春アニメ『フルーツバスケット』The Final 本田今日子役・沢城みゆきさん|あなたの幸せな姿が、私たちの幸せ【声優インタビュー第3回】
2021年4月より、テレビ東京・テレビ愛知・テレビ大阪ほかで放送中のTVアニメ『フルーツバスケット』The Final。
本作は2019年4月より新スタッフ&キャストにより全編アニメ化となったTVアニメ『フルーツバスケット』の最終章となっており、ついに“十二支の呪い”を軸に繰り広げられてきた物語が結末を迎えます。
アニメイトタイムズでは最終回に向けて、キャスト21名のメールインタビューを毎日連載でお届け! 第3回目は、本田透の母親である本田今日子役の沢城みゆきさんです。
※一部ネタバレを含みますので、予めご了承ください。
精一杯今日子として過ごした思い出が、今も鮮やかに蘇ります。
——The Finalで心を鷲掴みにされたシーンやセリフ、好きなシーンなどがあれば教えてください。
沢城みゆきさん(以下、沢城):死の間際に増していく想いの強さと、静かに沈んでいく体の乖離していく体感が強く残っています。こちらを見つめ返す夾の瞳も焼き付くように覚えているな……。
——これまでのシーズンとは違い収録形式にも変化があったと思いますが、アフレコ現場の様子はいかがでしたか? 全シーズンを通して、ディレクションや印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
沢城:「お母さん」と呼ばれると自分が呼称されているようにはいまいちずっと思えなかったけど、力が湧いてきたこと、「おかあさん」の自分は好きでいられたこと、うおちゃんが透と仲良くなりたいと話してくれた時、嬉しくて嬉しくて私の方が泣きそうだったこと、柄にもなく彼女たちが生きる未来の幸せを神様に祈ったこと。
……思い返していくと、精一杯今日子として過ごした思い出が、今も鮮やかに蘇ります。
——登場のたびに今日子さんの言葉ひとつひとつが胸に響きました。透、由希、夾らに大きな影響を与えた存在ですが、沢城さん自身、「本田今日子」というキャラクターはどのような人物だと解釈し演じられましたか? 共感した部分などがあればお聞かせください。
沢城:共感した部分……。「我が子よ幸せであれ」という気持ちでしょうか。子供を持つと「すべての子供よ幸せであれ」という、本当に純粋な気持ちが湧いてくるところも同じかもしれません。
あとは、何もかもが真逆な気さえしています。他の方から見たらどうだったのかは分かりませんが、向き合った私たちはお互いの共通点のなさに目をぱちくりさせていたようなそんな印象です。
でも、子供の話になると「可愛いよねぇ」とおんなじ顔で笑えたような、そんな関係でした(ママ友?)。今日子を演じると言うことは、透の幸せを預かることと同義で、今収録を終えた私は、一番夾と抱き合いたいかもしれません(笑)
あとはもう、どこまで想像力の糸を伸ばして今日子の中へ潜っていかれるのか、見つけたところでそれを音にできる表現力があるのかの闘いでした。
「子供たちからみた大人の今日子」なのか「等身大の今日子」なのか、シーンによっても立ち回りを変えながら、なんとか貫通性があるように取り組みました。