【BLのことさらに知ってみませんか?】2020年一大ブレイクした、今さら聞けないBLドラマの世界【アニメイト編集部BL塾・応用編】
気づけば年を越し、桜が散り、暖かい季節になってしまいました。お久しぶりです、2021年最初のBL塾開校です。
前回の2020年振り返りでもお話したように「BL成長期」と言っても過言ではないほど2020年はBLが盛り上がりを見せた年でした。おかげさまでBL塾も多くの方に読んでいただける企画に……。そんな中、2020年特に盛り上がりを見せたコンテンツが「BLドラマ」だったのではないかと思います。
そこでなんと、今回はフリーライターの阿部と編集部員の石橋さんが生徒役となり、外部講師をお招きしました! 数多くのBLドラマを配信するRakuten TVのアジアドラマ買付・調達担当 金さんから「BLドラマの世界」をご案内していただきます。
BLドラマの歴史を振り返りながら、日本と海外(アジア)のBLドラマの違い、BLドラマの魅力、そしてBLドラマ初心者にオススメの作品などたっぷりお話を聞いていきます。
それでは早速講義スタート!
※BL事情は諸説あるため、本企画には個人的見解も含まれています。
●金京恩
Rakuten TVアジアドラマ買付・調達担当。BLドラマの制作に関わることも。韓国から日本に来て約15年。学生時代からBLが好き。映像コンテンツも好きで、好きを公言していくうちに現ポジションへ。今回の外部講師役。
●阿部裕華
フリーのライター。本企画の助っ人。石橋さんの飲み友達。BL愛好歴15年。『好きなものは好きだからしょうがない‼』に衝撃を受け、BLへ沼落ち。黒髪メガネ受けが登場する商業BLマンガは一通りチェックする。BLドラマはほぼ素人なため、今回は生徒役。
●石橋悠
アニメイトタイムズの編集部員。HIPHOPと百合と某王国を愛する。アニメ化したBL作品などを少し見てはいるが、ズブの素人と言っていいレベル。今回の生徒役。
連載:BL塾
アニメイトタイムズで連載中の「BL塾」が書籍化決定! 表紙イラストは森下suu先生! 書き下ろしを含めた決定版です! アニメイト特典は表紙イラストのカラーペーパー!連載バックナンバー
画像をクリックすると、関連記事にとびます。金センセイをご紹介
阿部:石橋さん、早いもので5月になってしまいました。お久しぶりのBL塾でございます! 前回の講義内容は覚えていますか?
石橋:センセイ、お久しぶりです! 2020年は「BL成長期」と呼ばれる年で、中でも国内外問わずBLの映像コンテンツが話題になったんですよね。もちろん覚えていますよ!(ドヤッ)
阿部:さすが石橋さん、その通り! 中でもBLドラマの人気が高まっていました。「チェリまほ現象」が起きるほどSNSでトレンドになった『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(※1)』やタイBLドラマブームの先駆けとなった『2gether(※2)』など話題になる作品がとても多かったんです。
※1:30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい
スクウェア・エニックスの『ガンガンコミックスpixiv』で連載中の豊田悠さんの漫画作品。30歳まで童貞だったサラリーマン安達清は「触れた人の心が読める」という魔法の力を手に入れてしまう。そんなある日、イケメンで仕事のできる同期・黒沢の心を読んでしまう。黒沢の心の中は安達のへの恋心でいっぱいだった。Twitterとpixivで大人気のマンガが書籍化し、人気の高さから2020年には赤楚衛二さんと町田啓太さんを迎えTVドラマ化。
※2:2gether
コンテンツセブン/©GMMTV COMPANY LIMITED, All rights reserved
JittiRainさんの小説を原作としたHousestories 8とGMMTV制作のタイのTVドラマシリーズ。偽装恋愛だった大学生二人が本当の恋愛に発展するストーリーが描かれる。2021年6月には『2gether THE MOVIE』が公開予定。
◆配信ページはこちら
阿部:そこでもっとBLドラマの世界を深掘りしていきたい!と思ったのですが、恥ずかしながらBL塾のセンセイにも関わらずBLドラマにめっぽう疎くて……。話題作はなるべく見るようにしているのですが三次元は若干守備範囲外なのです……。
なので詳しい人にお話を伺った方が良いだろうと、今回は外部講師の方をお招きしました。Rakuten TVアジアドラマ買付・調達担当の金京恩さんです。本日はよろしくお願いします!
石橋:センセイの先生ということですね! よろしくお願いします!
金:金京恩です。よろしくお願いします!
阿部:金センセイはいつからBLがお好きだったんですか?
金:センセイ(笑)。好きになったのは高校生くらいですかね。当時、韓国では「BL」ではなく「やおい」と呼ばれていて、コンテンツも小説がメインでした。でも、本屋に日本のBLマンガがたくさん並んでいたので、よく読んでいましたよ。
石橋:韓国でも日本のBLマンガが売っているんですね!
金:売っていますよ!当時、 韓国で売っていたBL書籍は大事なところ全てに花(モザイク)がたくさん入っていたため、日本に来て初めてBLマンガを読んだ時には衝撃を受けました(笑)。
「日本といえばBL大国」の印象が強かったので、日本にきて最初に行ったのが池袋の「まんだらけ」です。
石橋:おお! 乙女ロードは偉大ですね……。
金:なので、昔から「日本の何が好きですか?」と質問されたら「BLが好きです!」と答えていました(笑)。
阿部:BL好きとしては嬉しい限り。今のお仕事に就いた経緯をお伺いしてもいいですか?
金:最初はシステムエンジニアとしていろいろ仕事をしていて、もともと映像コンテンツが好きでしたし、大学で映像コンテンツの勉強もしていたため動画配信系のシステム開発に携わるようになりました。そこから少しずつ調達の仕事を手伝っていくうちに、現在はタイ・韓国・中国・台湾ドラマの調達と買付、最近は制作にも関わらせていただくようになりました。フランクに「BLが好きです!」と言っていたら、いつの間にかBLが専門な仕事をするように……(笑)。
BLドラマの調達に関しては「京さんがドキドキする作品ならいいよ」と言ってもらっています。
石橋:とっても良い職場!
金:配信の前に予告編がなければ素材をもらって自分で編集して字幕を入れて公開するとか。昨年はそんなことをずっとやってきました。私自身BLドラマが好きなのでプライベートを削ってでもBLドラマの配信に力を注いでいます(笑)。