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春アニメ『SHAMAN KING』日笠陽子×小西克幸×林原めぐみインタビュー

春アニメ『SHAMAN KING(シャーマンキング)』葉役・日笠陽子さん、阿弥陀丸役・小西克幸さん、アンナ役・林原めぐみさんが語る作品にかける熱い想い/インタビュー

アフレコ現場で起こった驚きの霊現象!?

――ご自身が演じているキャラクターに似ているところ、今作を演じて発見した魅力はありますか?

日笠:私はもうキャスト決めのオーディションで、「あえてゆっくりしゃべっている? ゆっくりしゃべることに罪悪感を持っている?」というようなことを言われたこともあって、「ユルさ」というものに関して、自分とは真逆の存在だなと思っていたんです。

だから、葉くんと似ているところは自分ではないと思っていたんですけど、こうやって取材していく中で、めぐ(林原めぐみ)さんや小西さんが「何か似ているところがあるのよ」と教えてくださって、気づくことがありましたね。

一同:(見つめ合う)

小西:何、見つめ合ってるの!(笑)

日笠:葉は似ている部分というのを探すのもけっこう難しいキャラクターというか……。

林原:彼は非常にユルい面が目に映りがちです。それはマンガの表面を読んでいれば、そうなんですけど、葉は年がら年中ユルいわけではなく、深堀して、深堀して、深堀して、結果、答えにたどり着かなくて、「そうか。答えなんて内側にはないんだ。行ってみないことにはわかんねぇんだな」ということで「何とかなる」と言っているんですよね。

自分の中に探したからといって、実際に道 蓮と剣を交えてみないと、道 蓮の痛みも悲しみもわからない。
私から見た日笠ちゃんの葉だなと思うところは、日笠ちゃんもけっこう中を探すんですよね。探して探して答えがみつからないと、ちょっとフルフルしちゃうんですけど……(笑)。

一同:(爆笑)

日笠:「助けてください!」って……(笑)。

一同:(爆笑)

林原:「こんなんでいいんでしょうか?!」とフルフルしちゃったり……(笑)。でも、そのフルフルというは、葉くんは見せてないけど、絶対あるし、刃を突きつけられれば怖いし、でもその先にしか何かが無いことは知ってるから行くわけで、怖いけど、毎回アフレコに来て葉に向き合うわけで……(笑)。

一同:(爆笑)

日笠:はい(笑)。

林原:そうやって、日笠ちゃんが自分の中を探して、中に答えがないと言いながら、迷いながら、懸命に食い下がりながら、本番には正解を見つけてアフレコをやっている感じが、非常にアンナ女将としては超・占事略決(※1)を与えたくもなるもので……(笑)。

あとは、小西くんの緊張感があるんだか、ないんだかっていうね……(笑)。

※1:超・占事略決(作中に登場し、千年前に大陰陽師が開発した巫術を記した書物。数々の強力な巫術が記されており、マスターしたシャーマンは膨大な巫力を得られる)

一同:(爆笑)

日笠:小西さん、本当は繊細ですよね。

小西:僕はね、ものすごく小心者なんです。ものすごくビビりなんですよ(笑)。僕は20年前のシリーズの時に、一度オーディションに落ちていて、その後もう一度連絡が来て、「受かりました」って…。笑)。

林原:「どういうことなんだ?!」っていうね(笑)。

小西:僕の記憶違いじゃなければ、たしかオーディションを受けた時に、「阿弥陀丸の役を受けた方の中に、ちょっとハマる人がいないよね」という話になって。それで、当時の監督さんだと思うんですけど、「この子どうだろう」と推薦していただいて、それで阿弥陀丸を演じることになったんですけど…というエピソードもありつつ……(笑)。

林原:その話を聞いていて、勝手に思ったことなんですけど、最初に登場したときは阿弥陀丸って、めちゃめちゃ怖い印象なんですよ。なのに小西くんって、見ての通り、あんまり怖くないじゃないですか(笑)。

一同:(大爆笑)

林原:そういう役もやっているのかもしれないけど、ごめんね(笑)。

小西:いえいえ(笑)。

林原:だけど、葉と出会ってからの阿弥陀丸の包容力と優しさや、本来の阿弥陀丸が持っていたピュアな部分というのは小西くんがピッタリだと思うし、(この場に阿弥陀丸)本人いないから言いますけど……(笑)。

小西:はい、あとで伝えておきます(笑)。

林原:そういう意味で、喪助との出会いも含めて、ともに歩んで行って、どんどん阿弥陀丸本来のピュアになっていったことを考えると、一度オーディションに落ちて、やっぱり小西だったっていうのは、すごい合点がいくっていうか……(笑)。

日笠:優しいもんなぁ、小西さん……(笑)。

小西:オーディション時は、音響監督さんが三間(雅文)さんからではなかったんですけど、「もっと侍然と! もっと侍然と!」ってすごく言われたんですよ。

日笠&林原: へぇ~~~~~~~~~~!!

林原:この「へぇ~~~~~!!」、すごい太く書いておいて(笑)。

一同:(大爆笑)。

小西:オーディションの時に「もっと侍っぽくしゃべって、もっと侍っぽくしゃべってください! なるべく侍っぽくなるように!」とすごく言われました。今と全然違うんですけど……(笑)。

林原:阿弥陀丸の良さって、それを削いだところにあるからね~。

小西:逆に削いだところを楽しくやりすぎてしまって、葉くんに対してフレンドリーすぎて……。

一同:(爆笑)

林原:そうね~、ある~(笑)。

小西:本当に楽しくて、ちょっと上から目線になっちゃう時もあって、「あっ、いかんいかんいかん」ってなる……(笑)。

林原:ちょっと友だち過ぎちゃうのね(笑)。

小西:「僕はちゃんと主従関係を守らなきゃいけない」っていうのを……。

林原:飛び越える時がある、ある(笑)。

小西:僕は今、そこにすごく気を付けています。

林原:20年経ってね。ちょっと馴れ馴れしくなってるんだよね(笑)。

小西:そうそうそう(笑)。

一同:(爆笑)

小西:気をつけないといけない(笑)。それは音響監督さんにも「上から(目線で)言わないで」って言われて、「あぁ、そうかそうか。確かに上から(目線で)言ってたな」と……(笑)。

「葉くんを守りたい、葉くんの力になりたいな」と思って、頑張ってやろうとするんですけど、その頑張りが逆に上から目線になっていったりとか、ちょっとしたさじ加減だったりと思うんですけど、そういうところはちょっと気を付けなきゃいけないなと思って、己を引き締めて頑張っている所存でございます!

―――林原さんのアンナと似ているところをお願いします。

日笠:まんまですよね(笑)。

小西:まんまですよね(笑)。

日笠:生き写し……。

林原:生き写しはやめなさい!(笑)

日笠:「めぐさんを思って描いたのかな」と思うぐらいピッタリ!

林原:あら~、ありがとうございます!

小西:『SHAMAN KING』って、キャストのみんながみんなピッタリなんですよ!

林原:結果ね。

小西:想像して描かれていたのか、知っていて描かれたのかとか、未来を知って描かれたのかなとかと思うぐらいピッタリなんですよね。

(まん太役の)犬山さんも、(ハオ役の)高山さんも、(ホロホロ役の)うえだゆうじさんも、(梅宮竜之介役の)田中正彦さんもそうだし、みんながみんなそうで……。

林原:見えない手に集められた感じあるよね。

小西:そんな感じがしますね。分身というか、乗り移っているというか、イコールなんですよね。

林原:結果として、あがいたり、考えたり、ダメ出し受けたり、いろいろあるけどもね。

小西:阿弥陀丸がしゃべっていない時に、客観的に見ることもけっこう多いんですけど、改めて考えると、「みんなすごいな~、やっぱりプロは違うなぁ!」と思いながら、見ていたりすることもあります(笑)。

林原:プロは違う(笑)。

日笠:昔、見ていたアンナは怖い存在というところしか見えていなかったんですよね。私もめぐさんを知らない時は怖い先輩というイメージが……。いえ、違います。

林原:絶対言われる~(笑)。

日笠:「無礼があってはいけない」という感じがありました。

林原:一緒に仕事するまでは、三間さんですら怖がってたんだもん(笑)。

日笠:そういう意味では、お会いする前からイメージはちょっとシンクロしているような気もするんですけど(笑)、そうではなくて、葉としてアンナと出会うと、修行させられるから怖い部分もあるのですが、一緒に生活してみると、アンナは抜けているところもあるし、おちゃめなところもあって。

それは、今こうしてアフレコでめぐさんと一緒にやっていると、めぐさんもアンナと同じようにすごくおちゃめな部分が本当にたくさんあるんです。チャーミングな方なんですよ!

林原:書いておいてくださいね(笑)。

小西:大きい、太い字で(笑)。

日笠: 本当に、すごくチャーミング!

林原: 「そして、おちゃめ!」って書いておいてください(笑)。

一同:(爆笑)

日笠:めぐさん、あの話してもいいですか?

林原:何っ?

日笠:キンコンカンコンの話です。

林原:あ~~~~~(笑)!

小西:これは今まで話してないね(笑)。

林原:ハッハッハッハッハ……(しばらく爆笑中)。

日笠:「SHAMAN KING」のアフレコスタジオは距離をとって並んで収録できる広いスタジオと、そのスタジオの中にさらに小さな部屋があって、そこも使って、みんなヘッドフォンをつけて、お互いの声を聞きあいながらやっているんです。その日のアフレコ収録は葉くんのセリフからだったのですが、始まる瞬間にヘッドフォンから「キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン」ってチャイムが鳴ったんですよ。

「これはもしかして、私にしか聞こえない謎の音声かな」と思ってドキッとして……。アフレコでチャイムが聞こえるわけがないじゃないですか。

「怖い! どうしよう?!」と思いながらパッと周囲を見たら、音響監督さんもハッとした顔をしながら「何が起こったの?」という顔をしていて……。

小西:アフレコ現場にいた人たちはみんな誰もわからなくて、「何で? 何で? 霊現象じゃない?!」という感じの流れになってきて……。

日笠:その時、めぐさんがちょっと黙っていたんですよ。しばらくして、めぐさんが「アタシ! スマホ鳴っちゃったみたい」って……(笑)。

一同:(大爆笑)

林原:バレてないと勝手に思ってて、黙ってたんですよ(笑)。

一同:(爆笑)

林原:その日私はスタジオ内の小さな部屋を割り当てられていて、スマホの音が外に漏れるとは思っていなかったから、「みんなオタオタしてるな~。何してんのかな? 早く始まんないかな~」と思っていたら、誰かが「キンコンカンコンって鳴った?」って言ったのがヘッドフォンを通して耳に入ってきて、「あっ、アタシです~」って……(笑)。

一同:(大爆笑)

林原:そんなにみんながワタワタしているって、わかっていなかったの(笑)。ヘッドフォン以外の音は聴こえないし、「あ~、スマホの電源切ってなかった。始まる前に切ろう」と思って操作してたし……。

小西:そうですよね。

林原:「始まんないな~」と思って小部屋からみんなのスタジオを見たら、なんだかみんな動揺している感じで、「何? どうしたの? 何があったの? 何? 何?」って、会話に参加しようとしたら……。

小西:みんなの中で、一番熱心に聞いていましたよね。

日笠:その場にいた人全員、怯えていましたからね。「心霊現象かな~?」って……(笑)。

小西:スタジオの中の小部屋に入っていると、スタジオの方で何が起こっているのかが見えづらいんですよ。

林原:その部屋を使っていた前の人が、「自分がセリフを言ってない時は、みんなが収録している時でも小部屋の音は拾わないから安心なのよ~」という話をしていたから、私の音が聞こえているなんて絶対思ってないから……(笑)。

日笠:めっちゃ怖かった~(笑)。

小西:あれは本当に怖かった~(笑)。

一同:(大爆笑)

林原:みんなを霊現象に巻き込んでいるとは思っていなかったんだよ。あったね~、忘れてた~(笑)。

日笠: すごくチャーミングな方です(笑)。

林原:私が告白したときは、みんなドリフ(※2)みたいに崩れ落ちたよね(笑)。

※2:ザ・ドリフターズ(音楽バンドおよびコントグループ)

日笠:みんなが「良かったぁ~!」となりましたからね(笑)。

小西:そういうところも含めて、楽しかったね。

林原:楽しかったね。緊張もありながらね。

日笠:そういうところも、アンナっぽくないですか?! あと、めぐさんは時々、音響監督さんと踊っています。

林原:そうだわ~(笑)。

 

(C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
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