家族ってどんな形でもいいんだと考えさせられました――Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』サラ役 高野麻里佳さんインタビュー│初主演のアフレコ中、山寺宏一さんの意外な行動が勉強に!
山寺宏一さんの意外な行動にびっくり!? 共演者から学んだこととは?
――収録で出演者とのエピソードがあればお聞かせください。
高野:お母さん(A37)役の氷上(恭子)さんが差し入れを皆さんに配っていて、それがすごくハートフルで嬉しかったです。「本当にお母さんみたいだな」と思いながら、収録することができました(笑)。
――山寺さんもかなり重要なキャラクターを演じているわけですが、なにか話はされましたか?
高野:はい。山寺さんはお会いするのも初めてだったので、すごく緊張していたんです。でも、すごく優しい笑顔で話してくださいました。
それから、山寺さんの収録を見ていて勉強になったこともありました。飲み物を飲むシーンの時に、テストでご自身の水筒を取り出して実際に飲んだんですよ。それを音として収録していたんです。声優経験の浅い私にとっては、そうやってもいいんだとすごく勉強になりました。
もちろん、山寺さんだからこそできる技術もたくさんあると思いますけど、マイク前で録るべき音や、そのシーンで求められるものを追求する姿を拝見できたことは、すごく貴重な経験になりました。
――そういうのって大切ですよね。
高野:これはして良い、してはいけない境界線というか、暗黙の了解は(現場で)学んでいくしかないですからね。今回も私が同じことをして上手くいくかはわかりませんし、必ずしもやっていいとは限らないと思いますが、プロフェッショナルのお仕事を見ている気持ちになりましたね。
――では、サラを演じて特に印象的だったシーンをあげるならどこでしょうか?
高野:サラって、基本的には天真爛漫でいつも明るく元気なんですよ。でも、「あれ? わたし以外に人間っていないのかな?」と初めて孤独を感じるシーンがあるんです。
ロボットに育てられてはいたけど、ずっと人間ではあったわけで……ここはより人間らしさがにじみ出たシーンだと思っています。きっと見てくださった皆さんも共感できる部分なんじゃないですかね。
――見ていて、そのシーンは本当に印象的でした。サラのセリフもすごく胸に響いてきて。
高野:そうなんですよ。ロボットならきっと、みんなと違うことなんて気にしないと思うんです。でも、サラにとってはコンプレックスというか、後ろめたいことだったんじゃないかなって。
――そのロボットたちも、人間ではないけど個性豊かですよね。特にお気に入りのロボットはいますか?
高野:え〜! みんな好きなんですよね。お父さん(E92)とお母さん(A37)はレジェンドなので、2人以外から選ぶとしたら、そうですね……科学者のロボットがすごくお気に入りです。
人間のことを調べる時に、率先して一緒に調べてくれるんですよ。私自身も人間なので「人間を調べるって、なにをするんだろう?」と思いましたけど、人間を客観視するのが面白くて、一緒に研究している気持ちになりました。
――確かに、ロボット目線だとこうなるんだ!となりますよね。お父さんやお母さんも最初にサラを見つけた時にいろいろやっていましたし。
高野:そうなんです。赤ん坊のサラを見た時の反応がすごくコミカルで。これからなにが始まっちゃうんだろう、と思わせてくれる出会いでしたね。