夜叉姫』では誰と誰がくっつくのかって妄想でもいいので(笑)、いろいろな楽しみ方をしながら見ていただけたらいいなと思ってます。全部魅力です! って言いたいくらい魅力的な作品です(笑)。
田所:考察が楽しいってすごく分かりますね。あまり先の話は教えてもらえないので、私たちも勝手に想像しては盛り上がっているんです。それほど『犬夜叉』の世界が魅力的で愛おしいキャラクターばかりだったからこそ、その子どもたちがどんな人生を送っていたのかファンとしても気になるところです。
普通に視聴者としてみていて。悪役なのかな? って人たちもみんな美しいところも魅力的です(笑)。麒麟丸様とか、もう一瞬で好きになってしまいますね。魅力がすごくって先を見てしまうというか。謎がいっぱいあるからこそ、見逃せないし、入り込んでしまうところが『犬夜叉』から続く魅力なのかなと思います。
小松:『犬夜叉』になかったのが、“女性たちが主人公”ということで。しかも女の子とは言え、まったく女の子感のない半妖の3人で、主人公に人間がいないという(笑)。そこもよくよく考えるとおもしろい部分です。
『犬夜叉』を見ていた世代からすると、ある意味、犬夜叉たちがいない犬夜叉ワールドというのが不思議で。その娘たちが主人公となっていて、なぜ親たちと出会えていないのかっていう謎解き的な部分がストーリーの軸としてあって。
その一方で、この3人娘の愉快なかけあいが多くて、その楽しさも見どころのひとつかなと思っています。ある意味“妖怪退治の日常”というか。自分たちがこの世界で妖怪退治したらこんな感じかなって。
「今日も妖怪退治できたのにその証拠が残せなかった! 金がね~! 飯がくえね~!」って(笑)。
あの世界で生きていくには! という裏側のようなものを見られたうれしさもあります。私たちって犬夜叉のあの井戸に入ってあの時代に行きたかった世代なので、その世界に入り込めてるってことがすごくうれしいです。
また、要所要所でにおわせられる犬夜叉と殺生丸たちの存在っていうのが病みつきになるんですよね。
田所:うまいんですよね、出し方が。
小松:そう! 足だけ出てる!(笑)
田所:ちょっとほしいな犬夜叉要素! って思ってたらうまい感じに出てきたりして。
小松:そうそうそう! それでたまにガッツリ過去回想回が出てきてっていうのも従来の『犬夜叉』ファンにはたまらないんじゃないかなって思います。
――今後の展開も楽しみにしています。ありがとうございました!
[インタビュー・文/逆井マリ]
TVアニメ『半妖の夜叉姫』作品情報
その強さ、父ゆずり。
戦国時代に新たなる風! 半妖の姫たち、見参! 運命は次の世代に託された――。
読売テレビ・日本テレビ系
毎週土曜夕方5時30分より放送中! ※一部地域を除く
作品紹介
本作は、殺生丸と犬夜叉の娘達をメインキャラクターとした新しい物語である。アニメーション制作は、アニメ犬夜叉シリーズに引き続き、株式会社サンライズが手掛ける。
監督は佐藤照雄氏(『犬夜叉 完結編』副監督を担当)、シリーズ構成を隅沢克之氏(本作は氏のオリジナルストーリーで構成される)、メインキャラクターデザインに高橋留美子先生が参加し、アニメーションキャラクターデザインに菱沼義仁氏、音楽に和田薫氏など、アニメ犬夜叉シリーズを手掛けたスタッフが再集結し、新たな戦国御伽草子を生み出していく。
あらすじ
とわ、せつな、もろはは、妖怪と人間の血を引く半妖の少女たちだ。幼い頃、森の火事に巻き込まれ、離ればなれになった双子の少女、とわとせつな。とわは、時代樹の時空を越えるトンネルをくぐり抜け、戦国時代から現代へとタイムスリップ。かごめゆかりの日暮家の娘として育てられ、武道に長けた女子中学生に成長した。
一方、戦国時代に残された妹のせつなは、妖怪退治屋のお頭となった琥珀の下で妖怪退治を生業にしていた。もろはは、かごめと犬夜叉の娘。賞金稼ぎとして「化け殺しのもろは」の異名を取り、やはり妖怪退治に明け暮れている。
とわとせつなが別れ別れになってから、10年。時代樹の時空を越えるトンネルが再び開かれた。現代に現れたせつなと再会するとわだったが、せつなは何故かとわのことを忘れてしまっていた。
せつなと共に、現代にやって来たもろはも加わり、とわたち「半妖の夜叉姫」が、現代を、そして戦国時代を、縦横無尽に暴れ回る!
メインスタッフ
監督:佐藤照雄
シリーズ構成:隅沢克之
メインキャラクターデザイン:高橋留美子
アニメーションキャラクターデザイン:菱沼義仁
音楽:和田薫
アニメーション制作:サンライズ
製作:サンライズ・小学館・読売テレビ
メインキャスト
日暮とわ:松本沙羅
せつな:小松未可子
もろは:田所あずさ
『半妖の夜叉姫』サンライズ作品公式サイト
『半妖の夜叉姫』読売テレビ作品公式サイト
週刊少年サンデー公式サイト
『半妖の夜叉姫』公式ツイッター(@hanyo_yashahime)
週刊少年サンデー公式ツイッター(@shonen_sunday)