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声優
影のある芝居、魂の叫び。役者・石川由依さんについて“推しを知らない”男が書いてみる【推し声優語らせてください・連載第3回】
昭和、平成、令和
では、なぜ石川由依さんの芝居は心に響くのだろうか。
透明感があり、凛と響く声は耳馴染みがよく、スッと耳から頭、心に入ってくる。
まず、そんな声質も魅力の一つだろう。
僕が個人的に凄いと思っているのが「発する言葉一つひとつに不思議な重み、深みがある」点だ。
いい意味で石川さんが演じるキャラクターは影のあるキャラクターが多い。明るく元気に見えても、どこかで不幸が似合ってしまう(いい表現かはさておき)。
少し昭和な雰囲気があると言えば分かりやすいか。
1989年5月生まれ。石川由依さんは平成元年生まれの役者である。我々世代には懐かしくて堪らない昭和の残り香を持っているのは、彼女の産まれたタイミングや子役時代に舞台を踏んできた空気感があるのかもしれない。
影。そう、影がある。石川由依さんの芝居には何とも表現できない影があるのだ。
人生とは影を作って生きていくこと。人に見られたくない、人に知られたくない自分だけの影を抱えていくことで、その人がより輝いて見える。
石川由依さんはそういったキャラクターの影(深み)を表現できる役者だと僕は思っている。
透明感という表現が似合う役者なのに、物語に色を付けるのが上手い。
カメラアプリのフィルターの如く、作品の世界観を芝居で彩る。彼女の声が入ることで立体的になる。
そんなスキルを持った役者さんだと僕は思っている。
本人に伝えたら「本当ですか?ちょっと盛りすぎじゃないですか?」と笑うと思うが。
ここからは2つの作品を取り上げつつ、石川由依さんの芝居についてもう少し掘り下げていきたい。
一つは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。もう一つが彼女のソロプロジェクト「UTA-KATA」だ。