劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」野島健児さんインタビュー|後編で開花するタキシード仮面。注目ポイントはモノローグのセリフ!?
「敵」という概念が変わるキャラクターたち
――野島さん演じるタキシード仮面/地場衛は、今回のお話の軸にもなっているエリオス/ペガサスと深い関わりがあります。
野島:エリオスは自分の芯をしっかりと持っていて、やるべきことをやりながらも、どこか繊細で美しい少年でもあり…彼には独特な存在感があります。
少年だけども男臭さを感じさせない王子様のような部分と、いきなり会ってちびうさにキスをする男らしさも兼ね備えているのがずるい(笑)。これには(ちびうさの)親としては「ちょっとこっちに来い」と説教が始まりますよね(笑)。
その場にいたスタッフ一同: (笑)
野島:エリオスを演じた松岡(禎丞)くん自身もすごく繊細で、エリオスの繊細さと男らしさを演じ分けられる技能を持っている方ですので、何の違和感もなくスッと言葉が入ってきました。完成した映像を見て、「誰が(エリオスの)声を担当しているの!?」とキャスト表を確認したほどですから(笑)。
――ネヘレニアとジルコニアのキャストの菜々緒さんと渡辺直美さんも豪華ですよね。
野島:収録のときにもまだ明かされていなかったので、発表されたときはすごくびっくりしました。今回の劇場版は本当に個性的な敵ばかりですし、菜々緒さんと渡辺直美さんがお2人ともすごくしっかりと個性的なキャラクターを演じていらっしゃって、素晴らしいなと思いました。本当に(登場するキャラクターが)バラエティに富んでいますよね。
また、アマゾネス・カルテットの4人も「個性的なのにこんなに可愛らしくて良いの!?」と思いました。「未だかつてこんなに可愛らしい敵はいたんでしょうか?」というくらい可愛いですし、「本当に倒していいの?」という気持ちになります。
――そして、個性的といえばアマゾン・トリオの3人も外せません。
野島:(男性キャラクターは)かなり個性的なキャラクターか王子様しか出てこない、「美少女戦士セーラームーン」はすごい世界だなと思います。バラエティに富んでいて。
敵なのにも関わらず笑ってしまう部分もあり、最後には泣かせるシーンもあって、「え!?今回の敵何なの!?」と思っちゃいました(笑)。
可愛いと思わせたり、笑わせたり、泣かせたり……(今まで持っていた)敵という概念が変わってしまいました。
善悪というところから外れた世界に感じられるというか、そこが「美少女戦士セーラームーン」ならではなんじゃないかな、と思いました。
野島さんが感じた“女性らしい世界”
――自分の役以外で印象に残っているキャラクターやシーンはありますか?
野島:アマゾン・トリオが倒されていくシーンは印象に残っていて、切なすぎます。特に、ホークス・アイが夢を語りながら倒れていくシーンはすごく衝撃的でした。
「え!最後に夢を語るの?!それは先に言って~!」となりますよね(笑)。本当にみんな初めからちゃんと自分の思いを言わない!エリオスは特にそう……!
一同: (笑)
野島:うさぎちゃんもまもちゃんも敵たちも、本当にみんなお互いを思い合っていますよね。ちゃんとみんなが自分の思いを伝えていけたら、違う未来が待っていたのでは……と思ってしまうところもありますが……きっとやさしさ故に言えないのでしょうね。
――相手に迷惑をかけたくない気持ちが強いのでしょうね。
野島:そういうところが、すごくやさしい世界だと感じます。すべての男性がそうだとは限りませんが、僕は思っていることは割と口に出して言います。
言いづらいことでも言ってナンボと思っているところがあるので、まずは話すところから始めてしまう人なんです。だからまもちゃんからたくさんのことを教わっています。
相手のことを思って自分の気持ちを1回止めるというか、お互いを思い合って、だからこそ誤解が生まれてしまう……。“察してほしい”という気持ちは僕の中にはなかなかないものなので、本作で学ばせてもらいました。