真島ヒロ先生原作 TVアニメ『EDENS ZERO』連続インタビュー 第1弾はシキ役・寺島拓篤さん!『EDENS ZERO』は「少年SFマンガの完成形かつずっとドキドキさせる作品」
人気マンガ『FAIRY TAIL』や『RAVE』などを手掛けた真島ヒロ先生原作の『EDENS ZERO』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)が2021年4月10日より日本テレビ系全国30局にて放送開始!
『EDENS ZERO』は、惑星グランベルで唯一の人間であるシキが、動画配信者のレベッカと出会い、宇宙への冒険に飛び出し、様々な星々でいろいろな人と触れ合い、自身の出生の秘密などに近づいていくスペースファンタジーです。
アニメの放送開始を記念して、2人の主人公への連続インタビュー企画をお届けします。第1弾は主人公・シキ役を演じる寺島拓篤さんです!
TVアニメならではの魅力や寺島さん演じるシキへの思い、寺島さんの思う注目ポイントなど、放送が待ち遠しくなること間違いなしの内容に!
『EDENS ZERO』は散りばめられた謎がたくさんあって、SF感もあって、ずっとワクワクする作品!
──『EDENS ZERO』の原作を読んだり、アニメで演じてみた印象や感想をお聞かせください。
シキ役 寺島拓篤さん(以下、寺島):オーディションを受ける前から大好きな『FAIRY TAIL』と同じく真島ヒロ先生の原作ということで読んでいました。全然違う切り口なのに、すごくおもしろいし、テンポも良くて、散りばめられている伏線や謎もいっぱいあって、ずっとワクワクするマンガだなと。
そして元々、動きのあるマンガで。真島先生自身も「アニメになることを意識して作った」とおっしゃっていましたが、アニメを見た時、あのマンガの絵が、美麗さや躍動感はそのままに動いていることに驚きと感動がありました。
──そして『FAIRY TAIL』と同じ冒険ものでありながら、今回は舞台が宇宙です。
寺島:その時点で見せ方がガラリと変わりますからね。だからこそ主人公のシキが重力を操る力を持っていることによって、より作品の立体感が増すし、SF感もすごく出てくるんですよね。
──ドラマもすごくて、序盤の回から泣かせるんですよね。
寺島:そうなんです! 原作を読んだ時も、「1話からこんなの出すの!?」とビックリしました。すぐにシキに感情移入できたし、寄り添えたし、一気にシキと友達になれた気がして。
この子が主人公で話が広がっていくんだと思うと、「支えよう」とか「彼のこの先を見てみたい」と思える、キャラクターメイキングのすごさを感じさせるエピソードですし、その後にも関わってくるので。今後の物語の土台として注目すべき1話だと思います。
──数々の星を旅していく壮大なスペースオペラをアニメ化するということは、制作される方々も長い付き合いになると腹を括ったんじゃないかなと。
寺島:話の長さだけではなく、絵作りにもすごい覚悟を感じました。僕らが練習するためのリハーサルビデオは、まだ色がついていない状態でも圧倒的な演出を感じさせて。「これをずっと続けていくなんて大丈夫ですか!?」と心配になるくらいの気合や勢いを感じるので、とっくに覚悟はできているんだろうなと思いました。
真島先生作品の主人公は念願でありながら決まった時は戸惑いも!?
──寺島さんは『FAIRY TAIL』にもジャッカル役で出演されていましたが、真島先生原作のアニメで、念願の主役ですね。
寺島:あの時、ナツ(『FAIRY TAIL』主人公)にボコボコにされていて良かったです(笑)。『FAIRY TAIL』から『EDENS ZERO』になっても、真島先生の作品の主人公として受け継がれるものやエッセンスがあるというのは演じていても感じますし、あの経験をしておいて良かったです。
でもオーディションのお話をいただいた時は「シキ役を僕がですか?」と驚きました。『FAIRY TAIL』から積み上げられたものがすごすぎて。同世代の柿原(徹也)君が主役のナツを約10年演じ続けてきた後に「自分が?」と。
シキ役はもっと若い方が演じるのかなという印象がありましたが、でも「僕に決めていただいたということは何か理由があるんだろうな?」と自分でもそれを探しながら、シキと向き合わなければと思いながら今も演じています。
今まで出会ってきたキャラクターの中でも飛び切り少年で、無垢な感じというのは、僕の引き出しの中であまり開けないところにあるので、毎回意識的に開けるようにしながらやっています。
──演じるシキの印象とご自身との相違点、共感できる点をお聞かせください。
寺島:シキは真っすぐで裏表のなく、ポジティブなエネルギーに満ちた少年だなと。ただ「友達になりたい」という気持ちのまま行動しているし、「好き」という感情に満ちているので、シキを見ているだけでみんなが笑顔になれるし、自然と好きになってしまうんじゃないかなと思います。
まさに少年マンガの主人公における王道を行くような子ですが、違和感なく、人間味あふれるキャラクターとして描いている真島先生のすごさも感じました。共通点といえば、涙もろいところと虫が嫌いなところでしょうか(笑)。
あと人の言うことを素直に聞いたり、すぐに信頼してしまいますけど、僕もどちらかといえば、人を信じたいタイプですし、いつでもポジティブでいたいと思っているところはシキに引っ張られているのかもしれません。
──演じる時に意識されていることを教えてください。
寺島:表裏のなさとか、作為的にならないようにと、ディレクションでよく言われます。僕は演じる時に考えてしまうタイプで。これまで文章をセリフとして組み立てることを大切にしてきましたが、音響監督のはた(しょう二)さんからよく言われるのが「ツッコミとか敏い(悟るのが早い、かしこいこと)気がする」と。
今まで聞いたことがないディレクションで、考えて言葉を発するのではなく、直感で純粋にポロッと出た言葉を大切にしなくてはいけないところに序盤は苦戦しました。
レベッカが最初の友達で良かった。演じる小松未可子さんは声の持つ力がすごい!
──ヒロインのレベッカの印象や小松未可子さんのお芝居についての感想をお聞かせください。
寺島:レベッカはいい子で、シキにとっての最初の人間の友達がこの子で良かったなと思います。グランベルにいたロボットたちがシキの今後を気にかけてくれていたけれど、レベッカはシキと一緒に並んで、今を見てくれるので、仲間になってくれて良かったです。
そんなレベッカを演じる小松さんとは今までも何度かご一緒していますし、メインどころで関係性の深い役もやったことはありますが、『EDENS ZERO』でのバトルシーンなど、声の持つ力がすごい人だなと。
はたさんと雑談していた時も「小松さん、ノド強いね」とおっしゃっていましたが、それも実感しました。元々、張りがある声で、とても輪郭がきれいだなと思っていましたが、バトルになると更に器用さが際立って。
レベッカが怒りのあまり目の色が変わった時は土佐弁みたいな口調になるんですけれど、「荒い感じにしてください」というディレクションにもすぐに対応していたのもすごいなと思いました。
──シキは世間知らずで、無意識のうちに変なことをしてしまいますが、レベッカはそのツッコミ役でもあって。
寺島:キレイに突っ込んでくださるので、一緒に掛け合いをしていても気持ちいいんですよね。
──にぎやかで元気なところが作品の雰囲気を明るくしてくれている気がします。
寺島:小松さんが持っている声の力ですよね。もちろんレベッカの人間性によるところも大きいと思いますが、小松さんのすごく明るいカラーの声が相まって、素敵なヒロインになっていると思います。
──収録時の印象的なエピソードなどあれば教えてください。
寺島:釘宮(理恵)さんが演じているハッピーは、『FAIRY TAIL』にも登場しているキャラクターで、あの見た目で釘宮さんの声という点では同じですが、別ものであると感じさせられるんです。それは釘宮さんのお力だったり、キャラクターメイキングだったりによるものだと思いますが、それが印象的で。
同じキャラクターが別の作品で、別の存在として登場することは珍しいと思いますが、毎回収録で目の当たりにしていることはおもしろいし、貴重なことだなと思いました。あと総監督の石平(信司)さんが現場に来てくださるたびに、アフレコブースのほうを見てしゃべりたそうにしているのがかわいいです(笑)。