声優・大西亜玖璃さん「本日は晴天なり」インタビュー|花澤香菜さんと小倉唯さんに憧れた少女がアーティストソロデビューを果たす
TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』(上原歩夢役)や『まえせつ!』(北風ふぶき役)で、注目度が高まっている声優・大西亜玖璃が、3月3日にソロアーティストデビューを果たす。
今回は、彼女が声優を目指した経緯から、デビュー曲「本日は晴天なり」についてなど、たっぷりと語ってもらった。
意外(?)なほどアニメ好き! 深夜アニメを見まくっていた高校時代
――少しアニメとの出会いの話から聞いていきたいと思うのですが、子供の頃はどんなアニメを見ていたのですか?
大西:小学校に入るくらいまでは、学校がお休みの日曜の朝にアニメを見るような感じで、『明日のナージャ』を見ていました。あとは再放送で『カードキャプターさくら』を見ていたり、女の子が主人公のアニメを見ていたと思います。
――そこからアニメにハマっていったのは?
大西:小学生の頃はまったくだったんですけど、中学生くらいで深夜アニメを見始めたんです。そこで『けいおん!』とか、家に本があった『涼宮ハルヒの憂鬱』を見ていました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』を見たとき、こんな学校に通ってみたいなぁって思ったんです。文化祭も楽しそうで、自由に好きな事をやっているように見えて羨ましかったんですよね。私の学校の文化祭は音楽祭みたいな感じで、合唱コンクールをしたり、吹奏楽部だったので、発表に向けて楽器の練習をしていたりしたので、ハルヒみたいな文化祭に憧れがありました。
――『涼宮ハルヒの憂鬱』の学校生活って、絶妙に非現実的で、すごく憧れますよね。
大西:『涼宮ハルヒの憂鬱』にはすごくハマっていて、それまでライトノベルは読んだことがなかったんですけど、全巻買って読んでいました。
――そこから、声優さんや音楽にも目覚めてきたのですか?
大西:声優さんのイベントがあることも知って、こういうこともやっているんだと驚きました。特に『けいおん!』で平沢唯ちゃんの歌声を聴いたとき、こんなに早口なのに、なんてかわいい歌声なんだ! って衝撃を受けて、どんな人が歌っているんだろうと調べたら、豊崎愛生さんだったんですよね。
――京都アニメーションの作品がお好きだったんですね。
大西:はい。当時は『氷菓』を見ていたりもして、そこから広がって行きました。声優さんのラジオも聴きはじめて、中2~3くらいからアニメが好きで見ていたんですけど、周りにアニメ好きな人がいる感じでもなく、自分の好きな作品を勧めるけど、ハマってくれないみたいな感じでした(笑)。
――高校から、少し仲間も増えて?
大西:高2の頃、お弁当を食べていたときに声をかけてくれた子たちが、めちゃめちゃアニメ好きだったので、私も好きなんだと言ったら驚かれて、そこから仲良くなったんです。高3の頃にはさらに友達も増えて、好きなことを話して、それに共感してくれることが楽しかったし、中学時代はできないことができたなって思います。
――声優を目指したのはいつ頃なのですか?
大西:大学に入る前の高校3年生の頃から目指し始めたんです。大学に行くのなら、自分でお金を出して行きなさいと言われていて、別に学びたいこともなかったので、それだったら声優の勉強をしてみたいと思って、養成所に通ったほうが自分のためになると思って目指し始めたんです。
ただ、両親には少し反対されました。声優さんはどんなに有名でも、役がオーディションで決まるというのを聞いたみたいで、そういう世界に行って大丈夫なの? って。声も、聞きやすいけどアニメの声なのかな? っていう感じに思われていたので。でも、自分から初めてやりたいと思った仕事でもあったので、最後は認めてもらえました。
――具体的に、この作品が好きでというきっかけの作品はあったのですか?
大西:この時期はほとんどの深夜アニメを見ていたんですよ。そのくらいアニメが大好きだったんですけど、直接目指すきっかけというと、小倉唯さんが好きだったことが一番大きいかもしれないです。
もともと『カードキャプターさくら』のような魔法少女モノが好きで、変身願望があって、キラキラしたものに憧れがあったんです。それが三次元で実在しているように思ったから、私もそうなりたいと思って。
――ちなみに小倉唯さんって、どうやって知ったのですか?
大西:アニメを見ていて、花澤香菜さんが好きになって、ラジオを聞いていたら、ずっと「唯ちゃんかわいい」って話をしていたんです。こんなに美しい花澤さんがかわいいと言う人は誰なんだろうと思ったら小倉唯さんで。
それで「Baby Sweet Berry Love」を聴いたら、かわいい! これは人間ではなく天使だと思ったんです(笑)。そこから調べていったら、ゆいかおりを見つけて、ひとりだけではなかった! ふたりも天使がいる! ってなったんです。
――確かにラジオで言っていた時期はありましたね(笑)。大西さんは、声優を目指す前に芸能活動もしていますよね?
大西:お父さんと大河ドラマの『篤姫』(2008年~)を見ていて、「宮崎あおいさんは本当にかわいいね」という話をしていたら、「お前もかわいいからテレビに出られるよ」と言われたんです。普通なら、何言ってるんだろう? って思うんですけど、いつも思ったことをそのまま言うような家庭だったので、真に受けちゃって、「やったー!」と思って女優さんになりたいと思ったんです。
そこからオーディションを受けても、かすりもしなかったんですけどね。でもお母さんからは「あなたは足が長くないからモデルは不向きよ」と言われて、モデルじゃなく女優になりたかったんだとか(笑)。そうやって話し合いをしながら目指していった感じでした。
――実際にそこから芸能界に入り、さらにそこから声優デビューをしているので、しっかりと自分の夢を叶えてきているところは、本当に素晴らしいですよね。夢を目指しているときに挫折したりとかはしなかったのですか?
大西:目指しているときはしなかったです。声優になってからのほうが落ち込むことは多いというか……。それまでは運もあったし、お父さんの教えではないけど、強く願えば叶うという思いがあったんです。
例えば、「私が総理大臣になりたい」って思わないですけど、思ったとしても、なっている姿は想像できないんですよね。でも、ひとりで歌って踊っている姿は想像できてしまって。で、「自分が想像できることは叶うんだよ」とずっと言われてきたんです。
そのおかげでなんとか夢は叶えてきたんですけど、声優になってからは、逆に自分が想像できないようなことが山ほどあったので、難しいなと思うことは多かったです。だから今は夢が長続きするようにしていきたいなと思っています。
――想像できたという、ひとりで歌って踊るという夢は、今回のソロデビューで実現することになります。昨年10月からは、大西さんが主演を務めるTVアニメもスタートしていたので、ファンの方や家族も喜んでくれたのではないですか?
大西:ファンのみなさんは、本当にいつも温かい言葉をくださって、私が頑張ることで励みになっているとも言ってくださるので、とてもありがたいです。今回のデビューも一番喜んでくださったので、うれしかったですね。
それと、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のメンバーも、おめでとうと言ってくれて。特に久保田未夢ちゃんは、「私は初めて会ったときから、いつかこの子は来ると思っていたよ!」みたいな感じで、おめでとうを言ってくれて、それがめちゃめちゃ面白かったです(笑)。
田中ちえ美ちゃんや村上奈津実ちゃんはお店を予約してくれて、サプライズでお祝いをしてくれたり、矢野妃菜喜ちゃんは花束をくれたりしました。
――家族はどうでした?
大西:意外と反応は普通でした。やると思っていたよくらいで。でも、そうやって信じてくれていたこと嬉しいですね。
――ユニットや作品関連で、ライブも経験していますが、家族も見に来てくれていたり?
大西:一度だけ来てくれました。それこそニジガクの1stライブに来てくれて。アイドル活動をしていた頃も、そんなに呼ばなかったし、お父さんも、例えば会社の会議に娘は来ないでしょうみたいな感じだったんですけど、ライブに呼んだら来てくれて。
でも、そこからは行きたくなっちゃったみたいなので、これからは呼ぼうと思うんですけど(笑)、自分のソロライブがあれば、来てもらいたいです。