劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」野島健児さんインタビュー|後編で開花するタキシード仮面。注目ポイントはモノローグのセリフ!?
世界中を夢中にさせ社会現象を巻き起こした伝説の少女漫画「美少女戦士セーラームーン」。
2014年にスタートしたアニメ新シリーズ「美少女戦士セーラームーンCrystal」に続く、原作第4期のちびうさ・エリオスの淡い初恋とセーラー戦士たちの成長を描く《デッド・ムーン》編を前後編で映画化する劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」の前編が公開中。そして、その後編が2月11日(木・祝)より公開となります。
アニメイトタイムズでは公開を記念して、本作に出演するキャスト陣にインタビューを実施! 第6回目は、タキシード仮面 / 地場衛役の野島健児さんです。
後編ではタキシード仮面が開花する姿に注目してほしいと語る野島さん。今までとは違う“まもちゃん(地場衛)”の成長っぷりは見逃せません!
まもちゃんの繊細な心情
――最初に台本を読んだり、映像をご覧になっての感想をお聞かせください。
タキシード仮面 / 地場衛役・野島健児さん(以下、野島):初めて台本を読ませていただいたときには、「まもちゃん……大丈夫?」というのが正直な気持ちでした。特に前編は病にふせっている印象しかなくて、前編の台本では「ここで終わってしまうの?」という心配が大きかったです。
もともと、まもちゃんはうさぎ(スーパーセーラームーン/月野うさぎ)をちゃんと守ってあげたいという強い気持ちがありますが、なかなかうまくいかず自分との葛藤をずっと引きずったまま生きてきました。
今回の劇場版では体を壊してしまって、さらにうさぎの足を引っ張ってしまうのでは……という心配から、ちょっとうさぎと距離を取るシーンがあります。
僕だったら、「体が辛いから、もっとみんな心配して!大事にして!」と思ってしまうので、「相手のために突き放したり距離を取ったりするまもちゃんの繊細なやさしさはどこから来るんだろう?」と考えました。
――確かに。まもちゃんの繊細なやさしさや思いやりは強く感じました。
野島:最初からやさしい人だとは思っていましたが、「そこまで繊細な心遣いはどこから生まれてくるんだろう?」と気になりますよね。
「まもちゃんの中には、女性に近い繊細さを持ち合わせている部分があって。だからこそ、うさぎの気持ちをわかってあげられる部分があるんじゃないかな」と思い至りました。
特に、「美少女戦士セーラームーンCrystal」から今回の劇場版まで、タキシード仮面は一貫してヒロインだと僕は思っています。
スーパーセーラームーンが頑張っているのを後ろから守ってあげていて、何かがあったら手を差し伸べていく、その姿がとてもヒロイン的だなと。特に、本作ではそのように強く感じました。
――スーパーセーラームーン / 月野うさぎ役の三石琴乃さんも、まもちゃんはヒロインだとおっしゃっていました。特に、前編では病気になったまもちゃんがうさぎを突き放すシーンが印象に残っています。
野島:それがまもちゃんの彼女への愛情表現なんですよね。「帰ってくれないか」とうさぎに言うセリフは、監督から「もっとスパッと言い切ってください」とディレクションをいただきました。
それで自分も、まもちゃんにとってはスパッと言って彼女を帰すことが最大の愛情表現なんだな、と思ったんです。
厳しい言葉ではありますが、「それが彼女を守ることだから」という意思があるので、そのシーンは“辛さ”というよりも“愛”があることを意識して演じました。
――“辛さ”よりも“愛”、深いですね……。
野島:彼の繊細な部分と意志の強さが感じられるシーンでもありますし、また、うさぎちゃんの成長も感じました。
今までのうさぎちゃんだったら「何でそんなこと言うの!?」と暴れそうですが、そのときの彼女はスッと引いたんです。
心配だからちびうさを介してまもちゃんの様子を伺ったり、まもちゃんに対してどんな手助けができるのか葛藤している姿を見て、「うさぎちゃん、こんなに成長したんだ!」と思いました。
そんな2人の関係性や成長という過程がすごく出ている名シーンだと思います。このまま夫婦になっていくんだろうな、と自然と思わせられるというか、(2人の関係性が)次の段階に来た感覚がして、将来を垣間見せてくれるようなシーンです。