「超声優祭2021」イケボ☆ステージ終了後の伊東健人さんにインタビュー|声のお仕事という根っこを忘れずに求められるものに応えていきたい
ファンから感じる同じ匂い
――今回のイベントはファンの方とのコミュニケーションの場でもありましたが、ファンからの発信などはご自身でチェックされていますか?
伊東:チャンネル番組やラジオでのやり取り、ファンレターが主になって皆さんからの声を聞いています。皆さんの声を聞いてとても面白く感じたのが、何となく自分と同じ匂いを感じるといいますか、“類は友を呼ぶ”ということわざの通りだなぁと感じました。
たとえば、僕タメ口を聞けないタイプでして。お渡し会やサイン会などファンの方と触れ合う機会が他のタレントさんでもあると思いますが、どれくらいの距離でいこうかそれぞれ違うと思います。
もちろん、役者のほうから積極的に敬語を外してコミュニケーションを取ろうとする方もいらっしゃいます。ただ僕の場合、絶対に敬語は外せませんし外したくない。そこは壁があって然るべきだと自分は考えています。
――まさに「親しき仲にも礼儀あり」ですね。
伊東:そうですね。その距離感を詰めることを目的として欲しくないというか。「アイドルじゃないしなぁ」と(笑) 。
たぶん、僕はそういうのが苦手なタイプだと思います。今回のようなイベントでも、去り際に手を振ることができないんです。
頑張ってやっているときもありましたが、最近では“もういいや~”と思うようになりました。
――そう思うようになったきっかけってあったのでしょうか?
伊東:何だろう……疲れたのかもしれません(笑)。
一同:(笑)。
――今回声優特化型のイベントということで、声優についてのお話も少し伺えればと思います。現在、多方面で声優さんがご活躍されていますが、伊東さんからみて現在の声優という職業についてどのように感じられていますか?
伊東:一言でいえば「時代」だなと。求められるなら自分はなるべく応えていきたいですし、それが最終的には声優という仕事に回帰していかなければならないと思っています。
そこを忘れてしまうと、自分の場合はとんでもないことになっていきそうなので、どのような仕事でもその根っこは忘れないようにしておきたいです。
その根っこは持ちつつ、これから先にどのようなことをしても最終的には声のお仕事に戻ってこられるようにしたいな、と。そうなるためにはいろいろと頑張らなければなりません。
――声優のお仕事の幅が広がっていても、その根底にある“声のお仕事”は揺るがない部分だと。
伊東:そうですね。そこは揺るがせたくないです。音楽活動をさせてもらっていますが、そこを柱にしたくない。自分はそんなに器用な人間ではないので、ブレない柱を一本だけ立てて、その上で時代が求めるようなことはどんどんやっていかないといけないなと。
本来の声の仕事というところも時代によって動いていくところだと思うんです。たとえば、スマホゲームのお仕事は今となっては当たり前のようになっていますが、10年前にはなかったこと。
そういう新しいものがこれからも生まれてくると思うので、そういうところには積極的に応えていきたいです。
――時代の流れに沿って、伊東さん自身に良い変化はありましたか?
伊東:わりと良いことしかなかったような気がします。僕自身、人と喋るのが苦手というところから声優を始めているので、こういうバラエティイベントでも良い経験をさせてもらったり、1人で喋る場でも自分なりに応えていったりして。
こんなに人前やカメラの前で喋る人生になるとは思っていなかったので、すごく面白さを感じています。
――10年前の自分では考えられなかった今ですね。
伊東:そうですね。10年前はちょうど養成所に入っていた時期でもあるので、少しは考えていたのかもませんが、正直、ここまでやれるとは思っていませんでした。
ぶっちゃけますと、たまに「今日のイベント何だったんだろう?」という日もあります(笑)。
一同:(笑)。
伊東:“あそこでこう返しておけばもっと面白くできたんじゃないかな”と、反省して帰ることがたくさんあります。
――たくさんあるんですか?
伊東:ありますよ~! だいたい帰り道は凹んで帰っていますから。
――ちなみに、今日のイベントはどうでしたか?
伊東:今日は意味のなさで言ったらトップクラスではありますね(笑)。
一同:(笑)。
伊東:でも今日のイベントは最初からそういう感じでしたから。 肩の力を抜いてレクリエーションするぞ! という雰囲気でのイベントに対して、「今日の仕事がどう影響を与えると思いますか?」と聞かれたら困りますけど(笑)。
スタッフ:そこは、とっとクラブの入会が増えるとか……!
伊東:あっ!そうだそうだ!(笑)
一同:(笑)。
伊東:若干、真面目な話をすると今の情勢でエンタメ云々言われていますが、意味のないことが楽しいな、必要だなと思えるのが人間の良いところだな、と。いろいろありますけど、たまには意味のないこともこの世界にはあってほしいなと思います。
――今日のイベントでも救われた人がいるかもしれません。
伊東:いるのかな?(笑) もし救われた方がいらっしゃったらこちらも嬉しく思います。
――最後になりますが、ファンの方、そして「伊東健人のとっとクラブ」が気になっている方に一言お願いします!
伊東:僕がやっている番組の中で1番素が出ていて1番口が悪い番組ですので、気軽に見ていただけると思います。他の番組では石橋を叩いてしかいませんが、「とっとクラブ」では叩かないで走っている感じです。気になった方はぜひご覧ください。そしてお便りも待っています。
――ありがとうございました!