春アニメ『聖女の魔力は万能です』セイ役 石川由依さん×アルベルト役 櫻井孝宏さんインタビュー|恋あり魔法あり! 異世界スローライフの楽しみ方【カドコミ2021】
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これを記念して、TVアニメ『聖女の魔力は万能です』に出演する声優の石川由依さんと櫻井孝宏さんへのSPインタビューが実施されました。
TVアニメ『聖女の魔力は万能です』は、2021年4月~6月にかけて、AT-X/TOKYO MX/MBS/BS11にて放送。残業を終えて帰宅した20代会社員・セイが、聖女として異世界に召喚され、ファンタジックな王国でスローライフを送る物語が描かれました。
小説からマンガへ、そしてこのたびTVアニメ化も果たしたこの作品の魅力とは? TVアニメでセイを演じた石川由依さん、王宮第三騎士団団長アルベルト・ホーク役の櫻井孝宏さんに、作品の見どころはもちろん、作中で描かれる恋模様、イケメンぞろいの王国生活について語っていただきました。
アルベルトの積極的なアプローチにドキドキしっぱなし!?
──最初に原作や台本を読んだ時の感想をお聞かせください。
石川由依さん(以下、石川):これまで、異世界召喚ストーリーといえば主人公は男性というイメージがありました。ですから、まず女の子が召喚されるというのが、私にとっては新鮮でしたね。主人公のセイは、とても前向きな子。最初のうちこそ理不尽な思いもしますが、周りの人々もとても温かいのでストレスなくサクサク読み進めることができました。とても面白かったです。
櫻井孝宏さん(以下、櫻井):現代人が戦国時代に行ったり、別世界に召喚されたりする作品は昔からありましたし、今や異世界転生モノはひとつのジャンルになっていますよね。でも、大抵の主人公は異世界で戸惑ったり、なかなか馴染めず「元の世界に帰りたい」と思ったりするじゃないですか。その点、セイはこの世界での生活を受け入れているのが新鮮でしたね。ちょっと引っ越したくらいの感じで(笑)。セイがもともとそういう人なのか、描きたいテーマがそこではないからなのか、いろいろ理由はあると思いますが面白いなと思いました。
石川:最初こそ戸惑っていましたが、すんなり馴染んでいますよね。帰りたいようなそぶりもあまりなくて(笑)。
櫻井:アニメでは第1話のAパートから適応していますからね。
──ご自身が演じたキャラクターの印象はいかがでしょうか。
石川:異世界に適応する力、前向きな気持ちが強い女の子だなと思いました。もちろん戸惑ったりプンスカしたりすることもありますが、切り替えも早く、どうせこの世界にいるなら楽しもうと考えるところが素敵だなと。それが、自分のやりたいこと、植物の研究につながり、さらには誰かを助けたいという気持ちにもつながっていく。明るく前向きに突き進み、人のために頑張る姿が魅力的ですよね。
櫻井:アルベルトの場合は、騎士のイメージが強いですね。少し王子様風のルックスで、凛々しくて端正。セイとの出会いも劇的で。ボロボロの状態を助けてくれた命の恩人ですから、まぁ好きになっちゃいますよね(笑)。しかも、相手は聖女様ですから。運命、とでも言うべきでしょうか。ストレートに好意を示すあたりからも、堂々としていて誠実な騎士らしさを感じます。あまり雑味がない人だなと思いますね。
──役柄に入り込むのはスムーズでしたか?
石川:私は暗くなりがちなので(笑)、セイのように前向きで、何も後ろめたさのない役柄は珍しいケースかもしれません。挑戦したい気持ちはあったのですが、なかなかそういう役に巡り合わなくて。でも、演じるにあたってそこまで苦労はありませんでした。
櫻井:アルベルトに関しては、ストーカーチックにならないといいなと思ってました(笑)。これは私の表現の仕方の問題ですが、セイに対してグイグイと行く人なので、ちょっと道を踏み外すと危うさが出てしまいそうで。雰囲気のいい人だから、キラッとしたイメージを保ちたいなと思って収録に臨んでました。
石川:アニメを観ていても、「ホーク様、積極的だな」と思います。ストレートにセイを狙っているなと(笑)。
櫻井:いいですね、「狙っている」って(笑)。
石川:でも、誠実さが伝わってくるので、嫌な感じはしないんです。意外と大胆なこともしますが、ある一定の距離感を保っていますよね。逆に言えば、だからこそセイもいつまでたっても慣れず、毎回ドギマギすることに。「このふたりの仲は進展するのだろうか」とずっと見守っていました。
櫻井:デートに誘ったり、アプローチしたりという行動だけ見ると積極的ですが、もうひとつ核心に迫れない。「どうした?」と何気なくセイに急接近したり、間近に顔を覗き込んだりするのは、ある意味子どもっぽい感覚なのかなと思います。セイがドキッとしているのを見ても、「どうしたんだろう」みたいな反応でピンときてない。それが彼の育ちの良さの表れなんでしょうね。
観ている人が共感できる“普通っぽさ”を大切に
──役柄を演じるうえで、「ここだけはブレないように」と大切にした軸はありますか?
石川:セイは聖女という立場ですし、いろいろなことができる能力の高い子なんですね。でも、普通っぽいところもあるから、多くの方々に共感していただけるのだと思います。だからこそ、庶民感は大切にしました。特に、モノローグでは普通の女の子らしさを大事にしながら演じています。
櫻井:アルベルトは、セイの恋の相手になるような人物です。だからこそ、彼自身も魅力的であったほうがいいなと思っていて。言葉にするのは難しいのですが、彼が本来持っている品の良さ、クリーンなイメージは、どんなシチュエーションでも保ちたいなと思いながら演じています。
あとは、人の上に立つポジションなので、堂々とした立派さが出ればいいなと思いました。これも雰囲気なので、難しいのですが。あとは、セリフを軸にして演じていきましたね。
──全体を通して、印象に残っているセリフやシーンはありますか?
櫻井:第1話でセイが異世界に召喚されますが、同時にアイラ(CV:市ノ瀬加那)という女の子も召喚され、彼女だけが聖女として扱われましたよね。セイが「じゃないほう」みたいな扱いを受けるのが、かわいそうだなと思いました(笑)。でも、マイナスからのスタートにもかかわらず、セイ本人はスペックも高いし、性格も良くてマイナスな部分が見当たらない。印象が上書きされていくのが、観ていて気持ちよかったですね。面白い幕開けだなと思いました。
石川:この世界は、セイ以外の女の子たちもかわいいですよね。最初はアイラちゃんがちょっと困った存在のように描かれていましたが、実は彼女も被害者。仲良くなってからは、すごく和やかな雰囲気です。セイが少し年上だからというのもあるかもしれませんが、人間関係もぎくしゃくせず、本当に癒されるなーって。
櫻井:最初から聖女として扱われたアイラと、周囲とコミュニケーションを深めながら自分の力を示していくセイが、クロスするような描かれ方ですよね。言われてみると、一足飛びに聖女のポジションに就いたアイラのほうが、気の毒に感じられます。ふたりの性格や人間性の違いもあるのでしょうが。
石川:アイラちゃんもすごく戸惑っていますし、本当は友達を作りたいけれど異世界でどうしていいのかわからないところもあったんでしょうね。かわいそうな立場に置かれますが、結果的に仲良くなれたのでホッとしました。
──確かに悪い人が出てきませんし、観ていてつらい展開はありませんね。
石川:王国の第一王子カイル(CV:福山潤)はちょっと困ったところもありますが、カイルだって悪いことをしてやろうと思っているわけではありませんよね。ちょっとした勘違いだったり、アイラを守ろうとしたがために悪い結果を生むこともあったりしますが、人間同士のぎくしゃく感はありません。
それに、こういう作品だとハーレムになることもありますが、今回はアルベルトとセイの1対1の恋愛なのもいいですよね。かっこいい男性キャラはたくさん登場しますが、セイをお父さん目線で見守ってくれたり、友達として仲良くしてくれたり、恋愛感情以外のところで優しく接してくれて。嫌なドキドキ感がないので安心して観られますし、ほっこりします。