「SSR鉄平って?」――なぜ『ひぐらしのなく頃に』ファンは、北条鉄平で大盛りあがりしたのか
『業』でついに登場した、公式の「きれいな鉄平」
一方、『業』における鉄平は「祟騙し編」で初登場。他のエピソード同様に、鉄平が雛見沢に戻ってくると同時に沙都子の様子が一変してそれまでの日常が崩壊してしまったため、沙都子が虐待を受けていると考えた部活メンバーは、雛見沢の総力を結集し、腰の重い児童相談所を動かして沙都子を助け出します。
しかし、この時、旧アニメで存在していた、沙都子が虐待を受けるシーンや、虐待の傷跡が見られなかったことから、「実は沙都子の行動は演技で、『業』の鉄平は虐待をしていないのでは?」という考察も出てきていました。
『業』の世界は旧作から様々な要素が反転していたため、鉄平も反転しているという説には、なかなかの信憑性があったのです。(ただその考察も、ほとんどはあくまでも「虐待をしていない」というレベルのものが多めでした)
しかし、放送された第23話では、鉄平が異なる世界の記憶を思い出し、沙都子に対して優しく接するようになるという衝撃の展開が描かれ、ファンの度肝を抜くことに。
この時の鉄平は、パチンコの景品のお菓子を沙都子に遠慮がちにプレゼント、不良に絡まれた沙都子を助ける、さらに内心の不安を打ち明けた上で、沙都子と仲直りの握手をしようとするという、従来の鉄平ではまずありえない行動の数々で、まさに「SSR鉄平」(※2)と呼べるような存在でした。
※2:『ひぐらし』では、ループを繰り返す内に梨花以外の人物に記憶の継承が生まれ、奇跡のようなことが発生するケースがあり、その立役者となった存在を、ソーシャルゲームのガチャになぞらって「SSR○○」と呼称する流れがファンの間で生まれていました。例えば「鬼騙し」「綿騙し」「祟騙し」の圭一は、記憶を継承した上で症候群を発症せず、惨劇を回避するような選択をとっており、「SSR圭一」と呼ばれることが多いです。
それまでは2次創作の中だけの存在であった“きれいな鉄平”が、ついに公式に逆輸入されたこと、鉄平の改心が将来の孤独への不安というリアルな理由だったのも共感も呼び、ファンの間で大盛り上がりとなったのです。
鉄平の改心は、一見唐突な展開ながら、緻密な伏線が張られていたことも盛り上がりの要因と言えるでしょう。このエピソードが描かれた「郷壊し編」のタイトルが明かされた時も、隠されたタイトルの意味について「郷壊し」→「さとこわし」→「沙都子ワシ」と考察する、沙都子と鉄平が主役のエピソードなのでなないかとするネタ考察(?)も広がっていたのですが、意外にもそれが的外れではなかったのも、盛り上がりに一役買う結果となっていました。
なおこのSSR鉄平のエピソードはまだ『業』では語りきられておらず、最終話での沙都子の口ぶりから察するに、続編である『卒』で再登場する可能性は非常に高いです。『卒』での鉄平の活躍を見過ごさないためにも、まだ『業』を見ていないというファンは、是非ともこの機会にご視聴をオススメします。
TVアニメ『ひぐらしのなく頃に業』作品情報
放送情報
■第1話~第13話
2020年10月1日より毎週(木)
TOKYO MX 23:30~
BS11 23:30~
サンテレビ 24:30~
■第14話~
2021年1月7日 より毎週(木)
TOKYO MX 24:30~
BS11 24:30~
サンテレビ 25:30~
配信情報
dアニメストア、ひかりTVで地上波同時最速先行配信
※放送・配信日時は予告なく変更する場合がございます。詳細は各配信サービスにてご確認ください。
スタッフ
原作 竜騎士07/07th Expansion
監督 川口敬一郎
シリーズ構成 ハヤシナオキ
キャラクターデザイン 渡辺明夫
助監督 池端隆史
美術監督 井上一宏(草薙)
美術統括 山根左帆(草薙)
色彩設計 小松亜理沙
撮影監督 戸澤雄一朗(グラフィニカ)
編集 丹 彩子(グラフィニカ)
音響監督 森下広人
音響効果 八十正太(スワラプロ)
音楽 川井憲次
音楽制作 フロンティアワークス
プロデュース インフィニット
アニメーション制作パッショーネ
製作 ひぐらしのなく頃に製作委員会
キャスト
前原圭一 CV 保志総一朗
竜宮レナ CV 中原麻衣
園崎魅音・詩音 CV ゆきのさつき
北条沙都子 CV かないみか
古手梨花 CV 田村ゆかり
大石蔵人 CV 茶風林
富竹ジロウ CV 大川透
鷹野三四 CV 伊藤美紀
入江京介 CV 関俊彦
公式サイト
公式ツイッター(@higu_anime)