今作のひかげは最初から“のんすとっぷ”で大絶叫!? 不安すら感じた悪ノリとは? 冬アニメ『のんのんびより のんすとっぷ』宮内ひかげ役・福圓美里さんインタビュー【インタビュー連載 第10回】
変わったディレクションや物語の変則構成も『のんのんびより』らしさ
――そんな感じで登場する機会の多いひかげですが、第3期で特に印象的だったシーンをあげるならどこですか?
福圓:夏海が迷子になってしまうシーンですね(第3話「昔からこうだった」)。過去を回想する話で、いなくなった夏海をひかげが探しに行くお話です。シナリオを読んでいてとても感動したのに、収録では「いい人になりすぎているから、いい人にしないでください」「感動臭は全部抜いてください」とダメ出しされました(笑)。「ひかげはそんないい子じゃないので、一生懸命は探さないでください」と。
「一生懸命、相手のことを思いやってください」というダメ出しはよくありますが、「そこまで出さないでください」言われたのは初めてで、面食らいました(笑)。これぞのんのんびより!
――というのは?
福圓:感動に見せかけて笑いを誘い、笑ってると泣かされる。予測出来ない感じがすごく好きです。でもリアルってそうですよね。この変則構成も『のんのんびより』っぽいなと。
――確かに、夏海とひかげの過去の話は感動する内容でしたが、その前後には「虚無僧マン」も出てきて。
福圓:「虚無僧マン」もそうですし、前回(第2期『のんのんびより りぴーと』第11話「甘えんぼうになった」)での「そすんさー」(そすんすの使い手)もそうなんですけど、悪ノリした時の謎の小芝居がすごくお気に入りです。今回も余すところなく入っていて、どれも楽しかった(笑)
――トーテムポール星人が出てきた第4話には、新キャラクターのしおりも登場しました。彼女の印象はいかがですか?
福圓:『のんのんびより』ってキャラクターも少ないし世界観も出来上がっている作品なので、新しいキャラクターは難しいんじゃないかなって思っていたけど、見事にハマっていて、とても可愛いです。キャスティングもピッタリ。
久野美咲ちゃん(しおり役)は、会った時に「大丈夫でしたかね?」と言っていたんですけど、前からずっといたのかな?と思うくらいのんのんびよりの世界に合っていてすごいなと思いました。(キャラクターが増えて)賑やかになっても、この村の優しい空気や雰囲気は変わらないのもいいですよね。
なにより、しおりちゃんは本当に可愛いくて。れんちょんが最初のシリーズよりちょっとお姉さんになっているのは、本当に見ていて微笑ましいです。
――第3期で特に気になるキャラクターをあげるなら誰でしょうか?
福圓:今回は、特に楓さんとかお姉さん組がすごく好きですね。さとりなちゃん(加賀山楓役の佐藤利奈さん)お芝居もすごく素敵。今までは比較的、れんちょん目線というか、れんちょんから見たお姉さんたちのように見えていたんですが、今回は視点が一穂や楓に寄っているような感じもあるような気がします。
――目線という意味合いでも、楽しみ方の幅が広がったのですね。
福圓:そうですね。シリーズを重ねてきて、楓さんやこのみさんといったメインメンバー以外の個性がより出るシーンが多くなったと感じています。お母さんたちもみんな素敵で、いろんなキャラクターが深堀りされていくのはすごく楽しいです。これこそシリーズが長く続いたおかげだなって。