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『るろうに剣心 最終章 The Beginning』江口洋介インタビュー

人斬りであった頃の剣心を描く『るろうに剣心 最終章 The Beginning』公開記念 江口洋介さんインタビュー|撮影で一番苦しかったことは斎藤一のトレードマークに関係が!?

 

これまでとは違う速度を求められたアクションシーン。

——斎藤一の剣、アクションは剣心たちのスピード感あふれるものとはまた違う、パワーのある、実力を感じさせるものに感じます。江口さんはどういったことを意識しながらアクションシーンを演じられているのでしょうか?

江口:今まで映画でいろんな作品をやってきましたけど、そういう今までの作品とは違うベクトルの殺陣だな、と。ちょっとカンフーのような、SFのような。なので、まったく新しいものとして捉えていきましたね。今までは実際に当てないで斬っていく殺陣を僕らは習ってきましたが、るろうの刀は実際に当てていけるんです。

ちゃんと腰へと落とし込んだところで止める、みたいな。でもこのチームは止めてる間に斬られるんです(笑)。止めちゃいけないというので、もっとインテンポで入っていくというか。日本時代劇は間合いで魅せる、武道的なものだけど、この作品では「もう一歩早く入ってきてください」と言われたりしました。

それはたぶん斎藤だけじゃなくて全員が要求されたとは思うんですけど、すごく新しい体験でしたね。近未来映画っぽい時代劇になるんだろうな、繋がったらどうなるんだろうな、というのはすごく意識していましたし、回を重ねるごとに何か月も前からリハーサルをする必要があるということが分かってきて。

これは現場に行ったときに全て入っていないと、と思いました。現場でやるような普通の殺陣ではなくて見せ場がアクションだということがしっかり分かってきてからはそこに集中してました。

 

 

——以前谷垣さんにお話を伺った際、絵コンテを完璧に決めないことで、余白ができ、そこで役者さんからさまざまな提案があったというお話がありました。江口さんはなにかアクションシーンにおいてご提案などはされたのでしょうか?

江口:リハーサルのときに、「ここは左から斬っているけど、体の感じで右から斬っていきたい」とゆう体勢の話は回を重ねるごとに話しながら作っていくことができました。

でも、ほぼ谷垣さんが作った手を忠実にやる流れでした。ただ本番はやっぱり別物なんです。どこで煙草吸って吐いているかなんて全然考えていない。プっと吹きながらやっているし、それはもう本番だけのテイクだと思って僕もやっています。

——事前に決められてやっているわけじゃないんですね!

江口:ないんですよね。練習は何か月もやるんだけど、本番は一晩中それをやるんです。かなりハードな現場になってくるんですよね(笑)。練習ではないそれ以上のものを表現していると思うから。その中で出てくるパッションや呼吸みたいなものは本番じゃなくちゃ出ないんですよ。

——それだけやっているからこそ、本当の戦いのような緊迫感が生まれるのかもしれないですね。ちなみに、斎藤といえば「牙突」は代名詞のひとつでもあり、ファンの方からも人気のある技ですが、こちらは撮影するうえでなにか意識されたことなどはありますか?

江口:作品の大ファンだったらそこにプレッシャーを感じたり、どう演じたらいいのかな? と考えたと思うんですけど、初めのころはそんなにプレッシャーもなかったですね。一発で仕留めるような、「狩猟」のようなイメージでやっていました。

最初はそこを決めようとしすぎてワイヤーを使ってみたら面白いことになったり。いろいろと経験していく中でだんだんとあらゆるシーンで牙突を出すようになって。なにかあるとすぐに「じゃあ牙突いきますかこの辺で!」みたいに(笑)。

監督たちと、「ここで使えるな」「ここでやっちゃいましょう」ってモニターを見たりして変えたりはしましたね。だんだん自分たちのものになってきた、という感じがあります。

 

剣心と対峙するシーンは殺陣が一切付いていなかった!?

江口:僕も含めてですけど、10年経つと心境も変わって。その間に武井さんとも2回くらい連ドラで共演もしたり、それぞれにいろんな仕事があったので、10年経った感じがあんまりしないですね。

映画で10年間同じ役をやる事はあまりないですし、それだけこの映画が認められてきたことでもありますし、よりハードルは上がっていくんですけど、やりがいを持ちながら遊ぶことができましたね。

スケールも製作費も上がっていく中で、セットもとてつもないものになっていくし。その中でどれだけ遊べるか、「もう俳優としてこれだけのセットでやれることもそうはないぞ」と思いながらやってました。それだけビッグスケールになるのは誰も予想していなかったと思います。

でも、面白いことにそんなに馴れ合わずに、このスタッフ、メンバーたちはそれぞれ孤立して強く持ってる感じがする、不思議なメンバーでした。

——久しぶりにみなさんに会ったときに成長したな、変わったな、みたいに感じた瞬間などはありましたか?

江口:健君はやっぱり初めて会ったときは若いなと思ったし、この映画はどういう風になっていくんだろうなと思ましたね。

ある種ずっと(佐藤さんの中に)剣心という存在をすごく意識していたので、役柄的にも必然的に彼との緊張感を壊さないようにやってきました。彼の得意ななぞなぞとかにも参加しないようにしたり。冗談ですけど(笑)。

見守ってきたという感じではなく、斎藤と剣心として、現場でもいい緊張感のままやってきましたね。

——『The Beginning』ではまさにその緊張感が頂点に達するようなシーンがありました。

江口:そうですね。剣心と対峙するシーンが、齋藤の一番のハイライトシーンだと思ってやりました。この人間に会わなかったら、こんな最後まで、この男を意識しなかったであろう、という瞬間で。どんな心境だったんだろう? と思いましたね。

あそこだけは一切殺陣も付いてないんです。殺陣を付けずに、「斬るんだったら斬れ、こっちも斬るぞ」とゆう勢いで、現場に行っていて。殺陣が決まってないのに向かい合ったのは、えらいスリリングでしたね。

——決まってなかったんですか!?

江口:普通は殺陣が決まっているところが決まってないから、本当に現場の空気の中で間合いを取って、どっちが斬るかという緊張感はすごかったですね。

ギリギリまで監督も一手合わせるかどうか、「そこで当たったら当たった」というところで。映画ではたぶんその前で切ってます。そこで「合わせなかったからこそ奴にこだわったんじゃないか」という大友さんの視点があるんです。

 

 

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