人気アニメ『ヘタリア』の最新作『ヘタリア World★Stars』わたなべひろし監督インタビュー|「楽しみながら世界の未来のために見てほしい」
人気アニメ『ヘタリア』(原作:日丸屋秀和)の最新作が約6年ぶりに配信開始! 最新作『ヘタリア World★Stars』(以下『W★S』)は、原作で人気の「産業革命」のエピソードを中心に、新キャラクターのチェコ(CV:諸星すみれさん)、スロバキア(CV:小林裕介さん)、ポルトガル(CV:梅原裕一郎さん)、ルクセンブルク(CV:八代 拓さん)も登場! もちろん、いつものキャラクターも大活躍します。
配信開始を祝して、わたなべひろし監督に『ヘタリア』の魅力や制作する上で意識されている点、『W★S』の見どころなど語っていただきました!
世界史が苦手だったわたなべ監督も『ヘタリア』で興味&勉強も!?
――以前から監督として『ヘタリア』に関わられていますが、『ヘタリア』の印象についてお聞かせください。
わたなべひろし監督(以下、わたなべ):監督の仕事をお受けした時、原作を読ませていただいたらめちゃめちゃ時間がかかりました(笑)。でも各キャラクターの行動原理も割と理解できたし、読み進めていくとどんどん先が楽しみになって。今回の『W★S』も新作の部分がおもしろかったので、作るのが楽しみでした。
――各キャラクターのかわいさに加え、世界各国の特徴や情勢などがキャラクターやお話に反映されているので、世界史を学ばれている人やかつて学ばれている人は特に「あるある!」と納得したり、ハマると思いますが、監督は、世界史はお好きだったのでしょうか?
わたなべ:世界史は苦手でした(笑)。でも『ヘタリア』に携わるにあたって、ヨーロッパに行って、実物の建物や銅像を見たり、解説を調べたりして知識を更に深めることができました。
例えばスペインのレコンキスタ(718~1492年まで複数のキリスト教国家によるイベリア半島再征服)もアニメ作品のタイトルとして聞いたことがあったけど、実際にスペインに行き、遺跡などを見たりすることで詳しく内容がわかったりして。『ヘタリア』によって興味を持って、勉強するようになったし、『ヘタリア』で初めて知ったこともかなりあります。
人気作品を引き継ぐ重圧もキャラクターデザインの岡さんのサポートでクリア。短い尺ならではの難しさも!?
――監督として関わられる際に意識されたことはありますか?
わたなべ:元々、別の方がずっと監督を務められて、ここまで続いている作品で、僕に代わってつまらなくなってしまってはいけないというプレッシャーはありました。
でも僕と同じタイミングで新たに参加することになったキャラクターデザインの岡(真里子)さんが『ヘタリア』にかなり詳しかったので、絵コンテを描く時にキャラクターの行動原理などいろいろ教えてもらえて。岡さんがいたからできたと思っています。
――今までの作品の雰囲気や良さはそのままに、わたなべ監督のエッセンスやテイストも入れた感じですか?
わたなべ:僕が作れば、自然と僕らしくなるので意識はしていませんが、原作の世界観と前任の監督が作られていたアニメは踏襲しなくてはいけないなと思いました。
――短い尺の中で、原作の魅力やおもしろさを詰め込むのは難しいのでは?
わたなべ:すごく難しいです。入れたくても入れられないエピソードや部分的に削らなくてはいけないエピソードもあって、どこを活かし、どこを削ればいいのか、毎回悩ましいです。前シリーズでは、長くて入れられないエピソードがあったら絵コンテの時に日丸屋(秀和)先生がネットで公開されていたエピソードと入れ替えたりして尺の調整が可能でしたが、今回の『W★S』ではなるべく原作通りにという方針が前提でしたので編集作業でのみの調整で対応しています。