音楽
声優・吉野裕行 初のフルアルバム『カタシグレ』インタビュー

声優・吉野裕行さんフルアルバム『カタシグレ』インタビュー|ジャケットは漫画家・篠原健太さん、MVにはThe Sketchbook、『SKET DANCE(スケット・ダンス)』の縁も感じられる初のフルアルバムに

「オレがオマエでオマエがオレで」は吉野さんと佐伯youthKさん共作詞の「声優あるある」なラップ曲!?

――6曲目の「オレがオマエでオマエがオレで」は、歌詞は吉野さんと佐伯youthKさんとの共作なんですね。

吉野:スローで乱暴な感じのラップではなく、忙しいくらいバンバン言葉を詰め込む感じのラップを youthKさんにお願いしました。歌詞は「声優あるある」みたいなものにしようと。「声優業とはこうあるもの」という僕の思い、それを歌詞にすることをディレクターが提案してくれました。

声優がテーマでしたから、こちらから散文を書いてお渡ししたんですけど、それがそのままで1曲分はあるだろうというすごい文字量になって。ラップなので、メロディと歌詞別々ではなく、一緒に作らなくてはいけなくて、youthKさんが整理したり、表現を変えたりしつつ、1コーラス分作ってくれました。

メロディは問題なかったけど、歌詞が若干マイルドになっていて、ラップだし多少は攻撃性があったほうがいいかなと。だから2番ではちょっと口が悪くなっているという(笑)。共作の形になっているのはyouthKさんからの提案で、youthKさんは今、声優業をやっていて、誤解が生まれてもいけないので、僕が作った散文が元になっていることをわかりやすくしたほうが安全だなと思って、承諾しました。

大変だったのは家で仮歌を流しながら練習していると、「Hey, Siri 簡単に売れる方法を教えて」のフレーズで毎回、Siriが起動してしまって……(急に吉野さんのSiriも起動)そう、こんなふうに(笑)。これはヤバいなと思って、認識できないように絶妙に素人っぽく言っているので、皆さんのSiriは起動しないはずなので大丈夫です。うまい具合にSiriに気がつかれません!

 

「JUMP JAM JUMP」はライブで見える情景を歌詞に、ライブでハジける曲に

――7曲目「JUMP JAM JUMP」は、ライブに臨む吉野さんの気持ちを歌っているような弾む感じで。

吉野:アルバム制作の中で、ライブでハジける曲がなかったので作ることになりました。園田健太郎さんに作・編曲を、作詞はメロディから行ったり来たりする難しい印象を感じて、メロディと歌詞をうまくシンクロさせてくれる大森祥子さんにお願いしました。

歌詞はライブをやった時に感じた情景をそのままのせたくて。ライブではみんな盛り上がってくれるけど、中には泣いている人がいたり、めっちゃ見ている人もいて、「見過ぎじゃない?」と思うくらいに(笑)。僕が見ている景色を歌にすることで一緒に届けて、気持ちを共有したいと伝えたら、割とそのまままとめてくださりました。

 

「今夜ギターの弦をぜんぶ替えて」は石川千晶さんから吉野さんが先へ進むためのメッセージ

――8曲目の「今夜ギターの弦をぜんぶ替えて」は石川智晶さん作のミディアムナンバーです。

吉野:石川さんに、『機動戦士ガンダム00 Voice Actor Single』シリーズでアレルヤの楽曲を作っていただきましたが、その時に石川さんと対談をする機会があって。まだ僕が音楽活動を始める前でしたが、歌詞を書いたほうがいいと言われました。いまだに歌詞はちゃんと書けてはいないけど、その言葉がずっと頭の中に残っていて、もう1回一緒にお仕事したいなと思っていました。今の僕が歌う、僕の曲を石川さんに作ってほしいなと思って、今回お願いしました。石川さんとリモートで打ち合わせしましたが、石川さんにとっては急に来たという感じだったのか、すごく探ってましたね(笑)。

石川さんは楽曲制作する際に、一音一音にこの歌詞をはめるときっちり作っているというお話だったので、リテイクはできないだろうし、すべてお任せする形で。

ただ「石川さんのこういう楽曲が好きというのはあるけど、それを作ってほしいということではなく、また石川さんの音楽をやろうとしても世界が壮大すぎて僕には追いつけないと思うので、10年前に一緒にお仕事とした時と同じように、今の自分で石川さんの曲を歌いたいんです。お任せします」とお伝えしました。

そうしたら「ラップでも大丈夫?」と尋ねられて、既にラップ曲はあったし、石川さんがラップ曲? と思いながらも「大丈夫です。やります」と。上がってきたら「やっぱり石川さんの曲じゃん!」って(笑)。

本番のレコーディング前に石川さんの仮歌をいただいて、僕も仮歌を録音するプリプロという作業に、石川さんが来てくださって。「僕らのような仕事をしている人間はただ幸せを願って歌うのではなく、もっと大きな役割があるかもしれないし、今後の声優の仕事の中で、今まで好きだからやりたいという想いとみんなが喜んでくれるからと思ってやっていたけど、もっと宇宙から地球を見るような、大きな視点でモノを語っているように感じました。先へ進むために自分をちゃんと理解する必要があるという石川さんからのメッセージだと思っています」とお話したら、うなずいていました。

ちなみにこのタイトルは曲中に1回しか登場しない歌詞だから逆にタイトルに選んだとおっしゃっていました。

 

(C) Kiramune Project
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