アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』紺野純子役 河瀬茉希さん✕星川リリィ役 田中美海さん✕SCOOP MUSIC 佐藤宏次さんインタビュー|1~5話の物語を振り返りながら語る楽曲制作秘話【SAGA_R:05】
ライト役の高山みなみさんと「ダブルみなみ」で。ラストシーンは悲しくならないように背中を押して
――ライト役を高山みなみさんが演じられて。2話の白竜さん以来の豪華ゲストでしたね。
田中:5話のオーディションでのライバルの子役、ライト君を演じられるのが高山さんだということを、台本を見た時に初めて知って驚きました。他のキャストさんからは「ダブルみなみだね」と言われて(笑)。事務所の大先輩と共演させていただいて光栄でしたし、ライトのイメージにもピッタリでした。
直接の掛け合いはできなかったんですが、後に2人の掛け合いを聞いたら、ちょっと大人びていて、「子役同士の会話ってこんな感じなのかな?」って。全国大会に行くことはできなかったけど、お互いが認め合ってエールを送り合うところが素敵だなと思いました。
河瀬:もしリリィが勝って、全国放送に出ることになっていたら、違う未来になっていたんでしょうね。リリィには勝ってほしいけど、勝ったらどこに行っちゃうんだろうという不安もありつつ、複雑な心境にもなりました。
個人的に好きなのは、ステージの後、男子トイレで「自分の負けだ」と泣いていたライト君に、リリィが「胸を張りなよ」と話しかけるシーンで。「てかここ、男子トイレだぞ」と言うライト君に、「リリィはリリィだからいいの」と返すシーンはよかったです(笑)。
――ライトとの最後のシーンは2話のサキ回と似たような気持ちにもなりました。
田中:傍から見たらせつないシーンなのかもしれませんが、リリィはフランシュシュのメンバーの中で唯一成長したくない子で。男の子なので、大人の男性になれないことは嬉しいことなんですよね(笑)。だから、あのシーンは悲しい感じにはしたくなくて、ライト君の背中を押してあげることを一番に考えながら演じました。
リリィのソロ曲「リトルパラッポ」は初のスキャット!
――田中さんが5話で歌ったリリィのソロ曲「リトルパラッポ」を歌った感想やレコーディング秘話をお聞かせください。
田中:これは衝撃的でした。最初は「アドリブで歌って」と言われて、音源が届いたら呪文みたいだなと(笑)。でもきっとできると思って頂いて、オファーしてくださったと思うので、その期待に応えたいという気持ちもあったし、「天才子役のリリィならやるはずだ」って頑張りました。
佐藤:すごい前向き発言!カッコイイ!。制作サイドからは割と軽いノリで、「スキャットやるんですよ!」と決定事項として言われたけど、「スキャット⁉︎大丈夫!?」って心配になって。とりあえず教えてくれる先生を探して、ちゃんと練習する期間を設けなくてはまずいかもしれない、と今福さん(エイベックス・ピクチャーズ)には伝えました(笑)。
田中:レッスンの先生もまさかの佐賀県出身の方でビックリしました。
佐藤:ジャズシンガーの方で、スキャットもめちゃめちゃ上手で。佐賀県出身なのは偶然だけど(笑)。
田中:教え方も上手で、2時間半くらいのレッスンでしたが、「あれ? できてきた?」と手応えを感じられて。レッスン前と後では全然やりやすさが違いました。
佐藤:あまりにも素晴らしかったので、レッスン中の動画をスタッフ陣に送りつけましたね!。みんな感動してました。
練習期間はなんと2カ月!? スキャット独特のリズムに苦戦
――全体の練習期間としてはどれくらいあったのでしょうか?
田中:最初にまず他の楽曲を録る時にテストレコーディングをしたらとても難しくて、どうしようと思っていたらレッスンの先生を呼んでくださって。先生に教わったのは1回でしたが、トータルでは2カ月くらい練習しました。
佐藤:レッスン自体は1回で済んでしまったんですよね。それで復習をする期間があって、本番という流れでした。
――一番苦戦したところは?
田中:スキャット独特の波を打つリズムにのって歌うことは普段ないですし、リズムをとるのも難しい上にリリィでやらなくてはいけなくて。「di l di l…Du」のところは特殊ですごく難しかったです。
また序盤の「li gi li gi…」のところは最初は「li bi li bi…」だったんですけど、先生からこっちのほうが言いやすいよとアドバイスをいただいて変えさせていただきました。
河瀬:楽譜を見ても何が書いてあるか、わからないよね。
田中:皆さんにもぜひ楽譜を見ていただきたいです。
佐藤:どこかに掲載するなら田中さんが加筆した楽譜だよね。それが完成版! レコーディングの時も田中さんが書き込みをしてくれた譜面をコピーさせてもらって、それを見ながらディレクションさせて貰いましたから(笑)。
田中:レコーディングの場で変わった部分もあったので。
宣伝担当:掲載してよろしければ、どこかでだしたいですね。
田中:本当ですか? 楽しみです!
こんな楽譜、初めてみたよ😉💫#ゾンビランドサガ pic.twitter.com/Yka0MVFjR0
— 田中美海 (@minazou_373) May 6, 2021
――レコーディングはどのような気持ちで臨まれたのでしょうか?
田中:普段のレコーディングでは、そこまでは緊張しないんですけど、この時はすごくドキドキして。たっぷりハチミツを持ち込んで、いつもより気合を入れて、長期戦も覚悟して臨みました。
――佐藤さんはどんなディレクションをされたのでしょうか?
佐藤:レッスン後に自身で作り込んでくれていたので、特に細かいディレクションはなかった気がします。「最後に『フゥ!』と入れようね」と言ってくらいで。
田中:元の楽譜にはなかった先生のアレンジも取り入れさせていただいたり、皆さんと作り上げた曲です。
佐藤:田中さんの頑張りに支えられた1曲になりましたよ!
田中:レコーディングが終わった日はおいしいものを食べて、自分にご褒美をあげようと思いました。
河瀬さんにとっての初スキャットはこの曲に
――河瀬さんは「リトルパラッポ」を聞いて、どう思われましたか?
河瀬:私はこの曲で初めてスキャットというものを知りました。最初は「猫のこと!?」って思ってました(笑)。
田中:私も声優のお仕事で、まさかスキャットを歌う日が来るなんて思わなかったです。
河瀬:声優でスキャットをやったのは初めてじゃない?
田中:曲の中でパーツとしてスキャットすることはあっても、1曲全部は初めてかもしれないね。
佐藤:これからは特技の欄にスキャットを追加だね!
河瀬:でも今後もリリィへのハードルが更に上がっていくのでは?
佐藤:「あれ? できないんですか?」って。
田中:ヤバい! ヤバい! でも、この作品は何でもアリだから、ちゃんまきも来るかもよ。
河瀬:それはちょっと(笑)。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会