映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』式波・アスカ・ラングレー役・宮村優子さんが語る、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』でのトラウマを癒やしてくれた『新劇場版』シリーズの存在/インタビュー
『シン・エヴァ』を見て、庵野総監督の気持ちが少し理解できた
――宮村さんにとってのアスカとは、どんな存在ですか?
宮村:私にとってのアスカは、娘みたいな存在ですね。私には娘が1人いるんですが、娘が二人いるような感覚で、実際に生んだ娘は今高校生くらいなんですが、アスカとの付き合いはそれよりも長いですから。長女がアスカで、その娘が次女みたいな(笑)。
――宮村さん自身と、二人のアスカとの共通点を感じる部分はありますか?
宮村:私自身との共通点というのは難しいですが、式波も惣流も一番になりたいという想いがすごく強いというのが共通していて、最初はシンジやレイに突っかかるようなシーンがあります。式波ちゃんの場合は、心の中では思っていてもあまり表には出さなくて、すぐ他人に噛み付いたりはしないという違いがあって。反面、どちらも一番になるためにすごく頑張っているんだけど、その頑張りがなかなか報われない……という部分は二人とも共通しているのかなと思いますね。
――アスカというキャラクターを背負い続けてきたことで、辛かった経験もありましたか?
宮村:辛かったのは、95~96年頃の、まだ日本の社会がアニメに対してあまり寛容じゃなかった時代ですね。TVアニメに出た1人の声優でしかなかったはずなのに、変に祭り上げられてしまって。どうしてこんなことになっているんだろうと戸惑っていたところに、作品の中でも量産型にいじめられて(笑)。
今はSNSとかで、ファンの方々が心配してくれたり、アスカのことをどれだけ好きでいてくれるかが伝わってきて、本当に元気付けられるんですけど、昔はそういう自分の弱音を吐き出す場所もなかったんです。当時は本当に孤独で、人気声優と呼ばれてTV番組とかで呼ばれても場違いみたいな感覚があって……声優という職業に対する見方も今とは全然違いましたよね。
個人的に転機になったのが、英語版でアスカの吹き替えを担当されているティファニー・グラントちゃんと海外のコンベンションでお会いした時ですね。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』でのアスカの辛さをお互いに話して、「はじめてアスカの気持ちをこんなに分かってくれている人に会えた!」という気持ちになって、すごく助けられました。
今はそこから時代が変わって、いろんな人の思いや意見を見たり、「こんなに皆がアスカの幸せを願ってくれていたんだ」ということを知ることができるようになりました。以前も、私の耳には届いていなかっただけで、きっと当時も同じようにファンの愛があったんだと考えられるようにもなり、今では報われました。
――ある意味、宮村さん自身もこの『新劇場版』シリーズで救われたと。
宮村:本当にそうなんです。庵野さんがどういう意図で、今回の演出をしたのか私には分からないのですが、ある場面でシンジとしっかり会話させてくれたのも嬉しくて、ある種スッキリとした気持ちにもなれました。
ただ、今回の舞台挨拶で、緒方さんがもう1人のシンジは、皆を送り出したあと残っているという話をされた時、「大人のアスカで迎えにいってあげたい!」という気持ちも強くなりました。そのシンジにも、きっと大人のアスカであったりユイさんであったり、いろんな人がついてくれていると私は思っているんですけど、その先の物語は是非ファンの皆さんに補完していただきたいですね(笑)。
――アスカと共に歩んだ25年という時間を振り返ってみて、いかがでしたか?
宮村:アニメーションが日本の文化の中心に来るまでの25年だったんじゃないかと感じています。TVシリーズの時のブームは、アニメファンの中ですごく盛り上がって、アニメファンの外にもある程度波及していたのですが、それでも一般の人々にまで広がったわけではなかったと思うんです。今は『鬼滅の刃』が大ヒットしたり、アニメが日本文化のど真ん中に来ていても誰も不思議に思わないですよね。
私がコンビニでアニメの絵を初めて見たのって『エヴァ』だったんですよ。今でこそ一番くじとか、アニメ関連の商品が置かれているのは珍しくなくなりましたが、当時はコンビニでアニメキャラクターの絵が書かれた商品を目にする機会なんてなくて、『エヴァ』を特集した雑誌が店頭に普通に並んでいるのを見たとき、すごく衝撃を受けたことを覚えています。
それから時代が変わって、皆がアニメを大好きな世界になったなと。私は海外にいたんですけど、海外でも『エヴァ』は皆に知られていて、アスカのことを大好きだと言ってくれるファンもいっぱいいて、世界はつながっているんだと感じられるようにもなりました。日本の『エヴァ』が世界に受け入れられた、すごい25年間だったと改めて思います。
あとは何より、庵野総監督の願いが叶って良かったなと。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』の時も実写をとったのですが、正直その時は「なんでアニメなのに実写映像を撮るんだろう」という気持ちで、その意図を理解できていなかったんです。『シン・エヴァ』を見たら、あの時監督がやりたかったことも理解できましたし、TVシリーズやその劇場版の時に、庵野さんが苦悩されていたのを当時のスタッフさんや私自身も見てきていたので、「本当に良かったなぁ」という気持ちです。『エヴァ』の後もいろんなプレッシャーがあるとは思いますが、今後の作品も頑張っていただきたいです!(笑)。
――ありがとうございました。
[取材・文/米澤崇史]
ありがとう、エヴァンゲリオン オンリーショップ
【開催期間
アニメイト池袋本店 2021年04月29日(木) ~2021年05月09日(日)
アニメイト福岡パルコ 2021年04月29日(木) ~2021年05月30日(日)
アニメイト札幌 2021年04月29日(木) ~2021年05月30日(日)
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「アニメイト池袋本店・アニメイト札幌」4月29日(木・祝)の入場につきまして】
新型コロナウイルス感染拡大防止対策、入場混雑緩和の為、4月29日(木・祝)のアニメイト池袋本店・アニメイト札幌のご入場については「CLUB animate」からの応募抽選とさせていただきます。
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抽選スケジュール
○抽選入場日:4月29日(木・祝)
<申込期間>4月9日(金)17:00~4月18日(日)23:59
<当選発表>4月23日(金)中予定
※本抽選はご入場をお約束する抽選となりますが、商品のご購入をお約束するものではございませんので、予めご了承ください。
※商品は無くなり次第終了となります。
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※当選番号順のご入場となりますため、お時間はお選びできません。
※当選権利の転売、譲渡、委任は固く禁止させていただきます。
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※注意事項の詳細はCLUB animate「申込む・回答する」内の該当イベント詳細ページよりご確認ください。
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※4月30日(金)以降のご入場につきましては、お客様の混雑状況によって各店入場制限をかけさせていただく場合がございます。
特典
・ポストカード3種セット
期間中、開催店舗にて関連グッズ商品を3,000円以上ご購入で、ポストカード3種セットをプレゼント!
オンリーショップ記念商品
・ありがとうEVANGELION Tシャツ(オンリーショップ開催記念Ver.)
2,200円(税込)
・EVANGELION オンリーショップ開催記念 カヲル推し!アクリルスタンド
1,650円(税込)
EVANGELION オンリーショップ開催記念 缶バッジ シンジ&カヲル
440円(税込)
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』作品概要
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』
公開中
総監督:庵野秀明
・上映時間:2時間35分
・企画・原作・脚本・総監督:庵野秀明
・監督:鶴巻和哉、中山勝一、前田真宏
・テーマソング:「One Last Kiss」宇多田ヒカル(ソニー・ミュージックレーベルズ)
・音楽:鷺巣詩郎
・声の出演:
緒方恵美
林原めぐみ
宮村優子
坂本真綾
三石琴乃
山口由里子
石田彰
立木文彦
清川元夢
関智一
岩永哲哉
岩男潤子
長沢美樹
子安武人
優希比呂
大塚明夫
沢城みゆき
大原さやか
伊瀬茉莉也
勝杏里
山寺宏一
内山昂輝
神木隆之介
・制作:スタジオカラー
・配給:東宝、東映、カラー
あらすじ
新たな劇場版シリーズの第4部であり、完結編。ミサトの率いる反ネルフ組織ヴィレは、コア化で赤く染まったパリ旧市街にいた。旗艦AAAヴンダーから選抜隊が降下し、残された封印柱に取りつく。
復元オペの作業可能時間はわずか720秒。決死の作戦遂行中、ネルフのEVAが大群で接近し、マリのEVA改8号機が迎撃を開始した。
一方、シンジ、アスカ、アヤナミレイ(仮称)の3人は日本の大地をさまよい歩いていた……。
公式サイト
公式ツイッター(@evangelion_co)