オープニングアニメーションと歌詞のリンクが素晴らしい――TVアニメ『約束のネバーランド』Season 2 OPテーマ:秋山黄色「アイデンティティ」
2021年1月より、フジテレビ“ノイタミナ”放送中のTVアニメ『約束のネバーランド』Season 2。オープニングテーマ「アイデンティティ」(1月27日発売)を歌うのは、現在注目のアーティスト、秋山黄色だ。
「アイデンティティ」について秋山黄色が寄せたコメント
世界の状況が一変した2020年。リアルフェスやライブができない状況下にあって、この1年はストリーミングシーンでのヒットが、そのまま社会の大きなムーブメントにつながったように思う。
2020年に新たに脚光を浴び、日常生活の中でよく音楽を耳にしたアーティストとしては、YOASOBI、yama、瑛人、Rin音、藤井風、NiziUなどが挙げられると思うが、秋山黄色もまた、2020年に飛躍したアーティストのひとりである。
秋山黄色は、1996年生まれのソロアーティストで、YoutubeやSoundCloudなど、ネットで楽曲を発表するところから活動をスタートさせた。17年よりライブ活動を開始、20年3月には、TVドラマ『10の秘密』の主題歌「モノローグ」を収録した1stフルアルバム『From DROPOUT』をリリース、同年11月にテレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』主題歌「サーチライト」、さらに12月には『映画えんとつまちのプペル』の挿入歌「夢の礫」をリリースしている。
「サーチライト」が顕著だが、彼の音楽は、ここ最近の音楽シーンの流行とは一線を画するような疾走感溢れるギターロックで、メロディの後ろでバンドが暴れ狂っている感じが実にエモーショナル……簡単に言ってしまえば超絶カッコいい。しかもそれをバンドではなくソロでやっているということも驚きだった。そんなシンプルにロックを叩きつけるバンドサウンドに再びゾクゾクさせられたが、1月27日にリリースされる「アイデンティティ」だ。
フジテレビ“ノイタミナ”ほかで放送中のTVアニメ『約束のネバーランド』Season 2のオープニングテーマとなっている「アイデンティティ」。その発表がされた際、秋山は「連載当初から大好きで読んでいたのでとても嬉しいです! 普段から楽曲を作る上で漫画やアニメから受けている影響は計り知れないのですが、この作品は色も匂いも在り方も、確かに僕自身の一部になっている気がします。真っ向から向き合って作ったので、僕も作品の一部になれていたら幸いです」というコメントを残している。
『約束のネバーランド』という作品が“僕自身の一部”になっているという言葉は、そのまま「アイデンティティ」というタイトルに繋がっているし、物語と自分自身を重ねながら紡いでいった言葉が、この曲の歌詞になっているということなのだろう。それだけに、作品との親和性が高いのは、アニメを見た方なら、すでに感じていると思う。
オープニングアニメーションと歌詞のリンクが素晴らしい
あらためて『約束のネバーランド』は、『週刊少年ジャンプ』で連載されていたファンタジー&サスペンス漫画である(※昨年6月に完結)。2019年に放送されたSeason 1では、親がいない子どもたちが住むグレイス=フィールドハウスという孤児院でささやかながらも幸せな毎日を送るエマ、ノーマン、レイ元気に育てられている子どもたちが、が実は自分たちは“鬼”に食べられるために飼育されているという衝撃の事実をだけだったという真実を知り、ほかの子どもたちとともにってしまった主人公のエマとハウス1の天才・ノーマンが、同級生で知恵者のレイと共に、子どもたちを率いてハウスプラントから脱出するところまでが描かれた(※ノーマンは脱出直前に出荷されてしまう)。
現在放送中のSeason 2は、ハウスプラントから外の出たところからスタートしているのだが、その世界はエマたちにとって優しい世界では決してなく、“鬼”の追っ手に追われながらも生き伸びていく姿が描かれている。
「アイデンティティ」が流れるオープニングのアニメーションでは、Season 2の物語を示唆する画が流れていく。まず、人間たちの象徴として鮮やかで色とりどりの花が、“鬼”の象徴としてヴィダと言われる吸血植物が描かれる。そこから、うさぎがお皿に盛られ、それを食べる人間という画と、食肉として“鬼”たちの食卓のお皿に盛られている子どもたちという画が対比で描かれていく。これはSeason 1で知ることになった、この世界の真実そのものである。
この不穏な画に合わせて、イントロからA~Bメロが流れるのだが、疾走感がありながらも、低音が強調されたサウンドのシリアスさと、とてもマッチしていた。
そこから一気に開けていくサビでは、子どもたちが未来に向かって歩いていき、エマの希望に満ちた目と笑みが印象的なカットと、レイと共にその先の光に向かうカットが描かれる。そこでの歌詞〈数千の時を超えまた会えたら 絶望の少し先で笑うんだよ〉とのリンクも素晴らしい。そして最後に時計の針が動き出す……。「アイデンティティ」が作品の一部になっていることを目の当たりにした瞬間でもあった。
歌は後半まで、作品を連想されせるワードを盛り込まれているが、アレンジの雰囲気は少し変わり、踊れて、さらに加速していく疾走感は心地よく、秋山ワールドにぐいぐいと引き込まれていくので、フルサイズでこそ楽しめる曲なはずだ。
1stフルアルバム『From DROPOUT』も素晴らしく衝動に掻き立てられる作品だったが、「アイデンティティ」のリリース後の3月3日には、2ndアルバム『FIZZY POP SYNDROME』がリリースされるとのこと。彼のプロフィールには、“TVアニメ『けいおん!』に影響されベースを弾き始め、高校1年生の時に初のオリジナル曲を制作”という、アニメファンならば、「おおっ!」と言いたくなるフレーズを盛り込まれているのも個人的には胸アツなので、ぜひ「アイデンティティ」と共に、アルバムも楽しみにしていてほしい。
[文・塚越淳一]
CD情報
・「アイデンティティ」/秋山黄色 期間生産限定盤
1,760円(税込)
・「アイデンティティ」/秋山黄色
1,210円(税込)
【アニメイト特典】
・オリジナルブロマイド
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。
作品情報
TVアニメ『約束のネバーランド』Season 2
放送情報
フジテレビ:1月7日より毎週木曜 25:25~
関西テレビ:1月7日より毎週木曜 26:55~
東海テレビ:1月7日より毎週木曜 26:47~
秋田テレビ:1月7日より毎週木曜 25:50~
岩手めんこいテレビ:1月7日より毎週木曜 25:25~
仙台放送:1月7日より毎週木曜 26:25~
さくらんぼテレビジョン:1月7日より毎週木曜 25:25~
福島テレビ:1月7日より毎週木曜 25:25~
新潟総合テレビ:1月7日より毎週木曜 26:15~
テレビ静岡:1月7日より毎週木曜 26:00~
テレビ新広島:1月7日より毎週木曜 26:30~
テレビ愛媛:1月7日より毎週木曜 25:40~
テレビ西日本:1月7日より毎週木曜 25:25~
サガテレビ:1月7日より毎週木曜 25:25~
テレビ熊本:1月7日より毎週木曜 26:15~
鹿児島テレビ:1月7日より毎週木曜 26:30~
長野放送:1月10日より毎週日曜 25:25~
高知さんさんテレビ:1月14日より毎週木曜 24:55~
山陰中央テレビ:1月18日より毎週月曜 25:25~
BSフジ:1月13日より毎週水曜 24:30~
※放送日時は変更の可能性があります
配信情報
●見放題
Amazon Prime Video:1月6日(水)24:00~(第2話以降より毎話フジテレビ放送開始1時間後より配信予定)
●各話購入
Amazon Prime Video:1月6日(水)24:00~(第2話以降より毎話フジテレビ放送開始1時間後より配信予定)
U-NEXT:1月8日より毎週金曜12:00~
GYAO!:1月8日より毎週金曜12:00~
FOD:1月8日より毎週金曜12:00~
バンダイチャンネル:1月8日より毎週金曜12:00~
ニコニコチャンネル:1月8日より毎週金曜12:00~
ひかりTV:1月8日より毎週金曜12:00~
Video Market:1月8日より毎週金曜12:00~
JCOM:オンデマンド:1月8日より毎週金曜12:00~
スタッフ
原作:白井カイウ・出水ぽすか(集英社 ジャンプコミックス 刊)
監督:神戸 守
シリーズ構成:大野敏哉・白井カイウ
キャラクターデザイン/総作画監督:嶋田和晃
プロップデザイン:板井寛樹
美術設定:池田繁美(アトリエ・ムサ)・大久保修一(アトリエ・ムサ)・友野加世子(アトリエ・ムサ)・乗末美穂(アトリエ・ムサ)
美術監督:池田繁美(アトリエ・ムサ)・丸山由紀子(アトリエ・ムサ)
色彩設計:横田明日香
撮影監督:塩川智幸(T2studio)
CG 監督:神田瑞帆
編集:松原理恵(瀬山編集室)
音楽:小畑貴裕
音響監督:清水勝則
アニメーション制作:CloverWorks
キャスト
エマ:諸星すみれ
レイ:伊瀬茉莉也
ドン:植木慎英
ギルダ:Lynn
ナット:石上静香
アンナ:茅野愛衣
トーマ・ドミニク:日野まり
ラニオン:森 優子
アリシア・マルク:青山吉能
フィル・クリスティ:河野ひより
ロッシー:林 鼓子
ジェミマ:久遠エリサ
イベット:白城なお
ソンジュ:神尾晋一郎
ムジカ:種﨑敦美
公式サイト
公式ツイッター(@yakuneba_staff)
公式Instagram
【LINE@】@neverland_anime
原作情報
原作コミックス『約束のネバーランド』
著者は原作/白井カイウ・作画/出水ぽすか。「週刊少年ジャンプ」35号(2016年8月1日発売)より連載を開始し、「週刊少年ジャンプ」28号(2020年6月15日発売)にて完結。コミックス1巻(2016年12月2日発売)から 20巻(2020年10月2日
発売)までの全世界での累計発行部数は 2,500 万部以上。(電子版含む)「このマンガがすごい!2018 オトコ編1位」(宝島社)や、第63回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。
○原作:白井カイウ
原作担当。2015年、「少年ジャンプ+」読切『アシュリー=ゲートの行方』で原作者としてデビュー。
2016年、「少年ジャンプ+」読切作『ポピィの願い』にて作画・出水先生と初のコンビ作品を発表。2作とも大きな反響を得て、同年8月から『約束のネバーランド』を週刊少年ジャンプにて連載。
○作画:出水ぽすか
作画担当。イラストコミュニケーションSNS「pixiv」の人気イラストレーターであり、装丁画家など多方面で活躍。コロコロコミック『魔王だゼッ!!オレカバトル』連載など漫画家としても活動。2016 年「少年ジャンプ+」に読切作『ポピィの願い』でジャンプデビュー、同年8月から『約束のネバーランド』を週刊少年ジャンプにて連載。