『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- Rhyme Anima』アニメ音楽集「Straight Outta Rhyme Anima」楽曲レビュー｜計50曲!?『ヒプマイ』の本気に隠されたあれこれを解説！

カッコいいのにかわいいのはズルい！

実はFling Posseで一番好きなのがこの曲です！　それが「SHIBUYA GHOST NIGHT」。

（※動画の視聴は2/12(金)19:59までとなります。）

見出しにも書かせていただきましたが、カッコいいのにかわいすぎるのがズルい！　これはFling Posseにしか出せない味わいですよね。

キャラクター的な良さを挙げるとすると、やはりFling Posseの曲ではおなじみのメンバーどうしのわちゃわちゃとした茶番（褒め言葉です）が入っているところです。

有栖川帝統の叫び声が入っていたり、3人が憑いてる憑いていないでイタズラしあったりと、仲の良い雰囲気がなんともかわいらしいポイント。アニメで描かれていた大勢の女の子のように「か〜わ〜い〜い〜♪」となってしまうのも頷けます。

しかし、ラップはそれぞれの色もしっかり出ているし、韻も固くてめちゃめちゃかっこいいんです。

個人的に好きなバースは＜笑えないシナリオはゴーストライター＞から続く一連の流れ。＜ゴーストライター＞と＜ゴーストバスター＞は、夢野幻太郎らしさとアニメで描かれたハロウィンの様子がぎゅっと凝縮されていてGOOD。

その次の＜ちょっとビビってちょっぴりヤバい…＞は＜噂の真相 Don’t believe the hype!＞は、＜ちょっぴりヤバい＞と＜Don’t believe the hype!＞が韻を踏めるのが面白いポイント。

また、メンバーの3人のかわいらしさに目と耳が行きがちですが、トラックがめちゃめちゃオシャレなのも注目すべきところです。どこかシティ・ポップな雰囲気もありつつ、クールな曲にもキュートな曲にも成り得るトラックだと思います。

そこを上手い具合に3人がカッコいいとかわいいを行ったり来たりする様は、まさにFling Posse。フックが曲の中で5回も登場するポップさもFling Posseらしいですし、作詞・作曲したTOKYO HEALTH CLUBは作品理解がすごいなと思いました。

おそらく＜Don’t believe the hype!＞という歌詞は、アメリカのラップグループであるPublic Enemyの曲「Don't Believe The Hype」が元ネタだと思われます。こういうネタを入れてくるのもラップやヒップホップの面白いところです。

＜Don’t believe the hype!＞を意訳すると「まやかしを信じるな！」という感じ。もともとは、アメリカ政府の情報操作に異を唱えるというかなり政治色が強い曲でもあり、「政府の言うことを信じるな！」という意味合いでした。

「SHIBUYA GHOST NIGHT」は、アニメの第５話でお化け騒動を解決するという物語で歌われた曲なので、「まやかし」はゴースト（幽霊）に当てたものでしょう。