鈴木崚汰さんと総合プロデューサー2人が語る『AnimeJapan 2021』の魅力とオンライン開催への想い
オンラインの開催に踏み切ったワケ
鈴木:ここからは僕から今回の『AnimeJapan』について色々聞かせて下さい。
中嶋:ええ。まず、委員会では「リアルでやるべきなのか、オンラインのみに絞るべきじゃないか」という議論はずっとありました。
秋ごろ「Go To キャンペーン」などもあって少し前向きになった時期があったと思うんですけど、あそこで「やっぱりアニメのファンの方にとっては、現場に来て楽しむということが一番大切だ」という考えがあり、リアルでやりましょうという意見が挙がりました。
でもやっぱり、会場に行くのは怖い人もたくさんいるだろうということで、広く多くの人に届けるにはオンラインという形が必要になるだろうということと、成功すれば今後の糧にもなると思ったので、新しい形のひとつとして、リアルとオンライン両方の準備を進めてきました。
最終的には年初の緊急事態宣言を受けて、本当に悔しいのですが、オンライン開催のみでの展開をするという決断をさせていただきました。ですが、これまでの積み重ねが生きていてるからこそのいまがあるんだ、と前向きに捉えるようにしています。
寺田:ここまで来るのはだいぶ長かったんですよね(遠い目)。
中嶋:そうですね(笑)。
鈴木:話し合いは何月くらいからされていたんですか?
寺田:メーカーさん、スタジオさんなど各社が集まる委員会は通常6、7月くらいから開かれて、8月くらいには骨子が固まっている、というのが普段のスケジュールなんです。
ただ、去年が中止になっていたのである種延々続いていたような気がします。春先に「どうするんだ」「まだ分からない」、5、6月も「どうするんだ」「分からない」と続いて、9月末にやっと「じゃあやってみようか」というような話があがりいまに至る、という感じで今年は会議が本当に長かったですね。
鈴木:会議ではさまざまな意見が出たことと思いますが、総合プロデューサーの寺田さんと中嶋さんはどのようにお考えですか?
寺田:前例がない状況ですし、迷ってましたよ。うん、迷ってました。
中嶋:本当に悩みましたね。ただ、最終的にオンライン開催で踏み切ったのは、AnimeJapanを楽しみにしてくださっているファンのために、という思いが強い理由です。
というのも、昨年行われた別イベントのアンケートを拝見させていただいたんですが、お客さんも、出展者さんも、どちらも「やってくれてありがとう」と書かれていたんですよね。
これって、たぶん今までにないコメントだと思うんです。これまではイベントが開催されるのは当たり前の世の中だったので。
寺田:そういう声を聞いて、「今年も中止ということには絶対にさせない」という気持ちが強くなりました。
鈴木:イベント以外にも「失って初めて気づく」というのが本当に今年は多くて。だからなんというか……。本当に開催を決めていただいてありがとうございます。
寺田・中嶋:いえいえ。