思いを託せるメジロパーマー&ダイタクヘリオスのコンビ感は“BFF”で“ズッ友”で“仲仔”!? 冬アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』のぐちゆりさん×山根綺さんキャストインタビュー【連載第7回】
メジロパーマーとダイタクヘリオスは“BFF”で“ズッ友”
――第1話でも少し出てきましたが、2人が本格的に登場したのは第4話からとなります。アフレコは一緒に行ったとのことで、演じてみていかがでしたか?
のぐち:最初の出会いで(パーマーがヘリオスに)「ど、どうしたん?」と話しかけるんですけど、ひとりで練習していた時は普通に問いかける感じだと思っていたんです。でも、実際に山根ちゃんの声を聞いたら、すごい音量で「うわ〜〜!!」って泣いていて。心配になって「とにかく話を聞かなきゃ!」という気持ちにさせてくれたのが、すごく印象的でした。これが掛け合いの良さだなって実感しましたね。
山根:私も最初の泣き叫ぶところは自分に100%集中して演じていたんですけど、その後のやり取りはやっぱり家で練習していたものとは全然違うものが出ました。第4話で2人が初めて会話するシーンは、キャラクター感のすり合わせで何回かやり直させていただいたんです。そのたびに、のぐちさんが私が出したものに対してスパッと返してくださって。それですよね!みたいな感じで、会話がすごくやりやすかったです。
――そんな2人の魅力や、関係性が素敵だなと思うところはどこでしょうか?
山根:ヘリオスは「自分の人生突っ走ります!」っていう性格をしているのに、ちゃんと友達のことを大事にするんです。パーマーさんのことをレースのたびに誰よりも応援する、友達思いで純粋なところがあって。「BFF」って感じですね。
のぐち:BFF? どういうこと?
山根:「Best Friend Forever」です。
のぐち:ヤバい! 知らない!
山根:パーマーさんにも、すごく素直で真っ直ぐなところがあり、そういう根底のいい部分が掛け合って、2人の関係が成り立つんだなと感じました。2人は今後も「ズッ友」でいるんだろうなって思います。
のぐち:本当にそう思います。そういえば、「ズッ友」も流行りましたよね。あと、「仲仔」とか。
山根:……なかこ??
のぐち:え〜!! うそでしょ? プリクラの落書きは「仲仔」でしょ。仲良しの「仲」に、にんべんの子供。
山根:あれ「なかこ」って読むんですね! なんて読むんだろうってずっと思っていました(笑)。
――(笑)。のぐちさんはメジロパーマーの魅力についてどうですか?
のぐち:パーマーは、オーディションでいただいた資料に「気が使えるいいヤツ」と書いてあったんです。「いい子」じゃなくて「いいヤツ」なところに、私は心を掴まれました。「いいヤツ」って表現するヤツは本当にいいヤツだよなって。
山根:いいですよね。
のぐち:掛け合う時は基本的に(ヘリオスと)同じテンションなんですけど、パーマーはちょっとお姉さんなところがあって、ヘリオスに笑ってもらいたいという気持ちだと思うんです。第4話で最初に出会って言葉を教えてもらうところも、ツッコミつつもちゃんと教えてもらうところが可愛いですね。ボケとツッコミじゃないですけど、そういうところでちゃんと成り立っている関係性が素敵だなって思います。
ライバルであり、思いを託せる相手なのが素敵です
――第6話では、有馬記念で史実と同様に2人揃って大逃げをかましました。とても愛された競走馬ゆえに、2人のコンビは“とある呼ばれ方”をされることもありますが、レースシーンを演じる上で意識したことはありますか?
山根:最初は普通に走る息(息演技)でやっていたんですけど、ヘリオス(競走馬のダイタクヘリオス)は笑いながら走ると言われていたので、ディレクションを受けて笑いながら走るように演じました。1人だけ走っている時のテンションが違うところも楽しんでいただけたらと思います。
――それって難しいですよね。必死さを出したいのに、いい加減に聞こえてしまいそうで。
山根:そうなんです。必死に笑いながら走るというか。
のぐち:笑いながら走っているのがすごく楽しそうで、しかもちゃんと音になっているのが素敵だなと思いました。それに、「あとは任せた」って言い合えるコンビなのがいいですよね。
山根:確かに。「私が私が!」って走っているのに、最後はパーマーさんに思いを託して「頑張れ!」って応援する、その構図がいいなと思います。それってやっぱり、パーマーさんがいいヤツだからですよ。
のぐち:そうですね。2人とも本当に根が真面目な子たちなんだろうなって思わせてくれます。ほかのペアもみんないいライバルですし。その中で、私たちはギャグ寄りの登場ではあるんですけど、すごくポジティブになれるライバル関係の描かれ方をしていて、見ていても楽しいです。
――では、2人のことに限らず、『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』全体として物語の印象はいかがですか?
山根:エモいです!!
のぐち:パーマーの言葉を借りると、競い合える人がいるって幸せなことだなって思うんです。台本を読んで本当にそう感じました。声優は個人事業主で、自分もライバルだし多くのライバルがいるんですよね。「ライバルがいるから頑張れる」というのが、このアニメに詰まっていて、「どっちも負けて欲しくない!」「どっちも頑張って欲しい!」「勝ち負けだけじゃないんだよ!」と思えるのがすごくいいなって。
山根:第6話は特にそうだと思うんですけど、テイオーが「なんのために走るのか?」と壁に当たる場面を台本で読んで、これって人生みたいだなって。ウマ娘の世界だけじゃなくて、私たちが普通に生きている人生の中でも、そういう気持ちになる瞬間って誰しもありますよね。そんな時に、自分もこうなりたいって道標になる作品でもあるなと思いました。
――今回はトウカイテイオーとメジロマックイーンだけでなく、この2人もそうですし、さまざまなライバル関係が描かれます。ほかに好きな関係性を挙げるなら誰でしょうか?
のぐち:私はライスシャワーとミホノブルボンが好きですね。それぞれ抱えているものがあって、2人の今後も楽しみです。
山根:ウマ娘同士ではないんですけど、トレーナーさんとトウカイテイオーの関係もすごくいいですよね。もがいて苦しんでいる時や必死な時って、周りのことが見えなくなっちゃったり、他の人がどう考えているのかわからなくなったりするじゃないですか。でも、周りでそれを温かく見守って導いてあげる人がいるからこそ輝けるんだろうなって。だから、トレーナーさんとの関係がすごく羨ましいなって思いました。
――そして、第7話からは物語も後半戦となります。メジロパーマーとダイタクヘリオスの見どころはどんな感じでしょうか。
のぐち:2人の登場シーンのすべてに面白さが詰まっているので、楽しみにしてもらいたいです。とにかく2人が出てきたら、「出た、こいつら!」と笑って欲しいですね。
山根:そういうポジションですからね。