『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season後半クール:スバル役 小林裕介さんインタビュー前編|小林さんが選ぶ後半クール各回の印象的なシーン!
エミリア、ガーフィール、リューズなどの過去がわかったことでより感情移入しやすく
――確かに後半クールはスバルとオットーのコンビを見ているとダブル主人公みたいで。
小林:そう言われるとちょっと腹がたつなあ(笑)。以前から思っていましたが、スバル視点で描かれているからスバルが主人公ですけど、他のキャラクターもメインと立てるような要素があるので、不思議に感じないです。オットーがなぜここまでスバルを信用しようとするのかという理由も、オットーが過去に魔女教に囚われた経緯が明らかになったことで、ただ成り行きやノリではなかったんだとわかって。もう1人の主人公と言われても説得力があるなと思います。
――エミリア、ガーフィール、リューズなど周りにいるキャラの過去もわかって、より共感できたり、感情移入しやすくなった気がします。
小林:人としての等身大の悩みだったり、問題だったことが感情移入しやすい理由かなと思います。例えば、ガーフィールにとっては自分が母親に置き去りにされたと思い込んでいたけど違いましたし。ロズワールも先生に会いたいという一心で、あれだけ画策していた割には、行動理由は僕らと同じようなことだったんだと。そう思えてしまうから憎みきれなくなりました。
39話「STRAIGHT BET」の印象的なシーンは序盤のロズワールとのやり取り
――では後半クールの39話から45話までで、小林さんが選ぶ各回の印象的なシーン、ベストシーンをお聞かせください。まずは39話「STRAIGHT BET」から。
小林:冒頭でオットーにすべてを打ち明けた後のロズワールとのやり取りですね。テストと本番で、結構お芝居が変わったんです。テストでは皮肉めいた、どや感が強いお芝居で、「いつものスバルが戻ってきた!」と感じられるようにと思っていましたが、渡邊(政治)監督から「ちゃんと成長したスバルとして面と向かって対峙するまじめなシーンにしたい。変な煽りとかなく、すべて真っすぐに言葉を投げて会話するシーンにしたいので」と。その時の演出が、それ以降のちょっとおちゃらけたシーンにも反映させて、少し成長した上でのちゃかしにしないといけないんだなと、今後のスバルの芝居のベースになるディレクションだったので、印象的なシーンになりました。
――そのロズワールと対峙するシーンでは、サブタイトルになっているMYTH & ROIDの「STRAIGHT BET」も流れました。
小林:アレはズルいですよね。収録前の映像チェックの時点で、歌が入っていたので、不意打ちされたように鳥肌が立ってしまって。だからこそ、声のボリュームなど曲に負けないようにしたかったし、芝居と音楽がしっかりマッチした、いいシーンにしたいと思いました。普段はそんなこと考えないけど、この時はつい欲が出てしまいました。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会